毎週ビルボードジャパンの最新チャート(主にソングスチャート)を自分なりに分析しているのですが、先週は星野源「Pop Virus」および三浦大知「Blizzard」を取り上げ、両者におけるTwitter指標の盛り上がりと重要性を紹介しました。
これらエントリーが取り上げられ、弊ブログのアクセス数が前者は通常の8倍、後者が5倍程度に。読んでくださった方に御礼申し上げます。
実はこれらエントリー群のアップ以前から、Twitter指標に関するエントリーを、主にアイドルやK-Popの歌手のファンの方々が引用等してくださっています。それらジャンルの、最新4月1日付ソングスチャートにおける動向をみると、A.B.C-Z「Black Sugar」(Twitter指標7位 総合100位圏外)やジェジュン「君だけになる前に」(Twitter指標12位 総合100位圏外)が、CDやデジタルダウンロードでのリリース前にもかかわらずTwitter指標が全体を牽引する形となっています。弊ブログを機にビルボードジャパンソングスチャートの仕組みが少しでも多くの方に理解され、ファンがTwitter活動を行っていくならば嬉しいことだと感じています。
さて、「Pop Virus」「Blizzard」に関するエントリーの合間には、このような内容もアップしました。
ここではソングスチャートにおいてより高いTwitter指標を獲得する楽曲の特徴を5つ取り上げましたが、【曲名や歌手名に特徴がある】ことに追記する形で今回エントリーした次第。
最新4月1日付ビルボードジャパンソングスチャートで、Twitter指標9位にSMAP「世界に一つだけの花」が登場しました。
これは現在開催中の第91回選抜高等学校野球大会において、3月23日土曜の開会式の入場行進曲がこの曲だったため。
槇原敬之さんが書いたSMAPへの提供曲と、自身歌唱の「どんなときも。」の2曲が起用され、NHKでは生中継時に、"SMAPの「世界に一つだけの花」"と伝えたとのこと(観た複数の方がつぶやいているので間違いないでしょう)。
これが多くの方、特にSMAPファンのつぶやきに繋がったものと考えます。
ファンの力の凄さはこの件にとどまりません。1ヶ月前、3月4日付ビルボードジャパンソングスチャートではTwitter指標18位にSMAP「ありがとう」が登場しています。
これは、集計期間中の2月19日火曜に放送された『うたコン』(NHK総合 4月から火曜19時57分)にて、先述したジェジュンさんがSMAPの「らいおんハート」をカバーしたゆえ。披露したのは「ありがとう」ではないため疑問に思われるかもしれませんが、たとえば『ジェジュンさん、SMAPの曲を歌ってくれてありがとう』とつぶやくと、ひとつのツイートの中に"SMAP"および"ありがとう"が入っているため「ありがとう」に加点されるという仕組み。つまり、感謝の意で用いた"ありがとう"という言葉が、SMAP「ありがとう」のTwitter指標上昇に一役買ったのです。
解散後もSMAPの楽曲はチャートでインパクトを残していますが、その中でも「世界に一つだけの花」および「ありがとう」が突出しているように思います。「世界に一つだけの花」は彼ら最大のヒット曲ゆえメディアでも事あるごとに取り上げられ、またファンがシングルCD購入を率先して購入したことでチャートを牽引した一方、「ありがとう」はシングルCDセールスが目立たない一方、Twitter指標が「世界に一つだけの花」にこそ及ばないものの近い勢いを見せているということが、2曲におけるCHART insight(特に下記における直近150週分での比較)から見えてきます。ちなみにTwitter指標は水色、シングルCDセールス指標は黄色で表示されています。
挨拶等普段用いる何気ない言葉をタイトルに配した楽曲のTwitter指標が伸びることが、SMAP「ありがとう」で証明されたのではないでしょうか。尤もSMAPサイドも当初からTwitter指標を見越して「ありがとう」を制作したわけではありませんが(そもそも同曲はビルボードジャパンソングスチャートが公開される1年半前にリリース済)、しかし結果的にチャートに反映されているのは興味深いですね。ならば今後、たとえばTwitter指標で自身の楽曲を流行らせたいと思う方がいらっしゃったならば、そのようなタイトルの楽曲を作ってもいいかもしれません。