水曜に発表された、2月11日付ビルボードジャパンソングスチャートでひとつ不可解なものが。それは動画再生指標における急上昇曲の多さ。同指標20位以内に入った曲には、他指標が伴わずほぼ100%を動画再生指標のみで占めている作品が多いのです。下記は最新チャートのCHARTinsightにおいて、動画再生指標順に並べ替えたもの。
・ダイナソーJr.「Over Your Shoulder」(1994 動画再生指標1位/総合18位)
・U2「One」(1991 動画再生指標5位/総合78位)
・マッチボックス・トゥエンティ「If You're Gone」(2000 動画再生指標6位/総合84位)
・ダーウィン feat. サイレント「Dessert」(2015 動画再生指標9位/総合300位以内)
・アズテック・カメラ「The Belle Of The Ball」(1993 動画再生指標14位/総合300位以内)
・U2「Staring At The Sun」(1997 動画再生指標18位/総合300位以内)
・Wink「愛が止まらない ~Turn it into love~」(1988 動画再生指標19位/総合300位以内)
あの米津玄師「Lemon」を抑えて首位に立ったのがダイナソーJr.「Over Your Shoulder」なのですが、公式アカウント発の動画の現段階の再生回数はなんと1200回未満。"Dinosaur Jr. Over Your Shoulder"で検索し、最上位に登場且つ動画の詳細に著作権管理団体のライセンス所持者がクレジットされているこちらでも現段階で28000強という数字…ゆえに他にも動画再生指標のカウント先はあれど、「Over Your Shoulder」がなぜ首位に立てたのかが不可解でした。
その旨を、水曜夜にビルボードジャパン宛に問い合わせたところ、翌日午後に回答をいただきました。尚、回答の掲載について許可をいただいていないため、内容を要約して紹介すると。
データ提供元に確認したところ、 (今回紹介した)楽曲の再生回数は正しい数字との回答をいただきました。
現在、楽曲を使用した該当動画について、YouTubeに確認中であり、現時点では明確な回答が申し上げられません。
とのことです。
実際、ビルボードジャパンによるチャート解説の段階で。
当週、YouTube再生ランキングにクイーン以外の洋楽も多数順位を上げており、チャート公開時刻の許す限り原因を究明したが、残念ながら原因となる動画を特定することが出来なかった。おそらくはそれらの洋楽楽曲を使用したユーザーによりアップロードされた動画が大きく再生数を伸ばしたものと思われる。
・【ビルボード】ジャニーズWEST「ホメチギリスト」、シングル143,651枚を売り上げ3冠で総合首位獲得 | Daily News | Billboard JAPAN(2月6日付)より
既にチャート側もギリギリまで異変を調査してわけです(ゆえに、いつもより30分以上チャート更新が遅れたことに)。自分の疑問は既にビルボードジャパン側も理解、共有しているわけですが、今回の質問により"YouTubeに確認中"という、現在も調査中である旨を理解出来ました。
今回の件、動画再生回数がきちんと増え正しい数字だと判明したならば問題ないのですが、仮に不正操作により第三者がいくらでも再生回数を改竄出来るという脆弱性が見つかったならば、早急な改善が求められます。仮に後者だとしたら恐ろしいことですが、そうだとして早期に問題が見つかったことは好いことゆえ、問題の根が少しでも速く絶えることを願ってやみません。
ビルボードジャパンは質問に対し丁寧且つ迅速な対応をしてくださいました。この場を借りて御礼申し上げます。SNSにて疑問点が見つかり次第同社に質問される方がいらっしゃるのですが、疑問点は疑問点のまま放置せずクリアにしていかないといけないと実感した次第です。