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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

最新米ソングスチャートおよびグローバルチャート速報、LiSA「炎」のグローバルトップ10入りは日本人歌手初の快挙

ビルボードソングスチャート、現地時間の10月26日月曜に発表された最新10月31日付ソングスチャート(Hot 100)は24Kゴールデン feat. イアン・ディオール「Mood」が2連覇を達成しました。

前週初の頂点に立った「Mood」、今週はストリーミングが前週比4%ダウンの1950万(同指標4位)、ダウンロードが同18%アップの9000(同指標6位)、ラジオエアプレイが同15%アップの7210万(同指標3位)となり、おそらくは首位獲得が3指標中2つを押し上げた形。とりわけラジオエアプレイでの強さが目立っています。

 

各指標のトップをみると、ストリーミングのトップはカーディ・B feat. メーガン・ザ・スタリオン「WAP」(総合2位)。前週比9%ダウンの2370万という数値はかなり低い水準ですが、これでストリーミング10週目の首位を達成です。ダウンロードを制したのはBTS「Dynamite」ですが、前週比43%と大きくダウンし25000。総合では2ランクダウンの7位となっています。

そしてラジオエアプレイの首位はギャビー・バレット feat. チャーリー・プース「I Hope」。前週まで通算26週同指標を制したザ・ウィークエンド「Blinding Lights」(今週総合4位)から奪還した「I Hope」は、同指標で前週比3%アップの7620万となり、総合でも2つ順位を上げて6位に。2018年のオーディション番組『アメリカン・アイドル』で3位を獲得したギャビーにとっては初となるラジオエアプレイ制覇となりました。

ラジオエアプレイソングスチャートは1990年12月からはじまりましたが、そのラジオエアプレイソングスチャート、およびカントリーエアプレイソングスチャート(1998年より)の双方を制した曲はこの「I Hope」が4曲目。これまではテイラー・スウィフト「You Belong With Me」(2009)、レディ・A(以前の表記はレディ・アンテベラム奴隷制を連想させることから今年歌手名を変更しています)「Need You Now」(2010)、ビービー・レクサ feat. フロリダ・ジョージア・ライン「Meant To Be」(2018)が成し遂げていますが、「I Hope」も長く愛される曲になるかもしれません。チャーリー・プースとの共演版は未だミュージックビデオが出ていないため、この登場如何では総合でのさらなる上位進出の可能性もあります。なお、そのチャーリー・プースによるラジオエアプレイ制覇はウィズ・カリファに客演参加した「See You Again」(2015)、自身の「Attention」(2017)に次ぐ3曲目となります。

なお、ラジオエアプレイ指標で首位の座から陥落したザ・ウィークエンド「Blinding Lights」ですが総合では4位をキープ。トップ5在籍記録を史上初の30週とし、トップ10在籍は記録保持曲のポスト・マローン「Circles」(2019-2020)にあと3週となる36週目。トップ10在籍記録更新を狙える位置に来ています。

10月3日付で3位に初登場を果たしながらも翌週トップ10落ちとなったジャスティン・ビーバー feat. チャンス・ザ・ラッパー「Holy」が今週5ランクアップして9位に入りトップ10返り咲き。これは10月17日土曜に『サタデー・ナイト・ライブ』(NBC)で同曲がパフォーマンスされたことが大きく貢献し、ダウンロードは前週比70%アップの11000(同指標5位)、ストリーミングが同6%アップの1440万(同指標9位)、ラジオエアプレイが同5%アップの3690万(同指標17位)と全指標を押し上げた形です。また同番組で披露され、放送前日の16日金曜にリリースされたベニー・ブランコとの「Lonely」は今週14位に初登場。ストリーミングは1630万で同指標6位、ダウンロードは16000で同指標2位、ラジオエアプレイは50位未満ながら1070万を獲得しています。

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (1位) 24Kゴールデン feat. イアン・ディオール「Mood」

2位 (2位) カーディ・B feat. メーガン・ザ・スタリオン「WAP」

3位 (3位) ドレイク feat. リル・ダーク「Laugh Now Cry Later」

4位 (4位) ザ・ウィークエンド「Blinding Lights」

5位 (6位) ジョーシュ・シックスエイトファイヴ × ジェイソン・デルーロ「Savage Love (Laxed - Siren Beat)」

6位 (8位) ギャビー・バレット feat. チャーリー・プース「I Hope」

7位 (5位) BTS「Dynamite」

8位 (7位) ダベイビー feat. ロディ・リッチ「Rockstar」

9位 (14位) ジャスティン・ビーバー feat. チャンス・ザ・ラッパー「Holy」

10位 (10位) インターネット・マネー & ガナ feat. ドン・トリヴァー & ナヴ「Lemonade」

 

 

さて、米ビルボードがソングスチャートトップ10速報と同じく日本時間の火曜早朝に発表するグローバルチャート2種速報。こちらでは史上初となる日本人歌手のトップ10入り達成です。

Global 200、そしてGlobal 200から米の分を除いたGlobal Excl. U.S.では共にBTS「Dynamite」が制し、Global 200ではストリーミングが前週比1%アップの7480万およびダウンロードが同20%アップの24000、Global Excl. U.S.ではストリーミングが前週比2%アップの6350万およびダウンロードが同25%アップの15000となり、先月新設されたグローバルチャートにおいてGlobal 200では通算3週目、Global Excl. U.S.では通算5週目の首位を獲得しています。

ビルボードソングスチャートでは14位に初登場したジャスティン・ビーバー&ベニー・ブランコ「Lonely」はGlobal 200で5位、Global Excl. U.S.で8位に初登場。Global 200ではストリーミングが5010万、ダウンロードが25000となっています。

そして前週双方のグローバルチャートで初登場を果たしたLiSA「炎」が、Global 200では62→8位、Global Excl. U.S.では21→2位へ躍進。日本人歌手がグローバルチャートでトップ10入りを果たしたのはこれが初となり、快挙達成です。

「炎」の数値が明らかになっているのはGlobal 200で、ストリーミング1940万およびダウンロード97000。同チャートで数値が明らかになっている「Dynamite」や「Lonely」に比べてストリーミングの低さが目立ちますが、一方でダウンロードは世界で突出しており、10月22日木曜までを集計期間とする10月31日付のみならず、チャート発足7週目で最高となるダウンロード数を獲得。米ビルボードでは、「炎」が主題歌となった『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が世界で興行収入トップを達成したことを記したバラエティ誌のリンクが紹介されています。

 

 

個人的に、日本人歌手のグローバルチャートトップ10入りは予想していたことでしたが、ここまでとは!と驚きです。

この世界規模でのヒットを示すグローバルチャートについて、おそらくLiSA「炎」のトップ10入りを機に紹介するメディアが出てくるかもしれません。グローバルチャートについては昨日のブログエントリーにて詳しく紹介していますので是非ご参照ください。

またこの内容は、ポッドキャストBillboard Top Hits】でも紹介していますのでそちらも是非、よろしくお願いいたします。