コロナ禍の状況は続いていますが、少しずつながらもエンタテインメント業界は歩みを進めている印象があります。その象徴のひとつとして、一発録りにこだわったYouTubeチャンネル、"THE FIRST TAKE"は自宅等での録音による"THE HOME TAKE"を7月いっぱいで終わらせ、通常の"THE FIRST TAKE"仕様に戻してきました。
そしてこの"THE FIRST TAKE"、一昨日公開された最新回に登場したのが平井大さんであることに驚いたのです。
びっくりしました。インディで後にソニー・ミュージック系列以外に入る方はいらっしゃるものの、すでに他のメジャーレコード会社に所属する方の #THEFIRSTTAKE 出演は極めて珍しいですよね https://t.co/tDCuNj7fLT
— Kei (@Kei_radio) 2020年9月11日
出演者を一覧化すると。
"THE FIRST TAKE"最終回(現在のところ)に登場した清竜人さんは個人的にはEMIのイメージが強かったのですが、様々なプロジェクトを経て今年5月に本人名義でリリースされた『COVER』はSony Music Labelsよりリリース、つまり現在はソニー・ミュージック系列所属だと判明。最新作関連曲ではなくEMI時代のベストアルバム収録曲を披露ということに疑問を抱きつつも、しかしこれでソニー・ミュージック系列以外のメジャーレコード会社所属歌手で"THE FIRST TAKE"に初めて出演したのが平井大さんだということがはっきりしました。
YouTubeチャンネルの"THE FIRST TAKE"はその運営元がいまいちはっきりとはしないものの、ソニー・ミュージック関連ではないかと以前記しました。
一方で、ソニー・ミュージック系列で運営しているからこその問題点もあるのではと考えそれらを明記した上で、改善することによるチャンネル進化の4つのステップについて7月に記載しました。
ステップ1:ソニー・ミュージック系列の所属歌手がラインアップを独占
ステップ2:インディーズもしくはレコード会社未所属の歌手が登場
ステップ3:他のメジャーレコード会社の歌手が登場
ステップ4:他のメジャーレコード会社が同種のチャンネルを用意
Tani Yuukiさんが「Myra」を歌う段階で上記を記載し、執筆段階では"THE FIRST TAKE"がステップ3に近い2だと捉えていました。そして一昨日、平井大さんの登場によりステップ3と断言しても差し支えなくなったと考えています。さらに、当時インディーズ所属だった神はサイコロを振らないやマカロニえんぴつが、後にソニー・ミュージック系列以外のメジャーレコード会社と契約を結んだほか、その神はサイコロを振らない「夜永唄」については"THE FIRST TAKE"の音源もリリースされ、それが契約先であるVirgin Music(ユニバーサルミュージック)発というのも、上記ステップの3に到達したと考える理由として十分です。
仮にステップ3の状況が強化されれば、ステップ4は不要と言えるかもしれません。とはいえ、インディーズ所属の方がほぼ1曲しか披露できていない状況をみると、やはり他のメジャーレコード会社がたとえ真似事と揶揄されようと"THE FIRST TAKE"的な企画は用意する必要があるのではと考えます。そうすることで"THE FIRST TAKE"側もさらに奮起し、より好い生の音楽を届ける姿勢が強化されれば、それが日本の音楽業界全体のスキルアップにつながるかもしれません。