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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

(追記あり) ジャスティン・ビーバー「Yummy」を抑えロディ・リッチ「The Box」が初の首位獲得…1月18日付米ソングスチャートをチェック

ビルボードのソングスチャートをチェック。現地時間の1月12日月曜に発表された、1月18日付最新ソングスチャート。ロディ・リッチ「The Box」が初の首位を獲得、ジャスティン・ビーバー「Yummy」は2位発進となりました。

カリフォルニア州コンプトン出身、21歳のロディ・リッチは今週ソングスチャートで「The Box」が初制覇、さらにアルバム『Please Excuse Me for Being Antisocial』が首位に返り咲きを果たしました。ソングス/アルバム同時制覇は昨年3月9日付でレディー・ガガブラッドリー・クーパー「Shallow」および同曲を収めた映画『The Star Is Born』サウンドトラックが達成した以来となります。

「The Box」の強さは何よりもストリーミング。前週比60%アップの6820万を獲得し同指標を制しています。上記リリックビデオは1月9日公開ゆえ今回の集計期間(ダウンロードおよびストリーミングが1月3~9日、ラジオエアプレイが1月6~12日)には1日のみの加算となり、ミュージックビデオすら公開されていない状態でのストリーミング指標および総合での首位獲得となるのです。この6820万という数値はマライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」が今年1月4日付で獲得した7220万以来の好記録であり、遡ればあのリル・ナズ・X feat. ビリー・レイ・サイラス「Old Town Road」が昨年8月3日付で7250万を獲得して以来。「Old Town Road」は昨年4月20日付で1億4300万を記録していますが、「The Box」はミュージックビデオのリリース如何では1億超えもあり得るかもしれません。他指標では、ダウンロードが前週比79%アップの11000(同指標8位)、ラジオエアプレイは同196%アップの1090万(同指標50位未満)となっています。

2位にはジャスティン・ビーバー「Yummy」が初登場。

1月3日リリースの「Yummy」はダウンロードが71000を獲得し同指標首位発進、ストリーミングは2930万となり同指標2位、そしてラジオエアプレイでは5090万を獲得、前週から28ランクアップし10位となり早くもトップ10入りを果たしています。ダウンロードはテイラー・スウィフト「You Need To Calm Down」が昨年6月29日付で79000を獲得して以来となる高水準ですが、これはジャスティン・ビーバーの公式サイトで「Yummy」のレコードやカセットが販売された分が上乗せされたことに因ります。

「Yummy」は首位こそ逃したものの、ダン+シェイとの「10,000 Hours」を5位に押し上げる原動力となり、ジャスティン・ビーバーはトップ5内に2曲を送り込みました。昨年9月21日付でポスト・マローンが、ヤング・サグを迎えた「Goodbyes」を3位に、「Circles」を4位にランクインさせて以来の記録達成です。そのポスト・マローン「Circles」は今週3位にダウンしましたが、ラジオエアプレイは前週比1%アップの1億130万を獲得し同指標4週目の首位獲得となりました。

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (3位) ロディ・リッチ「The Box」

2位 (初登場) ジャスティン・ビーバー「Yummy」

3位 (1位) ポスト・マローン「Circles」

4位 (2位) マルーン5「Memories」

5位 (9位) ダン+シェイ&ジャスティン・ビーバー「10,000 Hours」

6位 (4位) ルイス・キャパルディ「Someone You Loved」

7位 (7位) トーンズ・アンド・アイ「Dance Monkey」

8位 (6位) リゾ「Good As Hell」

9位 (5位) アリゾナ・ザーヴァス「Roxanne」

10位 (10位) セレーナ・ゴメス「Lose You To Love Me」

次週はロディ・リッチ「The Box」がストリーミングでどこまで上昇するかのみならず、ロディが客演参加し今週1ランクアップの11位となったマスタード「Ballin'」のトップ10入りなるか、またそのマスタードと主従関係が逆転した「High Fashion」(今週35位に入り初のトップ40入り)は…等、ロディ・リッチの勢いに注目しましょう。

また先週10日にリリースされたセレーナ・ゴメスのアルバム『Rare』からソングスチャートへの大量エントリーも見込まれます。リード曲で首位を獲得した「Lose You To Love Me」(今週10位)、そしてタイトルトラックでアルバムの冒頭を飾り、ミュージックビデオが公開されたばかりの「Rare」の動向が特に気になるところ。

無論、ジャスティン・ビーバー「Yummy」の動向がどうなるかも注目ですが、次週はダウンロード指標の大幅ダウンが予想出来ることから、トップ10をキープ出来ない可能性もゼロではないかもしれません。

 

なお、アルバムチャートでは今週からYouTubeにアップされたオフィシャルオーディオもカウント対象となっていますが、ソングスチャートではYouTubeのユーザー生成コンテンツ(UGC)も加算対象となりました。詳細はビルボードジャパン等の記事で記載され次第あらためて紹介しますが、この動きはビルボードジャパンソングスチャートをなぞるものであり、非常に面白い流れだなと感じています

(※追記 (18時48分):ビルボードジャパンの記事にて、今回のYouTubeにおけるUGCのチャートポリシー変更について紹介されていました。上記における誤りについては訂正の上、以下に内容を引用いたします。

この「ミュージック・ビデオ(オーディオ、リリック含む)の再生回数」についてだが、今週1月18日付チャートより動画共有サービスYouTubeにおける一般ユーザーのコンテンツ=UGC(User Generated Content)動画の算出方法が簡素化され、チャートにカウントされる動画は「song-UGC」、除外されるものは「non-song UGC」と表記される。「song-UGC」には、一曲としてみなされるだけの内容・長さが必要となっている。

また、これまでは(YouTubeなどの)広告支援を含むオンデマンド・ストリームと同等だった「song-UGC」は、プログラム配信(リスナーではなくサービスによって選曲が行われているパンドラなどのネット・ラジオのストリーム数)と同じ比重となる。加えて、有料/サブスクリプションでのYouTubeビデオ・ストリームとYouTube Musicのオーディオ・ストリームが分けられ、その他の有料/サブスクリプションでのストリームと同等の比重となる。これは、現在ストリーミングとしてカウントされている3種のレベル※の内、最も高いレベルとなっている。[※有料(1再生=1ユニット)、広告支援(1再生=2/3ユニット)、プログラム配信(1再生=1/2ユニット)]

これはHot 100のみならず、R&Bソング・チャートやラップ・チャート、カントリー、ラテン等の“Hot”と提示された主要チャートやストリーミング・チャートにも反映される。

【米ビルボード・ソング・チャート】ロディ・リッチ、ジャスティン・ビーバーを抑え自身初の首位に | Daily News | Billboard JAPAN(1月14日付)より