最新2月18日付、ビルボードジャパンソングスチャートをひとつかみ。昨日は動画再生指標に関連した私見を掲載しました。
近年のチャートにおいてはリバイバルヒットが少なくない傾向があります。荻野目洋子「ダンシング・ヒーロー (Eat You Up)」のようにBGMとして用いられた動画が話題となる件、数年前の楽曲をタイアップで起用しその選曲がセンスの良さを感じさせるホンダのCM曲等ありますが、やはり目立つのは映画関連のヒット。なんといっても『ボヘミアン・ラプソディ』により、サウンドトラックおよびベストアルバム共々クイーンの楽曲がヒットしたのが筆頭に挙げられるものの、ソングスチャートでは結局一度もトップ10入りすることはありませんでした。まだ可能性は無きにしもあらずですが。
上記は1月28日付ソングスチャートを踏まえてのエントリーでしたが、映画のタイトルにもなったクイーン「Bohemian Rhapsody」(1975)はその後、16→28→27位と推移。最後に盛り上がるタイミングがあるとすれば映画賞で快挙を成し遂げた際になると思われ、しかもその可能性は不明なことから今後下がる可能性は否めません。
さて、そんな映画関連では現在2曲が上昇中です。
・TM NETWORK「Get Wild」(1987)
フルではないですが、動画来ましたね!
先週公開された映画、『劇場版シティーハンター <新宿 プライベート・アイズ>』主題歌で、1月28日付で58位に登場した後、73→73→38位と推移。次回のチャートの集計期間は公開1~2週目分にあたるため、興行収入ランキングで初登場4位を記録した映画の熱が冷めやらなければ、勢いを維持するかさらなるヒットが期待出来ます。
この曲についてはシングルCDが廃盤の模様ゆえシングルCDセールスおよびルックアップ指標が期待出来ないものの他指標が一斉に上昇。個人的には4週連続で100位未満ながら動画再生指標が今後盛り上がってくることに期待したいですね。上記ミュージックビデオ(残念ながらショートバージョンですが)はお笑い芸人出演CMの基礎になったものであり、そのCMと比較して観たがっていた方も多いはず。7日木曜に公開された上記動画が勢いを増していけば、動画再生指標100位以内も有り得そうです。この形は以前自分が望んでいたものゆえ、嬉しいですね。
今月1日に公開された映画『雪の華』のモチーフになった楽曲。実は毎シーズン、冬になると総合チャートで300位以内に入っていたのですが、映画公開のタイミングで今シーズンは冬のはじめから存在感を発揮し、この5週では43→44→32→13→12位とトップ10目前まで来ています。
面白いのは、この曲においては最新2月18日付においてシングルCDセールス指標が100位未満ながらランクインしている点。タワーレコードでシングルの情報をみると廃盤となっていないことから、映画を観た人がシングルCDを購入するという流れがわずかながら生まれていることが解ります(廃盤か否かの判別基準は難しいのですが、オンラインショップの在庫表記をみると解るという声があり、タワーレコードの情報を紹介しました)。
他方気になるのは、今週動画再生指標が"突如"ランクインしている件。「雪の華」のCHART insightは2014年度から計測されている(つまりはそれだけ昔からランクインしている)のですが、動画再生指標のランクインは今回がはじめて。上記ミュージックビデオ自体2012年1月6日に公開されているので不思議に思い、ミュージックビデオに登録されている楽曲情報を確認すると。
(上記は今朝の段階でYouTubeに掲載された情報をキャプチャしたものです。登録情報を紹介するために貼付しましたが、問題があれば削除いたします。)
ライセンス所持者こそ日本主体ですが、歌手名は中国の女優で歌手のハン・シュエさんとなっています。なぜこのような登録になったかは不明ですが、もしかしたらミュージックビデオにおける登録情報がおかしなことになっているため動画再生指標にカウントされないのではないでしょうか(そして一方では別の動画に「雪の華」が登録され、そちらがカウントされているとも言えそうです)。これがきちんと直っていたならば、クイーン「Bohemian Rhapsody」が成し遂げられなかったソングスチャートトップ10入りも有り得たはずです。映画『雪の華』が登場2週目の興行収入ランキングにおいて前週より6ランク大幅ダウンしているゆえ(3→9位)、急いで修正しないと映画効果も得られないまま失速しそうな気がします。