毎週木曜は、前日発表されたビルボードジャパン各種チャートの注目点を紹介します。
11月16~22日を集計期間とする11月30日付ビルボードジャパンソングスチャート(Hot 100)、LiSA「炎」が首位に返り咲きました。
【ビルボード】LiSA「炎」が総合首位返咲きV5達成 優里「ドライフラワー」総合8位に急伸 https://t.co/7U2mlxLv4E pic.twitter.com/MIrAytKKwF
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2020年11月25日
前週はSixTONES「NEW ERA」に首位の座を奪われた「炎」が、通算5週目となる首位を獲得しています。各指標の動向は以下に。
ポイント前週比は84.2%となりこれまでで最大の落ち込みとはなっていますが、所有指標の前週比が同水準以下なのに対しストリーミングは91.7%であり、やはりポイントのキープには接触指標の存在が欠かせないことが解ります。一方、わずか1週で首位のみならずトップ10入りを逃したSixTONES「NEW ERA」の、シングルCDセールス加算2週目におけるポイント前週比13.4%となっており、所属するジャニーズ事務所の歌手では平均的な数値となりました。ちなみにデビュー曲「Imitation Rain」は前週比18.2%、続く「NAVIGATOR」は同18.0%を記録しています。
今週特筆すべきは、総合チャートの振り返り記事でも紹介されている優里「ドライフラワー」。
前週のチャート、およびSpotifyデイリーチャートの動向を踏まえ、同曲については次なるブレイク候補として先週ブログに取り上げました。
ここからわずか1週で、同じく今月にブレイク候補として紹介した平井大「Stand by me, Stand by you.」(紹介エントリーはこちら)を上回り、一気にトップ10入りを果たした形です。
ストリーミング指標における再生回数は前週比174.3%。前週は同185%と急上昇を遂げていますが、今回のトップ10入りの要因はストリーミングの急上昇のみにとどまりません。
注目すべきはカラオケ指標。今週56位に初登場を果たしていますが、この勢いには目を見張るものがあります。
優里さんは公式Youtubeチャンネル(→こちら)の他、”優里ちゃんねる【公式】”というチャンネルも設けています(→こちら)。こちらはいわゆるYouTuber的な要素が強いのですが、そのチャンネルで今週のチャート集計期間前半にアップされたのが上記の動画で、ブログ執筆段階で25万を超える再生回数を記録しています。元々TikTokで人気を博した優里さんですが、このカラオケ動画がTikTokやYouTubeでの歌ってみた動画投稿やカラオケ(行動)を促したのではないかというのが自分の見解です。さらに動画説明欄の”Streaming: https://lnk.to/PO4pBF”と記載されたリンク先を辿ると下記キャプチャの画面が登場。デジタルプラットフォームへ繋げるフレンドリーな仕組みの構築もまた見事と言えるでしょう。
優里「ドライフラワー」のヒットにおいては、動画の積極的な投稿がストリーミングや動画再生、カラオケといった接触指標群に影響を及ぼした可能性が高く、その中でもカラオケ等動画がとりわけ高い効果を発揮したと捉えて好いのかもしれません。
その優里さんが、優里ちゃんねる【公式】にて11月23日にアップした下記ツイート内の動画が現段階で22万弱という再生回数を叩き出しています。そしてその効果は同日の日本におけるSpotifyデイリーチャートにも反映。祝日ゆえ再生回数が高くなる傾向にはあるのですが、それを差し引いても凄いことです。
11月23日付、日本のSpotifyデイリーチャートで初の5位、更に初の20万台再生を記録した #優里「#ドライフラワー」。その原動力のひとつはまさにこの『【ドライフラワー】歌手志望必見!!歌が上手くなる方法教えます』という動画の影響でしょう。歌ってみた動画を録るために予習する方が増えた効果かと https://t.co/QUo8O80drg
— Kei (@Kei_radio) 2020年11月24日
この効果は次週発表の12月7日付ビルボードジャパンソングスチャートに表れます。
なお、その12月7日付チャートより2021年度となるビルボードジャパン各種チャート。この2021年度より、歌ってみた等のUGC(ユーザー生成コンテンツ)は動画再生指標およびストリーミング指標でのカウント対象から外れるため、チャート全体の動向がどう動くかが気になります。そしてその中で、優里「ドライフラワー」がどこまで上昇に至るかに注目しましょう。