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ルイス・キャパルディ「Someone You Loved」が遂に全米制覇、次週はカニエ・ウェストが席巻か…11月2日付米ソングスチャートをチェック

ビルボードソングスチャート速報。現地時間の10月28日月曜に発表された、11月2日付最新ソングスチャート。前週首位に返り咲いたリゾ「Truth Hurts」が陥落、ルイス・キャパルディ「Someone You Loved」が初の首位に輝きました。

「Someone You Loved」については、なかなかトップ10出来ない状況であったことからこの曲に特化したエントリーを書いたことがあります。

その際も紹介したのが、上記ミュージックビデオとは異なる新たな作品。

この2つ目のミュージックビデオ公開が功を奏し、エントリー記載の翌週(9月21日付)では9位に上昇。初のトップ10入りを果たした後は4→3→3→5→3位と順調に推移し、遂に今回初の首位を獲得したのです。ソングスチャート(Hot 100)初登場から24週目での1位獲得は、ローンスター「Amazed」(2000 31週)、ジョン・レジェンド「All Of Me」(2014 30週)、クリード「With Arms Wide Open」(2000 27週)、ヴァーティカル・ホライズン「Everything You Want」(2000 26週)に次ぐ歴代5位の遅咲き記録となります。

ソングスチャートを構成する3指標をみると、ラジオエアプレイは前週比2%ダウンの1億560万(同指標2位)、ストリーミングは同2%アップの2520万(同8位)、そしてダウンロードは同41%大幅アップの24000(同2位)に。ダウンロードの急伸は、アメリカのテレビ局ABCで放送されたダンスリアリティ番組『Dancing With The Stars』で用いられたことが大きいと見られます。

前週返り咲きで通算7週目の首位を獲得したリゾ「Truth Hurts」は2位に後退。ラジオエアプレイは前週比3%ダウンの1億1190万(同指標首位)、ストリーミングは同7%ダウンの2170万(同11位)、ダウンロードは同15%ダウンの17000(同5位)となり、「Someone You Loved」にはラジオエアプレイで勝るもののデジタル2指標で逆転された形となりました。

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (3位) ルイス・キャパルディ「Someone You Loved」

2位 (1位) リゾ「Truth Hurts

3位 (2位) ショーン・メンデス & カミラ・カベロ「Señorita」

4位 (4位) ポスト・マローン「Circles」

5位 (5位) クリス・ブラウン feat. ドレイク「No Guidance」

6位 (9位) リル・ナズ・X「Panini」

7位 (6位) トラヴィス・スコット「Highest In The Room」

8位 (7位) リル・テッカ「Ran$om」

9位 (8位) ビリー・アイリッシュ「Bad Guy」

10位 (11位) ダン+シェイ feat. ジャスティン・ビーバー「10,000 Hours」

今週は首位が入れ替わったほか、 ダン+シェイ feat. ジャスティン・ビーバー「10,000 Hours」がトップ10に返り咲いたのがトップ10内の主だったトピックですが、11位以下は新たなトップ10入りを狙う作品が続々と。11位にはマルーン5「Memories」が、13位にはエド・シーラン feat. カリード「Beautiful People」が共に1ランクアップ。またリゾ「Good As Hell」は20→14位に上昇。これはラジオエアプレイが前週比22%大幅アップの5240万を獲得したことが主な要因ですが、この曲は次週さらなる飛躍を遂げる可能性が。

先週金曜に公開されたのが、アリアナ・グランデを迎えたリミックスバージョン。デジタル2指標の集計期間が金曜はじまりであり、次週はこのバージョンが集計期間フルでカウントされることに。リゾにとって「Truth Hurts」に次ぐトップ10入りなるか注目です。

そして。

セレーナ・ゴメス「Lose You To Love Me」が15位に初登場を果たしました。リリースは前週水曜であり、デジタルの集計期間はわずか2日のみ(ラジオは日曜〆のため5日間)ですが、ダウンロードは36000を獲得し同指標首位、ストリーミングは1530万で同20位にそれぞれ初登場。ラジオエアプレイは50位未満ながら1410万を獲得しています。実はセレーナ、この翌日には新曲「Look At Her Now」もリリース。

Spotifyデイリーチャートを見る限りでは「Lose You To Love Me」が「Look At Her Now」よりも勢いがあることから、次週は「Lose You To Love Me」のトップ10入り、「Look At Her Now」も高位置に登場することが予想されます。

 

さて次週は、なんといってもカニエ・ウェスト初の(フル)ゴスペル作『Jesus Is King』の動向に注目。前作『Ye』(2018)は初登場でアルバムチャートを制し、同週のソングスチャートで8~36位に収録曲が軒並み登場したのですが。

『Jesus Is King』のSpotifyの動向をみると、アルバム収録の全11曲は10月27日付デイリーチャートにおいて1~26位に登場(それも「Jesus Is Lord」が26位で、その他は14位以内に10曲ランクイン)。『Jesus Is Lord』の初動が前作超えとなるのではという見方もあり、次週のソングスチャートはカニエ・ウェストとセレーナ・ゴメス、リゾによって一気に動くかもしれません。特に『Jesus Is King』からリリックビデオが公開された「Follow God」はサブスクリプションサービスで最も聴かれているゆえ要注目です。