先週水曜に発表された、ビルボードジャパン最新2月25日付ソングスチャート。総合94位に初登場を果たしたのがJW・メディア・ミュージック「Dance Stars」という楽曲でした。この曲の総合ポイントにおける各指標をみると、なんと100%が動画再生指標からという結果に。同指標では5位発進となっています。
しかしながら、上記CHART insightではこの曲の動画紹介はなく、ミュージックビデオも見当たらない状態。ではなぜ伸びたのかと思い歌手名と曲名をYouTubeで検索すると、上位に登場したのは今クールのドラマ、『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ 日曜22時30分)で披露されている"朝礼体操"のダンス動画でした。
JW・メディア・ミュージック「Dance Stars」を用いた朝礼体操の動画が再生され、またいわゆる"踊ってみた"動画が多く作られた結果、楽曲の動画再生指標が急伸するという仕組み。その再生回数の多さゆえ、総合チャートでも100位以内に登場したわけです。ビルボードジャパンが動画再生指標のカウント対象とする『オフィシャル音源を使用したユーザー生成コンテンツ(UGC)』(【Billboard JAPAN Chart】よくある質問 | Special | Billboard JAPANより)に朝礼体操関連動画は該当するわけで、先日紹介したダイナソーJr.「Over Your Shoulder」等と似た構図となります(尤も、ダイナソーJr.等の関連動画、"ガチンコファイトクラブ"はテレビ局へ無許可でアップしたものではあるのですが)。
JW・メディア・ミュージックについては、ロンドンに拠点を置いていることが公式Twitterアカウントから解ります。そして彼らがつい先日、3年A組朝礼体操をアップ! こういうノリの良さ、素敵です。
We tried...
— JWMediaMusic (@JWMediaMusic) February 22, 2019
Watch our take on the new Japanese dance trend with track, Dance Stars from @banksandwag. Link to the originals here as a reference (it's honestly uncanny) https://t.co/SejGREOor1 #productionmusic #biginjapan #billboard #topten #librarymusic https://t.co/fxvt0EZvJa
(無論この動画にも歌手名と曲名がきちんと登録され、動画再生指標のカウント対象となります。)
このJW・メディア・ミュージックについてさらに調べてみると。
5Alarmの対抗となる英国のシーン万能型レーベル。ジャンルの取り入れがうまく、通常のBGMのほか、ヒットチャートを意識した曲のクオリティも高い。有名クラシック曲も収録。
掲載元の株式会社クーロスでは音楽ライブラリー事業を展開しており、JW・メディア・ミュージック等の音楽レーベルと日本のメディアとを仲介しているだろうことが解ります。『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』制作側が朝礼体操で使うBGMを探した際にJW・メディア・ミュージック「Dance Stars」を見つけ、採用したドラマが放送され、また日本テレビの情報番組で特集が組まれた…これらの結果が"踊ってみた"動画を生み、最新チャートにおける動画再生指標の高さにつながったという一連の流れが推測出来ます。
(ちなみにJW・ダンス・ミュージックは洋楽扱いとなるはずで、ビルボードジャパン等では洋楽を歌手名も曲名もカタカナ表記するのが通常ですが、たとえば先述した2月25日付ビルボードジャパンソングスチャートや、COUNT DOWN TV(TBS 土曜24時58分)の最新2月23日付ソングスチャートでは歌手名も曲名も英語で表記されています。各種音楽チャートでも広く世間一般にも、この曲の内容がまだまだ知られていないことがこの曲の表記に表れているのかもしれませんね。)
さて、日本テレビとその系列局でも朝礼体操"踊ってみた"動画が作られています。
しかし。
(本日紹介した各キャプチャは、今朝の段階での掲載情報を紹介するために貼付したものです。問題があれば削除いたします。)
こちらには楽曲登録が成されていません。日テレ公式チャンネルという公式YouTubeアカウントから発信されている動画なのですが。
他方、日本テレビ系列局だったり。
さらにはフジテレビ組の動画では、きちんと楽曲登録が成されています。
楽曲登録がどのような形で登録されるのか…アカウント側が行うのかYouTube側で自動で成されるのかは不明ですが、前者であればアカウント側の努力は必須であり、後者ならば日本テレビ側から呼びかける必要があるでしょう。ドラマがタイムシフト視聴率を含めた総合視聴率で毎週20%近い数字を叩き出し既に人気となっていますが、朝礼体操をドラマのさらなるヒットへの原動力にしたいならば、日本テレビ側が踊ってみた動画への楽曲登録に、より意識的にならないといけないはずです。