サブスクリプションサービス解禁に至る歌手が増えています。本日サザンオールスターズが、メンバーのソロ作品も含め1000曲近い楽曲を配信開始しました。
150作972曲!サザンオールスターズ全曲のストリーミング配信が本日スタート(動画あり)https://t.co/jSitDucJ0A
— 音楽ナタリー (@natalie_mu) 2019年12月19日
#サザン pic.twitter.com/9OVeNgHnSg
サザンオールスターズの場合は公式YouTubeチャンネルにおいて、ミュージックビデオフルバージョンでの配信はおろか配信している曲自体少ない状況ではありますが、いずれ動いてくることでしょう。
海外では最早解禁自体当然ゆえ、日本で名の知られた歌手がサブスクリプションサービスにて楽曲を解禁するたびに歓迎ムードが生まれる風潮には正直違和感を抱きつつ、しかしながらここ最近の解禁の流れはサブスクが音楽業界の主役となっている状況を如実に示していると思いますね
— Kei / ブレストコナカ (@Kei_radio) 2019年12月19日
厳しい物言いを承知で書くならば、最早日本における解禁が世界と比べて”遅きに失した感は否めない”と思うのですが、それでも祭りになるという現象は前週のL'Arc~en~Ciel解禁でよく解ります。
SNSでの口コミ数によるSpotifyバイラルチャートで集計期間最終日に解禁したL'Arc~en~Cielが週間で上位を独占したとReal Soundが報じています。一方、日本における(実際の)再生回数を示すSpotifyデイリーチャートにおいては解禁日に「HONEY」が126位に入ったのみ(そして翌日には200位圏外)。どの曲を聴くかが分散化されていることも考えられますが、解禁が祭りと化したのはテレビを利用した告知が功を奏したためとも言えそうです。
言い換えれば、テレビの存在があって更に大きなバズとなるわけで、L'Arc~en~Cielはその話題作りに長けていたわけです。先述したサザンオールスターズがサブスクリプションサービスでも話題を掴み取るには、本日同サービスで解禁されたことを朝の情報番組等で取り上げられることが重要と言えます。
さて、いち早くサブスクリプションサービスを解禁した嵐はさらなるステップを歩んでいます。
みんなにとっておきのお知らせ!
— ARASHI (@arashi5official) 2019年12月19日
We have a surprise for you!#あらしらせ #FromARASHI#嵐 #ARASHI pic.twitter.com/GPydx0PGBp
20年前のデビュー曲に”リプロダクション”を施した「A-RA-SHI:Reborn」が本日サブスクリプションサービスで解禁され、ダウンロードも開始。この告知が昨日夕方に嵐のTwitterアカウントで発信され、わずか半日で7万近くリツイートされています。ビルボードジャパンへのチャートインは来週12月25日水曜発表(12月30日付)。動向が楽しみでなりません。
米ビルボードソングスチャートを追いかける身として、このような【突然の告知→翌日リリース】という手法をよく目にします。アメリカではシングルをCD等のフィジカルでリリースすることはほぼないため(公式ホームページで販売する傾向は出ていますが)、CDショップを考慮せずともサプライズリリースが可能であり、デジタルリリース時の話題性を高めるべくこのような手法がよく採られるのです。嵐の場合はデジタルシングルの初作である「Turning Up」も(先行5曲を除く)シングル表題曲の一斉解禁のタイミングで突如リリースされ、ビルボードジャパンソングスチャートでは現在までに7週連続20位以内をキープ、アイドルでは珍しいロングヒットとなっています。その熱も冷めやらぬ中、新たな楽曲を投下するというのは実に面白い試みで、間を開けずにシングルをリリースするというのもまたサブスクリプションサービス時代ならではと言えます。
個人的には、既に『NHK紅白歌合戦』(NHK総合ほか)での初披露が決定している米津玄師さん書き下ろしの「カイト」も、その翌日に解禁されるのではないかと予想しています。デジタルシングルならば元日解禁も当然可能です。
海外で定番化した【突然の告知→翌日リリース】手法を採り入れて曲をサブスクリプションサービスで配信、仮に「カイト」が元日にリリースされるならば今も日本における大きな影響源であるテレビも活用…嵐はデジタルを味方につけたことでその自由度は俄然高まった印象があります。また「A-RA-SHI:Reborn」はラップパート以外英語で歌われていますが、米ビルボードソングスチャートにおけるストリーミング(サブスクリプションサービス再生回数等)およびダウンロードの集計期間が金曜開始ゆえ、それを見越して金曜解禁したのならば嵐が見据えるのは日本のみならずグローバルであると言えるかもしれません。公式YouTubeチャンネルでのミュージックビデオ全曲解禁、そしてアルバム曲のサブスクリプションサービス解禁が成されたならば彼らの音楽活動はもはや完璧と言えるのではないでしょうか。