イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

Snow Man「HELLO HELLO」が最新チャートでストリーミング指標を獲得した件について考える

最新6月23日公開(6月28日付)ビルボードジャパンソングスチャートで興味深い動きが。Snow Man「HELLO HELLO」において、ストリーミング指標が300位以内に入っているのです。この指標はサブスク等の再生回数に基づいています。

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ビルボードジャパンのCHART insightでは、総合および各指標の動向や最新週におけるポイントのチャート構成比を確認可能。Snow Man「HELLO HELLO」はミュージックビデオ公開に伴い前週動画再生(赤で表示)が初加算され、今週はストリーミング(青)が100位未満ながら300位以内に入りました。ストリーミングはサブスク再生回数に基づく指標のため、サブスク未解禁の同曲のランクインに驚く方がいらっしゃるかもしれません。

ダウンロード/ストリーミングについて

 ②ストリーミング数をどのように合算していますか。

GfK Japanが提供するストリーミングサービス(Amazon Music unlimited、Apple Music、AWA、HMVmusic、KKBOX、LINE MUSIC、Rakuten Music、RecMusic、Spotify)のストリーミング数とプレイリスト型ストリーミングサービス(dヒッツ、うたパス)のストリーミング数、ニールセンが提供するYouTube Musicの再生回数のデータを取得、それぞれ2タイプのデータに市場規模やシェアを勘案した係数を掛け、ポイント化し合算しています。

(こちらの判断に基づき、太字強調しています。)

おそらくはこの太字部分が、Snow Man「HELLO HELLO」におけるストリーミング300位以内の要因と考えられ、YouTubeの影響が大きいことが解ります。そしてこのストリーミングの加点は、Snow Manおよび同日デビューしたSixTONESのフィジカルシングル表題曲では初となります。

下記はSnow ManおよびSixTONESにおける、フィジカルシングル表題曲の最新週におけるCHART insight。いずれも初登場時からの動向を記しているため横軸(週)の間隔に違いがあります。またグラフは総合チャート(黒で表示)と動画再生(赤)、およびストリーミング(青)のみ抜き出しています。

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なお、ビルボードジャパンにおいてYouTubeがストリーミング指標に反映されたのは昨年9月2日公開(9月7日付)以降。ゆえにそれ以前については、動画再生回数が多くともストリーミング指標300位以内に至れなかったと言えるでしょう。

 

CHART insightをみると、Snow ManSixTONESもシングルリリースの度に動画再生の滞空時間が長くなっている印象があります。特にSnow Man「Grandeur」は2020年12月30日公開(2021年1月4日付)で動画再生が3位に初登場して以来、半年近く100位以内に在籍しているのです。 

この動向から、彼らの曲がコアなファンもさることながら広くライト層にも届いていると推測できます。ジャニーズ事務所YouTubeに明るくなったことで、所属歌手のミュージックビデオが基本的に解禁されているという認識が浸透してきたのかもしれません。Snow ManSixTONES等に加え、嵐の二宮和也さんを中心としたジャにのちゃんねるが今年ローンチされたことも大きいのではないでしょうか。

 

 

今回のSnow Man「HELLO HELLO」におけるストリーミングの加点を踏まえ、仮にダウンロードやサブスクを解禁したならばより好いチャートアクションが築けるものと考えます。先日はSixTONESの動画投入策がアルバムのロングヒットにつながっていることを取り上げつつ、デジタル解禁されればさらに伸びるのではという解禁の必要性を唱えましたが、今回のチャート動向はその提唱をさらに強くするものとなりました。

 

ちなみに「HELLO HELLO」のミュージックビデオはショートバージョンとなっています。

今回公開されたのはYouTubeバージョンで、フル尺バージョンでは“君”に恋をしたメンバーがさまざまな恋愛シチュエーションで、ピュアな表情を見せる。

ここから先はフィジカルを購入した方のお楽しみということかもしれません。

Snow Man側には、フィジカルセールスが落ち着いた後に実験としてフルバージョンをアップすることを提案したいと思います。そこで動画再生指標がさらに伸び、ストリーミング指標にも影響を及ぼし総合チャートも押し上げるのであれば、デジタル解禁の必要性をより強く実感できるのではないでしょうか。今のヒット曲にはサブスクやダウンロードが欠かせないことから、一歩踏み出すきっかけになるものと考えます。