米ビルボードおよびビルボードジャパンのソングスチャートは複数指標で構成されますが、その各指標の情報を収集、分析し予想を組み立てる方がいらっしゃいます。その情報を踏まえるに、次週発表される日米音楽チャートが実に面白いことになりそうなのです。
Billboard Hot 100 Mid-Week Predictions (Mar. 20, 2021) pic.twitter.com/Qi3R14Ujrm
— Talk of the Charts (@talkofthecharts) 2021年3月11日
日本時間の3月16日火曜早朝に速報が公開される予定の3月20日付米ビルボードソングスチャート。予想を行っているTalk of the Chartsさんによると、ドレイクの3曲が5位までに初登場を果たすとのこと。3曲ともEP『Scary Hours 2』に収録されています。
『Scary Hours』の第一弾EPは2018年はじめにリリースされ、同年2月3日付ソングスチャートで「God's Plan」が初登場首位に輝いたほか、「Diplomatic Immunity」も7位に登場(チャートについてはこちら)。後にリリースされるアルバム『Scorpion』には後者が未収録のため、『Scary Hours 2』収録曲においてもアルバムに収録されるかが気になるところです。
一方でTalk of the Chartsさんは4位にブルーノ・マーズとアンダーソン・パークによるユニット、シルク・ソニックによる「Leave The Door Open」を予想しています。
米ビルボードソングスチャートを構成する3つの指標、さらに各指標を構成するサービスの中で可視化されているSpotifyの動向をみてみると。
ドレイクの3曲、8週連続で米ビルボードソングスチャートを制しているオリヴィア・ロドリゴ「Drivers License」と比べれば分が悪いと言えそうな「Leave The Door Open」ですが、ドレイクの3曲よりも再生回数が安定しているのが特徴。出だしが弱いことで知られるラジオ指標でもソウルマナーに則ったこの曲には早くから人気が集まるだろうと予想されることから、ともすれば総合チャートにおいても「Drivers License」を上回る可能性があります。そしてシルク・ソニック側のアプローチにより3月14日開催のグラミー賞にて「Leave The Door Open」のパフォーマンスが決定したことで、翌3月27日付の動向にも注目しないといけません。
【ビルボード週間予想(総合)】
— あさ (@musicnever_die) 2021年3月11日
次週3/22付1位は #KATTUN「#Roar」で確定
途中経過CD売上は16万で週間では20万ペース。今作ではc/w違い複数商法が強化されたことによるルックアップ高騰と自身初の配信解禁により、CD以外の加点も大幅増加が見込まれ、総合では1位確定水準の2.5万点付近になる見込み。 https://t.co/bO9blxwVed pic.twitter.com/I8LD3k6rSP
ビルボードジャパンソングスチャートでは先ヨミと題した途中経過がフィジカルセールス、ダウンロードおよびストリーミング指標にて公開されており、あささんがそれらを踏まえて総合ソングスチャートを予想。あささんは次週3月22日付において、KAT-TUN「Roar」の首位獲得を確実視しています。
こうやってSpotifyを貼付できるのは嬉しいですね。「Flashback」は配信限定のカップリング曲であり、同曲の動向にも注目です。
【ビルボード週間予想続き(総合)】#シンエヴァ 主題歌 #宇多田ヒカル「#OneLastKiss」はダウンロードでも今年度最高初動記録となる週間7万ペース。CDはアルバム扱いされたため加点対象外だが、配信だけでも総合2万点近い数字が見込まれるため2位が濃厚となった。https://t.co/UDkCbxqou1 pic.twitter.com/r6MeYjIh4T
— あさ (@musicnever_die) 2021年3月12日
一方で、宇多田ヒカル「One Last Kiss」も気になるところ。先ヨミ公開時まで不明だった同名EPは結局アルバム扱いとなりフィジカルセールスやルックアップは加点されませんが(この作品に限らずEPをどちらに振り分けるかについては、ビルボードジャパンやレコード会社に伺いたいと思いつつ)、とはいえSpotifyの動向からはこの曲の勢いの凄まじさを感じずにはいられません。
日本のSpotifyデイリーチャート、昨年末から3月11日までの主要曲の状況をみると、#宇多田ヒカル「#OneLastKiss」が如何にとんでもないスタートダッシュを決めているかがよく解ります。 pic.twitter.com/BojaqB8QVz
— Kei (@Kei_radio) 2021年3月12日
日本のSpotifyデイリーチャートにおける #シン・エヴァンゲリオン劇場版 主題歌の #宇多田ヒカル「#OneLastKiss」、および #劇場版鬼滅の刃無限列車編 主題歌の #LiSA「#炎」のリリース直後の動向比較。映画公開曜日の違いや半年前と今とのユーザー数の違いもありますが、面白い動きですね pic.twitter.com/9Os1PgQmg1
— Kei (@Kei_radio) 2021年3月12日
アニメ映画の主題歌として比較したLiSA「炎」(『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』主題歌)はフィジカルリリース週にデジタルを隈なく解禁し、昨年10月26日付ビルボードジャパンソングスチャートで首位を獲得。翌週には映画公開効果で史上最多のストリーミング再生回数を記録しています。『シン・エヴァンゲリオン劇場版』は『鬼滅の刃』と公開曜日が異なるために単純な比較はできないものの、「One Last Kiss」もストリーミングにおいて来週ピークを迎えそうです。となると、こちらもシルク・ソニック「Leave The Door Open」同様に登場2週目の動向を注目しないといけません。
ちなみにアニメ作品といえば、昨日Official髭男dismがこのようなアナウンスを。
最新話が毎週水曜に出るのを楽しみに暮らしている今日この頃。そんな大好きな作品に主題歌を書かせて頂けて光栄でした。楽しみだなー🔥 https://t.co/owCM4NyLvb
— 藤原聡 (@satoshi_higedan) 2021年3月12日
作品の話題性にもヒットの大きさが左右されるでしょうが、アニメ作品のタイアップが現在、そしてこれからのヒットに欠かせないものとなるのは間違いないでしょう。