チャートアクションが優れているならば、より大きく伝わっていかないといけないと思うのです。
#LiSA さんの「#炎」が米ビルボードによる最新グローバルチャート、#GlobalExclUS で3位に入り、2週連続でトップ3を記録しているのは快挙。ですが、[LiSA グローバル]で検索すると話題にする方も、取り上げるメディアも前週より極端に少ないという…
— Kei (@Kei_radio) 2020年11月5日
今の日本の音楽市場や環境が如実に解る気がします
10月31日付ではGlobal 200で8位、Global 200からアメリカの分を除いたGlobal Excl. U.S.で2位となり、双方で日本人歌手で初となるトップ10入りを果たした「炎」。最新11月7日付では前者が14位にダウンしていますが、後者では3位にとどまっており2週連続でトップ3をキープする快挙を達成。日本時間の火曜早朝にトップ10速報が発表され、Global Excl. U.S.で2週連続トップ3入りを果たしたことについては火曜のブログエントリーの終盤ではありますが取り上げています。
とはいえ、[LiSA グローバル]でSNSを検索しても前週ほど話題にしている方は多くなく、Yahoo!ニュースにて検索しても今週は一切報じられていないことを悲しく思っています。グローバルチャートが9月に新設され歴史が浅いからという理由もあるかもしれませんが、それにしてもあまりにスルーされてはいないでしょうか。
LiSA「炎」をはじめ、Global 200やGlobal Excl. U.S.にランクインしている日本人歌手の曲はその日本で大半のストリーミングおよびダウンロードを獲得してチャートに登場しています。しかし「炎」については海外でもヒットする可能性を秘めています。
「鬼滅の刃」、台湾公開3日で興収3億6千万円突破 「君の名は。」上回る | 芸能スポーツ | 中央社フォーカス台湾 https://t.co/s1ymEWMWWO
— 台湾ニュース@中央社フォーカス台湾 (@focustaiwanjapa) 2020年11月2日
台湾で公開されたアニメ映画として、公開3日での1億元超えは昨年の「アナと雪の女王2」の公開4日や2016年の「君の名は。」の公開10日を上回るハイペース。
興行収入ランキングは出ていませんが、台湾でもヒットしている『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』。そしてその主題歌である「炎」は、公開の2日後となる11月1日付の台湾のSpotifyデイリーチャートで初のトップ10入りを果たすと、11月3日付で2位まで上昇。執筆段階で最新となる11月4日付でもその位置をキープしているのです。
Spotifyでは台湾のほか、香港やマレーシアでもデイリー200位以内に登場。香港での公開は11月12日と先なのですが、最新11月4日付では18位まで上昇。同日付ではマレーシアでも187位にチャートインしていますが、そのマレーシアでの映画公開は来年2月4日とのことで、もしかしたら既に日本での映画熱がいち早く広まっているのかもしれません。これら海外の状況を踏まえれば、映画が海外で順次公開されると共にLiSA「炎」も海外に伝播する可能性は十分あり得るのです。
グローバルチャートにおいては、ダウンロードを大きく稼ぎつつ、高いストリーミングをキープするのがヒットの鍵。前者ばかりが強いと短期的なヒットに終わってしまいますが、(中略) 日本におけるダウンロードセールスは他国より高いため、短期的にでも上位進出はあり得るのです。それを中長期的なヒットに昇華させるにはストリーミングの拡充が必須といえます。
グローバルチャートについてまとめたブログエントリーで、同チャートで日本人歌手の曲が世界でヒットを続けるために必要なことを記載していますが、LiSA「炎」はこの課題を克服する可能性を得たと言えるかもしれません。となると、ロングスパンでのヒットが見込まれるゆえ、グローバルチャートを尚の事注目する必要があるのではないでしょうか。グローバルチャートの認知度上昇も含め、既に快挙を達成しているLiSA「炎」については積極的に報じてほしいと思うのです。
LiSA「炎」においては、日本における快挙もより強く伝わらないといけないと感じています。ビルボードジャパンソングスチャート(Hot 100)を3週連続で制した「炎」のチャートアクションは素晴らしく、3週連続で3万ポイントを獲得していること、さらに最新11月9日付においてチャートを構成する8指標すべてがトップ10入りしていることは凄いことで、昨日のブログエントリーで”完璧な勝利”と書いたのはそのためなのです。
ビルボードジャパンソングスチャートではシングルCDセールスに長けた曲が瞬間風速的に首位を獲る傾向があることは、昨日のブログエントリーに掲載した表やこれまでのブログエントリーで示した通り。しかしながらチャートアクションとしてはLiSA「炎」のほうがより素晴らしいことに間違いありません。しかしながら首位を獲得したという(表層的な)記録だけではなくそのチャートアクションの中身がきちんと伝わらない限り、「炎」の凄さも、ましてや複合指標から成るビルボードジャパンソングスチャートがシングルCDセールス主体のランキングより優れていることも伝わらない気がします。
冒頭で紹介した自分のツイートには続きがあります。
これはブログやTwitterで取り上げる自分が優れているということでは決してありません。
— Kei (@Kei_radio) 2020年11月5日
素晴らしい記録を伝える機会を設けないメディア等への純粋な疑問であり、同時に日本の音楽市場が海外を視野に入れていないのではないかという疑念を抱くに十分だと思うんですよね… https://t.co/2CsHNtwLOc
未だに日本のチャートはオリコンが、その中身はビルボードジャパンのほうがより優れているとしても認知度を理由に勝ると捉えている方が少なくない気がします。その認識をブラッシュアップしてほしいという意味でも、気付きを与えるべくこれからもブログを書き続けたいと思った次第です。
— Kei (@Kei_radio) 2020年11月5日
喋り手としてのラジオを一旦離れていますが、ポッドキャストは継続している身として、そのポッドキャスト的な内容をラジオ番組でやってみたいと思うのです。すなわち、最新チャートを発表するのみならずその中身を分析し、より優れている点を紹介するというもの。そうすることで最新の流行を押さえるのみならず、音楽業界やリスナーへの気付きを与えることができるかもしれません。ビルボードジャパンソングスチャートの認知度や重要性も高まるはずですし、海外進出することの意識も高められるのではないかと。チャート紹介番組はあっても、アナライザーが登場するものはほぼないはずで、ニーズはきっとあると思うのですが如何でしょうか。