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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

LiSA「炎」のロングヒットを支えるのは接触指標だけにあらず…11月23日付ビルボードジャパンソングスチャートを掘り下げる

毎週木曜は、前日発表されたビルボードジャパン各種チャートの注目点を紹介します。

11月9~15日を集計期間とする11月23日付ビルボードジャパンソングスチャート(Hot 100)、LiSA「炎」の5連覇を阻んだのはSixTONES「NEW ERA」でした。

初週CDセールスは前作「NAVIGATOR」からおよそ20万ダウンするものの、ポイントは51273→45793となりそこまで大きく落とすことはありませんでした。これはルックアップがチャート構成比のおよそ3割を占め、購入者のパソコン等への取り込みの高さ等が影響しているためと思われます。上記リンク先の記事では、首位を獲得したシングルCDセールス、ルックアップおよびTwitterを『コアファンの熱量が色濃く反映する3指標』と形容しており、ルックアップはレンタル以上に購入者による取り込みが大きいと捉えていると言えるでしょう。

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ラジオエアプレイも3位と好調な「NEW ERA」ですが、気になるのは動画再生指標。前週より上昇し40位に入りましたが、3週前の初登場時(13位)より順位を落としています。今回の集計期間中に『CDTVライブ!ライブ!』(TBS)や『ミュージックステーション』(テレビ朝日)に登場しライト層へも楽曲の認知度が高まっただろうものの、そのライト層のアクセスがそこまで多くなかった等が予想されます。これは今週月曜に記した内容の、ある種の証明になったと捉えてよいのかもしれません。

「NEW ERA」の次週の動向が気になります。前作「NAVIGATOR」は首位獲得の翌週、前週比18.0%となる9234ポイントとなり7位へダウンしています。

 

 

一方で5週連続の首位は逃したものの、LiSA「炎」は俄然好調をキープ。前週比90.1%となる27910ポイントを獲得しました。

今週も指標の前週比は【所有<接触】。シングルCDセールスが前週比71.8%、ダウンロードが同75.1%に対し、ストリーミングは同92.9%となりポイント全体の前週比を上回っています。これは首位登場以降共通の傾向であり、接触指標がチャートの勢いをキープするのに貢献していることが見て取れるのです。

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そして3週連続でチャート構成8指標すべてが10位以内に入るという快挙を達成(10位以内の指標は上記表で色付きにて表示)。次週が2020年度最後の週間チャートとなりますが、獲得ポイントを踏まえれば首位登場からわずか6週での年間チャートトップ10入りも十分あり得るわけで、「炎」の凄まじさがよく解ります。

 

なお、「炎」は所有指標でも勢いが持続。特にCDセールスは、加算5週目となる今週の売上が初週の25.3%となっています。この指標に長けているのがアイドル歌手の作品ですが、一方でその売上が初週に集中する傾向が。たとえば今年6月以降におけるジャニーズ事務所所属歌手のシングルCD売上推移をみると、加算2週目の段階で全作品が初週の7%以下に。

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先程は「炎」について、接触指標がチャートの勢いをキープするのに貢献していると書きましたが、所有指標の好調もロングヒットを間違いなく担っているのです。無論『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の影響は大きいものの、接触指標群の充実が”やっぱりCDを買おう”という所有行動を促した可能性は十分あるはずです。