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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

グローバルチャートやグラミー賞から、次回発表の日米ビルボードソングスチャートを予想してみる

ビルボードジャパンおよび米ビルボードチャートの具体的な予想は行っていない自分ですが、ある程度読み取るようにしています。その際参考にしているのが指標の定点観測であり、また普段行われないイベントが開催された後の動向も注視しています。

 

ビルボードジャパンにおいては、各指標の中間発表となる先ヨミ記事もそうですが、グローバルチャートが少なからず参考になります。

ビルボードが昨年秋に開始した、200以上の地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングおよびダウンロードに基づくのがグローバルチャート。日本人歌手の作品も複数ランクインしていますが、日本での売上ならびに再生が数値の大半を占めます。トップ10入りするとなると日本で特大ヒットとなることが必須であり、また上位をキープするとなるとストリーミングに強くなければいけません。なお米ビルボードおよびグローバルチャートにおけるストリーミング指標には動画再生も含まれます。

今日発表される3月22日付ビルボードジャパンソングスチャートの前半4日分がこの3月20日付グローバルチャートの集計期間と被ります。ともすれば3月9日火曜に解禁された宇多田ヒカル「One Last Kiss」は映画の人気によりある程度海外でも支持されているのかもしれませんが、3月22日付ビルボードジャパンソングスチャートでは「One Last Kiss」の上位登場やAwesome City Club「勿忘」のさらなる上昇がうかがえる一方、優里「ドライフラワー」のポイント減も予想できます。「ドライフラワー」についてはYouTube公開のミュージックビデオを短尺版化したことがしばらく影響していくだろうことは想像に難くありません。

 

ビルボードソングスチャート、次回3月27日付(日本時間の3月23日火曜発表予定)においてはグラミー賞の結果が少なからず影響を及ぼしそうです。賞についての私見は月曜夜にnoteに記載しました。

このグラミー賞でパフォーマンスされた、または受賞した曲についての動向を、ストリーミングとダウンロードの観点から追いかけてみます。ストリーミングは数値が可視化されている米Spotifyデイリーチャートの動向を、ダウンロードはビルボードジャパンによる下記記事掲載のMRCデータを参考にしています。

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ダウンロードの動向については記事で全曲網羅されているわけではありませんが、特にBTS「Dynamite」の伸びが顕著となっています。一方でストリーミングをみると、たとえばカーディ・B「Up」は再生回数が前日割れを起こしており(これはグラミー賞当日、そして翌日においても同様)、またグラミー賞翌日に伸びている曲が多いとしてもその勢いは決して凄まじいものではありません。ただ、グラミー賞と決別したザ・ウィークエンドによる「Blinding Lights」が2日続けて前日割れを起こしていることを踏まえれば、ある程度の影響力があるというのがグラミー賞への見方と言えます。

3月27日付米ビルボードソングスチャート予想者からはこのようなツイートが。

最新3月20日付でトップ3を独占したドレイクは次週トップ争いから脱落する模様(最新チャートはこちらをご参照ください)。前週まで8連覇を達成し来年のグラミー賞の主役になるかもしれないオリヴィア・ロドリゴ「Drivers License」が返り咲くか、ドレイクに阻まれ4位発進だったブルーノ・マーズとアンダーソン・パークによるシルク・ソニック「Leave The Door Open」が上昇するか、それともカーディ・B「Up」が同曲初の首位を獲得するか。三つ巴の争いに注目しましょう。