イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

ビルボードジャパンとオリコン、CDセールスカウントにおける集計期間の考え方の違いを確認する

年明けの音楽ニュースで驚いたのはこの記事でした。

昨年の『NHK紅白歌合戦』(NHK総合ほか)で披露した「いのちの歌」のスペシャル・エディション(2012年リリースのシングルに、「人生の扉」のライブ映像を収録したDVDを同梱し今年元日にリリースしたシングルCD)が1位となり様々な記録を塗り替えましたが、気になったのは週間売上枚数が0.7万枚という点。記事には何日付か未記載ですが、1月13日付シングルCDセールスランキング(集計期間:2019年12月30日~2020年1月5日)ということが判明(ランキングはこちら)。また1月6日付(集計期間:2019年12月23~29日)では27位に初登場していることが解ります(ランキングはこちら)。

他方ビルボードジャパンソングスチャートをみると、1月13日付ソングスチャートで20位にランクインした「いのちの歌」は、シングルCDセールス指標では前週から26ランク上昇し2位につけています。

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1月13日付ソングスチャートでシングルCDセールス指標を制したのは、EXILE「愛のために ~for love, for a child~」。

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シングルCDセールス指標は黄色の折れ線グラフで表示され、わかりにくいかもしれませんが最新週(13週部分)の1位に黄色の点が記載。前週黄色の折れ線は見当たりません。この「愛のために ~for love, for a child~」は「いのちの歌」スペシャル・エディション同様元日シングルCDリリースの作品。しかし興味深いのは、ビルボードジャパンソングスチャートでは1月13日付ではじめてシングルCDセールス指標が加算されたのに対し、オリコンでは1月6日付シングルCDセールスランキングで2位に初登場(ランキングはこちら)、最新1月13日付でも2位となっています(こちら)。実際、元日を発売日に設定した作品群はクリスマス直後には店着し、大幅なフライングがなされています。下記は自分が住む青森県の店舗情報。

他店でも同様の措置が採られただろうと考えると、オリコンは昨年12月29日まで(1月6日付に反映)と昨年12月30日以降(1月13日付に反映)を実売ベースで計算し、ビルボードジャパンのシングルCDセールス指標は元日発売ながら大幅フライングしている作品は1月13日付のみに反映させるという、集計期間に対する考え方の違いがみられます。

同じく元日リリースされた香取慎吾『20200101』のビルボードジャパンCHART insightをみると、こちらも1月13日付が初週ランクイン、対するオリコンでは1月6日付3位→1月13日付1位となっています。

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(ビルボードジャパンアルバムチャートはアルバムCDセールス(黄色の折れ線グラフで表示)、ダウンロード(同紫)およびルックアップ(同オレンジ。パソコン等にCDを取り込んだ際にインターネットデータベースにアクセスした数を示す)の3つの指標で構成されます。)

 

さて、ビルボードジャパンのシングルおよびアルバムのCDセールス指標については一部変更があったと言えるかもしれません。昨年、集計期間中に発売日を設けながら前週に店着した作品においてはルックアップのみ前週のチャートに反映された例がありました。

今回はその措置がみられないことから、ビルボードジャパンのチャートポリシーが変更されたと捉えてよいでしょう(ゆえに今後、上記ブログエントリーのような事態が再度登場したならば大きな問題だと考えます)。なお、竹内まりや「いのちの歌」のビルボードジャパンCHART insightにおいては1月6日付でもシングルCDセールス指標がカウントされていますが、昨年も数週間同指標で100位未満ながらランクインしているため(CHART insightからシングルCDセールス指標のみ抽出したものはこちらに)、2012年リリース版の店頭在庫が『NHK紅白歌合戦』の前の段階から大きく動いたとみていいでしょう。