4月8~14日を集計期間とする、4月22日付のビルボードジャパン各チャートが昨日発表され、総合ソングスチャートはHKT48「意志」が制しました。
【ビルボード】HKT48「意志」が231,142枚を売り上げ初登場総合首位獲得 BLACKPINK「Kill This Love」は動画再生が倍増、総合6位にジャンプ・アップ https://t.co/5uGAfeKkYu pic.twitter.com/zWYYaio0BV
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) April 17, 2019
高いシングルCDセールス指標に支えられ、2位に3倍以上のポイント差をつけての首位獲得。とはいえルックアップ8位、デジタルダウンロード61位、ラジオエアプレイ50位およびTwitter11位と他指標が振るわず、チャート構成比の9割以上を一指標で占めていることから、次週どこまで踏みとどまるかが気掛かりではあります。
今日注目するのはBLACKPINK。4月5日にEP『Kill This Love』をリリースし、そこからのタイトルトラックが前週14位に初登場。今週は6位に上昇して自身のキャリアにおける最高位を更新しました(これまでの最高位は「DDU-DU DDU-DU」の7位(2018年7月2日付))。
デジタルダウンロード6位、ラジオエアプレイ68位(2指標共に前週は300位未満)、ストリーミング6→2位、Twitter7→33位そして動画再生5→1位という指標構成。ストリーミングは同186.3%アップの2218575回、動画再生は前週比210.7%アップの4965303回と大きく上昇しています(この2週分の数値は上記記事、および前週の記事(【ビルボード】あいみょん「マリーゴールド」が355.1万回再生でストリーミング14連覇 IZ*ONE/BLACKPINKの新曲がトップ10入り | Daily News | Billboard JAPAN(4月10日付)を元に算出)。金曜発売ゆえ前週が集計期間3日、今週が7日間フルという差はあるものの、それでも勢いが落ちなかったのは、BLACKPINKがアメリカの野外音楽フェス"コーチェラ・フェスティバル"(以下コーチェラ)に出演したことの反響が大きく影響しているのかもしれません。
コーチェラ1週目(4/12-14)におけるベストモーメント10項目を採り上げた米ビルボードの記事にはBLACKPINKが登場しています(特にメンバーのひとりであるジェニーの衝撃について)。
BLACKPINKのパフォーマンスがYouTubeで配信されたことで、彼女たちは日本のSNSも賑わせました。パフォーマンスが披露されたのは現地時間の12日金曜、日本では翌13日。その評判により、パフォーマンスから集計期間終了までの1日半の間でストリーミングや動画再生等の指標が上昇したとみるのは自然なことと思われます。またこのタイミングで「DDU-DU DDU-DU」が、前週10週ぶりに100位以内に返り咲いたのですが今週さらに上昇し63位につけたのも、EPリリースに加えてコーチェラの影響もあると言えるでしょう。
BLACKPINK「Kill This Love」が今週好リアクションをみせるだろうことは、日曜のブログエントリーで予想していたことでした。
その際、『無論アメリカでも似た動きを見せることでしょう』とも書いたのですが、アメリカでは4月20日付ビルボードソングスチャートで「Kill This Love」が41位に初登場し、米でも彼女たちのキャリアにおける最高位を更新しています。
詳細な内容は、ビルボードジャパンの記事をご参照ください。
米ビルボードソングスチャートの集計期間はデジタルダウンロードおよびストリーミングが4月5~11日、ラジオエアプレイが4月8~14日。ラジオエアプレイは瞬発力が乏しいため高位置での初登場にはデジタル2指標が大きく寄与するわけですが、今回の初登場はEPリリース効果であり、(コーチェラのパフォーマンス前の予習的意味合いはあれど)コーチェラ後の反響は反映されていません。K-Popアクトの米ビルボードソングスチャートでのチャートアクションは"高位置初登場しながらもその翌週に急落"という形が少なくないのですが(この点についてはBTS、米アルバムチャートを制しながらもソングスチャートが強くない理由を探る(2018年10月21日付)で記載しています)、「Kill This Love」が次週急落せず高い位置をキープ出来たならば、コーチェラ効果もさることながらK-Popの弱点が克服されつつあることがチャートから見えてくるかもしれません。急落を阻止するためにはラジオエアプレイの上昇も必須と考えますが、アルバムやEPリリースから時間をおかずにアメリカでテレビ出演やライブ披露を実施(そしてそれらが世界中で、また後追いでチェック出来る体制も用意)することで、デジタル2指標で瞬発力のみならず持続力もつけることが出来ます。これは先のBTSに関するエントリーで改善点としていた部分であり、BLACKPINKは戦略をグローバル仕様にしたんだなあと驚かされます。そしてそれはBTSも同様であり…この点は来週以降のチャートアクションが判明次第まとめられたならと考えています。
よくよく考えたら、BLACKPINKはEPリリース後日本でプロモーション等を行っていないはずで、にもかかわらず日本で自己最高位更新等快進撃を果たしたのは素晴らしいことではないでしょうか。