イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングスチャートなどを紹介します。

(追記あり) 2月15日付ビルボードジャパンソングスチャートで急上昇、Awesome City Club「勿忘」は次なるブレイク曲候補筆頭へ

(※追記 (2月12日21時32分):2月5日放送の『アフター6ジャンクション』における、RHYMESTER宇多丸さんによる『花束みたいな恋をした』映画評のリンクを掲載しました。)

 

 

毎週木曜は、前日発表されたビルボードジャパン各種チャートの注目点を紹介します。

2月1~7日を集計期間とする2月15日付ビルボードジャパンソングスチャート(Hot 100)。SKE48「恋落ちフラグ」が19万を超えるCDセールスを武器に初登場で総合首位の座に就きました。

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これで4週連続でフィジカルセールスに強い作品が首位を制した形。しかしながらSKE48は1年前リリースの前作(シングルCD表題曲)「ソーユーコトあるよね?」が2020年1月27日付において、フィジカルセールス34万強で27064ポイントを獲得。今作「恋落ちフラグ」は17897ポイントとなり、2万を大きく割り込んでしまいました。

フィジカルセールスに強い曲は翌週大きく落ち込むため、フィジカル関連指標(ルックアップを含む)加算2週目の動向を踏まえて社会的ヒットに至れるかを判断する必要があります。前週首位の乃木坂46「僕は僕を好きになる」は今週10位にダウンし、ポイント前週比は16.2%。前作(シングルCD表題曲)「しあわせの保護色」の17.7%と大差ありませんが、2018年のシングルCD表題曲が3曲すべて24%以上、「シンクロニシティ」が30%超えを達成したのを考えると寂しい気がします。

 

今週のソングスチャートトップ10はフィジカルセールスに強い曲が大きく変動し、先述した曲のほかSnow Man「Grandeur」が4→19位と後退した以外は大きな動きは見られません。フィジカルセールスに強い曲以外ではポイントはAdo「うっせぇわ」(総合3位)を除き前週割れ。それでもポイント前週比が最も低いYOASOBI「夜に駆ける」(総合6位)で89.9%であり、フィジカルセールスに頼らないことがロングヒットの要であることが理解できます。

 

そんな中、今週注目すべき動きが20位に急上昇したAwesome City Club「勿忘」。”わすれな”と読みます。

2週前に300位以内に登場した「勿忘」は前週の54位を経て早くもトップ20入り。映画『花束みたいな恋をした』のインスパイアソングという位置付けであり、映画にはメンバーのPORINさんも登場していますが、この映画の評判は凄まじく、たとえば『アフター6ジャンクション』(TBSラジオ)の映画評コーナーにおいてRHYMESTER宇多丸さんは”名作じゃないかな?”と総括。評論を担当した2月5日以降連日、『花束みたいな恋をした』の話題が番組を占拠しています。映画評書き起こしはこちら。

『花束みたいな恋をした』は『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』を抑えて2週連続で興行収入ランキングを制覇。それも、『動員、興収ともに前週比116%となっており、特に祝日やサービスデーもなく初週を上回るのは極めて異例』とのことですから、その評判が観客数や興行収入を押し上げていることは間違いないことでしょう(『』内は『花束みたいな恋をした』が2週連続1位に!話題作『樹海村』は好スタート |最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS(2月9日付)より)。

その映画の成績に比例するかのように、Awesome City Club「勿忘」も伸びてきた形。フィジカルセールス関連指標は未加算ですが(昨日発売のアルバム『Grower』に収録)、ストリーミング、動画再生そしてラジオといった能動/受動の接触指標を伸ばしているのはまさに、映画の評判や実際観た方のニーズに呼応している証拠と言えるでしょう。下記チャート推移(CHART insight)において青の折れ線がストリーミング、赤が動画再生、黄緑がラジオとなっています。

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サブスク再生回数等が基になるストリーミングにおいて、『8日付のLINEミュージックのランキングでは5位』『アップルミュージックではトップ10入り目前の最高位11位を記録し、1月28日付の90位から連日順位を上げている』状況(『』内は映画「はな恋」インスパイアソング「勿忘」が話題に!PORIN「忘れられないラブソングになれば」― スポニチ Sponichi Annex 芸能(2月9日付)より)。特にLINE MUSICでは1月27日から2月9日にかけてLINEプロフィールBGM設定キャンペーンを行っており、それが功を奏したと言えるかもしれません。

(詳しいキャンペーンはこちらからも確認できます。)

キャンペーンが終了したことで次週のストリーミング指標に影響が出るかもしれませんが、LINE MUSICでは2月10日付でも上位をキープ。またLINE MUSIC等に比べて保守的と言える(ことについては以前弊ブログで指摘しましたが)Spotifyでも直近の2月9日付(→こちら)で最高位を更新。2ランクアップの49位となり、再生回数も前日より8千以上伸ばしデイリー10万の大台まで手が届きそうな勢いです。

 

 

優里「ドライフラワー」やAdo「うっせぇわ」、そしてYOASOBIの楽曲群がトップ10を占拠した現在、次なるブレイク曲を予想する方は少なくないでしょう。次週のチャートアクション次第ではAwesome City Club「勿忘」がブレイク候補筆頭となることは間違いありません。