最新7月29日付ビルボードジャパンソングスチャートで前週より7ランクダウンし27位につけているスピッツ「優しいあの子」。シングルCDセールス初加算週に2位を獲得しながら、緩やかにでも確実にランクを落としてるこの曲に、ちょっとした異変が起きています。
異変とは、最新週でストリーミングが99位、動画再生が95位に初登場を果たしたこと(詳しくはCHART insightをご確認ください)。「優しいあの子」は6月14日にミュージックビデオがショートバージョンにて公開されていたのですが、動画再生は7月1日付で300位以内に一度登場したのみ。そして下記6月14日付記事のリンク先を見ると判るのですが。
実はそのショートバージョンは削除されていました。というのも、おそらくショートバージョンと差し替えたのでしょう、7月15日にフルバージョンが公開されたのです。
そして。
また、Apple Music、LINE MUSIC、AWA、Amazon Music Unlimitedなどの各主要ストリーミングサイトで、「優しいあの子」の配信がスタートしました。
Apple Musicではスピッツとしておそらく初となるストリーミング配信となっています。
これらが功を奏し、2つの接触指標でチャートインしたものと思われます。
正直な感想を述べるならば、ミュージックビデオのフルバージョンでの公開とストリーミング解禁は遅きに失した感は否めません…というのも、このブログにてショートバージョンでのチャートアクションの乏しさ、ストリーミングが与える影響力を幾度となく書いてきたゆえ。たとえばこちらなど。
スピッツが接触指標群の充実を遅らせた理由は解りかねますが、所有指標群、特にシングルCDセールスに影響をきたし利益をもたらさないという考えがあったのかもしれません(し、ストリーミング未解禁を続ける歌手にはこの考えが通底している気がしています)。しかしストリーミングからの利益はCDより少なくとも比較的長い時間をかけて得られるはずです。またカラオケ指標がここ3週で91→93→90位と伸び悩んでいますが、カラオケで披露すべく曲を覚えるために接触指標群をチェックする人が増えればそれら指標群もカラオケも共に上昇気流に乗る可能性があります。そのカラオケからの利益も上げることにより、CDセールス(から得られる利益)の補填は出来るでしょう。尤も、そもそも接触指標群の充実がCDセールスを落とすわけではないとは思うのですが。
「優しいあの子」の7月15日の解禁については、音楽ナタリー等ニュースサイトに掲載されていないままなので、今からでも接触指標群が充実したことを訴求すればチャートの再浮上もあり得るはず。是非とも広くアナウンスを実施してほしいと思います。