首都圏ラジオ局は明後日から、今年初となる聴取率調査週間を迎えます。一部放送局ではスペシャルウイークと題し、豪華ゲストを多数用意したり、通常番組を差し替えて豪華DJがナビゲートする番組を設けています。これらスペシャルウイーク対応については個人的に思うことを以前より記しています(ブログ内、”スペシャルウイーク”の検索結果はこちら)。通常企画や通常番組で勝負しないのは、既存の番組に失礼ではないかというのが強い私見です。
さて次週も通常進行を予定しているであろうTBSラジオですが、『荻上チキ・Session』を担当するフリーアナウンサーの南部広美さんをフィーチャーした『アフター6ジャンクション』の特集回(2月9日放送分)が素晴らしかったので紹介します。
(上記リンク先にて番組の音声を確認可能。ただしポッドキャスト/ラジオクラウドは著作権の関係上曲を掲載できないため、曲有り版はradikoでご確認ください→こちら。radikoは2月16日28時59分までチェック可能。首都圏在住者以外は有料会員に加入することで聴取できます。)
ゲレンデDJとして活躍していた南部広美さん。その実務内容を紹介し実際のDJスタイルを再現したことで、平成初期の文化総括とも言える充実した内容となっていました。機材(10連装のCDプレイヤーというのが時代ですね)の操作も含め、早朝及び深夜帯はいわゆるワンオペというのに驚いたのですが、なるほどこれはコミュニティFMの元祖なのかもと感じた次第です。
特に素晴らしかったのは南部さんのDJスキルの高さ。イントロ乗せがとにかく素晴らしかったので是非radikoでチェックしてほしいと思います。無礼を承知で述べるならば歌い出しの1、2秒前まで喋っていただけたならば尚素晴らしかったと思うのですが、しかし久々の実践でほぼ完璧にその技を披露していたのは流石の一言に尽きます。その技術に多くのリスナーも感動していたのが印象的で、ともすればこういうDJスタイルが今の時代に求められているのではないかと。
今のラジオでは正直なところ、イントロ乗せが巧いDJが減っている印象があります。イントロ乗せが巧いと曲の印象がめちゃめちゃ上がるんですよね。今回のゲレンデ特集を機にイントロ乗せの重要性がラジオ業界に広まって欲しい #utamaru
— Kei (@Kei_radio) 2021年2月9日
番組実況ツイートの中ではかなり多い反応をいただき、なるほど南部広美さんのようなDJスタイルはやはり必要だと実感。かつてJ-WAVEのヘビーリスナーで且つDJセミナーを受講し、昨年までラジオ番組を担当していた自分は、イントロ乗せ等の技術を強く重要視すると共にその技術を持ち合わせたDJの減少を強く憂いていたゆえ、尚の事です。
昨年6月に2つの県域放送局がなくなりました。そのタイミングで思ったのは、イントロ乗せをはじめとするDJスキル等を大切にし、原点に立ち返らないといけないということでした。
南部広美さんに音楽系レギュラー枠を持ってほしいという声が多く上がっていましたが、ゲレンデDJ再現の意味でも賛同しますし、それ以上にラジオDJに求められるものはこれだということを広くリスナーや業界全体にあらためて実感してもらう意味でも、強く願いたいところです。