現地時間の12月9日月曜に発表された、12月14日付最新ソングスチャート。ザ・ウィークエンド「Heartless」が前週の32位からジャンプアップ、自身4曲目となる首位を獲得しました。また、クリスマスソングが2曲トップ10入りを果たしています。
.@TheWeeknd's "Heartless" blasts to No. 1 on the #Hot100 and @MariahCarey's "All I Want For Christmas Is You" hits No. 3 https://t.co/3ylKNfWPX9
— billboard (@billboard) 2019年12月9日
11月27日水曜にリリースされ、前週はデジタル2指標が2日間、ラジオエアプレイが5日間の集計期間により32位に初登場したザ・ウィークエンド「Heartless」。今週は初の集計期間フルでの加算となり、ダウンロードは前週の10000から58000に大きく増加。公式ホームページでのCDおよびレコードセールスも加わったもので、同指標首位に。またストリーミングは12月3日火曜に上記ミュージックビデオが公開されたこともあり3000万を獲得し同指標2位。ラジオエアプレイは2620万で同38位となり、デジタル2指標が牽引したのみならずフィジカルセールスも影響した形となりました。
ザ・ウィークエンドにとっては「Can't Feel My Face」(2015)、「The Hills」(2015)、ダフト・パンクを迎えた「Starboy」(2017)以来4曲目の首位獲得となります。また「Heartless」の翌々日、11月29日金曜にリリースされた「Blinding Lights」は11位に初登場。こちらはダウンロードが24000で同指標2位、ストリーミングが2480万で同6位発進となりました。
ザ・ウィークエンドに新たな首位をもたらした「Heartless」は水曜リリース。この水曜リリースというのが新たなトレンドになるだろうことを1ヶ月前に記載したのですが、まさにその通りの結果になりました。下記にその時のブログエントリーを掲載します。
2週首位の座を守っていたポスト・マローン「Circles」はダウンロードが前週比36%ダウンの13000(同指標4位)、ストリーミングは同10%ダウンの2220万(同8位)、ラジオエアプレイは同1%アップの9220万(同2位)で、ラジオエアプレイの高さでデジタル2指標をカバーし首位の座を守ることは出来ませんでした。
さて、新たな首位候補に躍り出たのがマライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You (邦題:恋人たちのクリスマス)」。昨年クリスマスシーズン(2019年1月5日付)に3位を獲得して以来となる最高位を記録しました。
ストリーミングは前週比48%大幅アップとなる3510万となり同指標を制覇、ダウンロードは同60%アップの9000(同指標10位)、ラジオエアプレイは同18%アップの3100万(同32位)。全指標二桁成長となり、特にデジタル2指標が牽引しています。ストリーミングは今年1月5日付の5190万に次ぐ成績となっており、クリスマスソングがピークを迎える3週間後(2020年1月4日付)が果たしてどうなるか気になるところです。無論総合ソングスチャートにおいても、クリスマスソングが2位以上を獲得した例はチップマンクス with デヴィッド・セヴィル「The Chipmunk Song」のみであり(1958年から翌年にかけて4週間首位の座に)、マライア・キャリーが2曲目の首位獲得となるか注目。「All I Want For Christmas Is You」はクリスマスソングスチャート(Holiday 100)も制し、同チャートが始まった2011年以降の42週中、通算37週目の首位となりました。マライア・キャリーについては公式ホームページで展開中の施策が功を奏したといえそうで、その内容については先日まとめています。
クリスマスソングといえば、ブレンダ・リー「Rockin' Around The Christmas Tree」が21ランクアップし8位に到達。昨シーズンの9位を上回る最高位を更新しました。
1958年発表のクリスマスソングがこのように返り咲くようになったのは、米ビルボードソングスチャートにストリーミング(サブスクリプションサービスの再生回数や動画再生が主体)が反映されるようになった影響が大きいですね。今回の牽引役もそのストリーミングであり前週比61%アップの3280万(同指標4位)に。ラジオエアプレイは同68%アップの4000(同33位)、ラジオエアプレイは同14%アップの2440万(同43位)となっています。
最新のトップ10はこちら。
[今週 (前週) 歌手名・曲名]
1位 (32位) ザ・ウィークエンド「Heartless」
2位 (1位) ポスト・マローン「Circles」
3位 (18位) マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」
4位 (2位) ルイス・キャパルディ「Someone You Loved」
5位 (4位) マルーン5「Memories」
6位 (3位) リゾ「Good As Hell」
7位 (5位) アリゾナ・ザーヴァス「Roxanne」
8位 (29位) ブレンダ・リー「Rockin' Around The Christmas Tree」
9位 (6位) セレーナ・ゴメス「Lose You To Love Me」
10位 (8位) ダン+シェイ & ジャスティン・ビーバー「10,000 Hours」
ラジオエアプレイ首位はリゾ「Good As Hell」で、前週比2%アップの1億60万を獲得しています。
さて次週はクリスマスソングのさらなるエントリーが期待される一方、日本時間の昨日飛び込んできたジュース・ワールドの訃報により、彼の楽曲がリエントリーを果たす可能性は高いとみられます。
12月8日付米Spotifyデイリーチャートではトップ10に5曲がエントリー。全米最高2位を獲得した「Lucid Dreams」が前日の69位から首位に返り咲いており、それだけ彼の不在のインパクトが大きいことを実感させられます。