日本時間の昨日発表された2月6日付米ビルボードソングスチャートで48位に初登場を果たし、キャリア初のトップ100入りを果たしたのがサブリナ・カーペンター「Skin」。自分は以前別の曲で彼女を取り上げたことがあるのですが(→こちら)、今回の「Skin」はある曲に大きく関連しています。
その曲とは、同日付チャートで初登場から3連覇を成し遂げた、オリヴィア・ロドリゴ「Drivers License」。
両者の関連についてはライターの辰巳JUNKさんによる記事およびnoteが非常に分かりやすいので、勝手ながらリンクを貼らせていただきます。是非ご参照ください。なるほど、曲の"意図"を知りたいとして掘り続ける方が多いのも納得です。
大ヒット曲が登場すると、その関連曲が出てくることは少なくありません。「Drivers License」については既に複数のカバーがリリースされており、たとえば2012年にデビューアルバムが本国イギリスのチャートを制したコナー・メイヤードは、サブリナ・カーペンター「Skin」が発表されたのと同じ1月22日、「Drivers License」のカバーをリリースしています。
その直前となる1月19日には、アメリカはテキサス州出身のジェイデンが「Drivers License」をロックテイストにてカバー。
曲の良さに惹かれるのか、ともすれば流行に乗りたいと思ったのでは…後者については穿った見方がゼロではありませんが、それだけ「Drivers License」が社会的ヒットになっていることは間違いありません。
歌手自身が関連曲を用意する例もあります。日本で大ヒット中の優里「ドライフラワー」は、自身の「かくれんぼ」で描かれた失恋の視点を男性から女性に切り替え、ミュージックビデオも「かくれんぼ」のアフターストーリーという位置付けに。
【特集】優里「ドライフラワー」インタビュー|ストリーミング総再生回数2500万回超えのロングヒット曲「かくれんぼ」はどのように生まれたのか? そしてアフターストーリー「ドライフラワー」誕生へhttps://t.co/YmD9z8Jfnw#優里 #かくれんぼ #ドライフラワー pic.twitter.com/5HMeYfDTjw
— 音楽ナタリー (@natalie_mu) 2020年10月25日
「ドライフラワー」は本日発表される2月8日付ビルボードジャパンソングスチャートにおいて、さらなる躍進が期待されます。というのも、集計期間中に『スッキリ』(日本テレビ)で地上波テレビ初歌唱を果たし、大きな反響を呼んでいるゆえ。
この1年で(さらなる)ブレイクを果たした作品に絞って、日本におけるSpotifyデイリー再生回数の推移を示したのが上記グラフ。『スッキリ』に登場した1月28日木曜、「ドライフラワー」が前日より大きく飛躍していることが解ります。そして「ドライフラワー」ほどの伸びではないにせよ「かくれんぼ」もまた上昇を果たしており、大ヒット曲は関連曲にも影響を与えるのです。2月8日付ビルボードジャパンソングスチャートが楽しみになってきました。
関連曲というテーマで思い出したのは、たとえばTLCによる米ビルボードソングスチャート首位獲得曲「No Scrubs」(1999)の目線を女性から男性に切り替えたアンサーソングといえるスポーティー・シーヴス「No Pidgeons」(1999)でした。「No Pidgeons」は米ビルボードソングスチャートで最高12位を記録しているのですから凄いことです。
関連曲の登場は素直に楽しみたいものですが、一方で大ヒット曲に”なぞらえた”不思議な曲が登場することも。素直に楽しみたい思いもありつつ、誤って辿り着いてしまい"この曲じゃない!"と愕然としてしまう人が出てくるならば、この動きはあまり好ましいと言えない気がします。King Gnu「白日」がヒットした後にバイラルヒットしたこの曲、出現した背景を知りたいところです。
日本のSpotifyバイラルチャート、9位にKing Gun 「白目」がランクイン。King Gnu「白日」ではないのです。この歌手は一体 https://t.co/2aRqvR2Qxz
— Kei (@Kei_radio) 2019年10月16日