事件は許されないことですが、作品の出荷停止や配信取り止めという措置を採ることはまったくもって別の問題だと考えます。ALIの件に対する私見を昨日つぶやきましたが、ブログにあらためて掲載します。
ドラマー逮捕のバンドALI、起訴を受けて活動休止 CD・映像作品の出荷停止&回収https://t.co/n8Sc640LlA
— ORICON NEWS(オリコンニュース) (@oricon) 2021年5月14日
#ALI
詐欺については犯罪の中でも特に悪質すぎるという私見を持ち合わせています。
詐欺罪は組織的、計画的犯罪の度合いが高く、愉快犯的側面もあるため重罪を課す必要があると考えています。
— Kei (@Kei_radio) 2021年5月16日
(ただし、組織の下部の者ならば止めたくても止められない事情もあったのではと想起。)
しかし、そのことと作品の出荷停止や配信取り止めという措置を採ることはまったくもって別の問題です。 https://t.co/BF944k26Va
『レーベルの「ソニー・ミュージックレーベルズ」も同日、「CD、映像商品の出荷停止」「CD、映像商品の店頭在庫回収」「音源、映像のデジタル配信停止」を対応。YouTubeの公式チャンネルの動画もすべて削除された。』
— Kei (@Kei_radio) 2021年5月16日
ソニーミュージックは以前も同種の事態に際し出荷停止等の措置を採りましたね。
実はALIの作品、メジャーデビューする前のものはサブスクに残っています(5月17日6時時点)。
上記では「LOST IN PARADISE」等も試聴は可能ですが、ソニーミュージック発の作品は(フルで)聴くことができません。Spotifyで検索しても出てきません。一方でインディ時代の作品は聴取可能であり、今回のデジタル配信停止措置は歌手側よりもレコード会社側の意向であることが判ります。
ソニーミュージックは以前にも、テクノユニットに対して同種の措置を採りました。これが大きな問題となり、署名活動等が行われたことは記憶に新しいのですが。
個人的には、ソニーミュージック(@SonyMusic_JPN)が以前の件を踏まえて学んでいるとは全く思えない、と厳しく批判します。過去の件を踏まえ、ブログ #イマオト で指摘しています。https://t.co/JtEHgEvt2b
— Kei (@Kei_radio) 2021年5月16日
大事なことは、
— Kei (@Kei_radio) 2021年5月16日
・罪を犯した者を裁くのは法律等であるという認識を持つこと
・その人の人間性や経歴は作品と分けて考えること
・罪を犯した芸能人等についての更正~復帰に対するガイドラインを策定すること
ではないでしょうか。ソニーミュージックをはじめ芸能界が対処しているとは思えません。
とりわけ、『罪を犯した芸能人等についての更正~復帰に対するガイドラインを策定すること』が成されているとは全くもって思えません。たとえば芸能界に少なくないとされる薬物問題に対して。この問題については、報じる側の問題やそもそも薬物使用が”依存である”という認識が市井に足りないことを踏まえ、有志によって薬物報道ガイドラインが策定されています。
このガイドラインが未だ認知浸透されているとは言い難いながら少しずつ意識されている印象がありますが、一方で芸能人等へのガイドラインについては作成の動きすら見えてきません。
ALIの作品群はYouTubeからも削除されていますが、以前出演したTHE FIRST TAKEからも消されています。
そして今回、ALIが出演した #THEFIRSTTAKE(@The_FirstTake)の映像もまた、削除されてしまいました。
— Kei (@Kei_radio) 2021年5月16日
THE FIRST TAKEはおそらくソニーミュージックの運営であるとブログ #イマオト で幾度となく伝えてきましたが、今回の削除で確信を抱いた次第です。
THE FIRST TAKEについては、直近では先月記載しています。
THE FIRST TAKEもソニーミュージックと同様の方針を採ったということになります。その判断を残念に思います。
さて、昨日ツイートする最中、タイムラインに興味深い内容が飛び込んできました。
笹塚ボウルが営業再開した事でやや炎上してしまいました。
— 財津 宜史 (@yoshihitozaitsu) 2021年5月14日
そこでなぜ私たちが都の要請に従わず営業を再開したのかを書きたいと思います。
テレビや新聞の報道を見た多くの方から電話やメールなどでご意見をいただいています、その辺の回答を交えながらお伝えさせていただきます。
新型コロナウイルスに対する行政の対応のずさんさが際立つ中で、民間の方による学びから生まれたロジックや自信が如何に説得力を有するかを実感します。そしてこの姿勢こそ、責任ある態度だと思うのです。
先述したALIに対する措置をソニーミュージックがなぜ採ったか、先のツイートにおける笹塚ボウルの方のようにロジカルに説明できるでしょうか?
— Kei (@Kei_radio) 2021年5月16日
ロジックを廃し感情論を優先、もしくは周囲のバッシングへの説明責任を都合よく回避して、ただ出荷停止等措置を採ればいいとだけ思ったのならば問題です。
そしてそのような逃げ(とはっきり申し上げます)を行い、ほとぼりが冷めるのを待ち、今後の改善を一切行わないというやり方は、現在の行政等に散見されます。
— Kei (@Kei_radio) 2021年5月16日
責任を取ることから逃げないでほしいと強く思います。
芸能人等に対するガイドラインの未作成は、結局のところエンタテインメント業界を運営する側の責任逃れだと言っていいでしょう。
ましてソニーミュージック(@SonyMusic_JPN)はこの2年で日本の音楽業界を大きく牽引する会社となりました。運営する #THEFIRSTTAKE(@The_FirstTake)も必要不可欠な存在に。
— Kei (@Kei_radio) 2021年5月16日
ならば、音楽業界のリーダーとして、芸能界において罪を犯した者への客観的なルール作成に率先して動いて欲しいと願います。
今の音楽業界において如何にソニーミュージックが大きな存在であるかは昨年暮れに紹介しました。
だからこそ、ガイドラインの策定を強く願うのです。
自分に似たスタンスの記事がblock.fmに掲載されていました(→こちら。表題に個人名を含むことからここでは表題は掲載しません)。内容の大半に賛同しつつ、記事の書き手は”直接の被害者がいるかどうか”が出荷や配信停止の基準になっているとしており、ならばALIに対する今回の措置は妥当と捉えるかもしれません。ただ、この点には違和感を覚えます。
冒頭で述べたように、詐欺は許されるべきではない犯罪であり、個人的には刑罰が軽すぎると考えています。しかしながら犯罪を罰するのは法律であり、世に出る作品と人間性や経歴とをリンクさせるのはおかしく、それとこれとは分けて考える必要があるというのが私見です。直接の被害者がいるかどうかを線引の基準とすることは理解できても、ならばやはり芸能人等の犯罪における更正や復帰のガイドラインを策定し、その中で事件毎に線引するという判断基準を設けるべきだと考えます。そもそもこのガイドラインを作ろうとしていないことが、不条理なやり方を是認し暗黙の了解としてしまう元凶ではないでしょうか。
さらに述べるならば、ALIの件においてはタイアップ先だった『呪術廻戦』の名を用いて報じるメディアが少なくなかったことにも違和感を覚えます。大ヒット作品を用いることはキャッチーで分かりやすいかもしれませんが、その”分かりやすさ”を求める報道が受け手の、そして発し手自体の熟考を妨げるのではないでしょうか。そしてそのたびに登場する『呪術廻戦』にも失礼だと思います。
今回の件で、サブスクが消えたこと等への失望が散見されましたが、しかしそこで終わらせてはいけないでしょう。
一連のツイートはソニーミュージック(@SonyMusic_JPN)に対する批判と提言です(後半は https://t.co/KZdSdD3GVJ に)。
— Kei (@Kei_radio) 2021年5月16日
罪を犯したことは勿論のこと、過剰な措置は残念です。しかし”残念です”で終わらせてしまえば、同種の事態を繰り返すばかり。感想ではなく意見提示のほうが未来に繋がると考えます。 https://t.co/Exh27tJbBa
批判や提言は相手にとって耳が痛く、ゆえに嫌われてしまうこともあります。自分は率先して発信するため一方的に敵扱いされ、とある業界で居場所を失っているのは事実です。
— Kei (@Kei_radio) 2021年5月16日
しかしなあなあで終わらせてきたことが改善につながらないのは火を見るより明らか。ならば言いましょう、という思いです。
感想よりも意見を、非難ではなく批判そして提言をというのがこのブログ自体のスタンスでもあります。問題に対し、きちんと声を上げることを望みます。