ヒットチャートを上昇するものだけが良曲ではありません…と書くと日米のチャートを紹介するブログにあるまじき表現に思われそうですがしかし、たとえばR&Bにおいてはインディを中心に良作をコンパイルしたアルバムが毎年リリースされ、好事家の人気を集めているのです。
【★SOUL新入荷】
— ディスクユニオン北浦和店 (@diskunion_DKI) September 27, 2018
V.A. / SOUL TOGETHERNESS 2018https://t.co/gynuAABXDp
EXPANSIONレーベルから毎年恒例の贈り物!大人気『SOUL TOGETHERNESS』シリーズ最新作 ! pic.twitter.com/NfX2lVGLl0
イギリスの良質R&Bレーベル、エクスパンションによる恒例シリーズ最新版が先月リリース(アナログは今月発売)。70~80年代の良質ソウルミュージックをアップデートしたようなディスコティークやハウス寄りR&Bが並んでいる中で、個人的に気になったのがブライアン・コートニー・ウィルソンによる「One More Praise」。”Praise (賞賛)”という言葉でピンと来た方もいらっしゃることでしょう、ブライアン・コートニー・ウィルソンはゴスペル歌手。ビヨンセの父親、マシューのレーベルに所属した経緯を持ち、今年モータウン内のゴスペル部門から最新作『A Great Work』(2018)をリリース。「One More Praise」はそのアルバムに収録されています。
ゴスペルだから…と敬遠は禁物。ピアノの上モノが流麗さを加えながら、ベースが効いた極上のスムースダンサーに仕上がっています。これを聴いて、フェイス・エヴァンス「Back To Love」(アルバム『Faithfully』(2001)収録)を思い出した次第。この曲はハウスアプローチですが、繋げやすい気がします。
米ビルボードゴスペルソングスチャートを賑わせる曲も様々で、ライブレコーディングし観客の熱い想いも含めてパッケージ化したもの、クワイアが熱く歌い上げるものもあれば近年はアコースティックギターを奏でる方も。ゴスペルだからといって距離を置かず、コンセプトに合った曲を柔軟に採り入れる『Soul Togetherness 2018』はそれゆえ、良質な作品集なのです。
惜しむらくは、「One More Praise」がそのゴスペルソングスチャートに入っていないということ。『A Great Work』からは最新10月6日付にてタイトル曲が10位にランクインするのみ…これはちょっと寂しいなと。伝統的(トラディショナルな)ゴスペルを望む方が遠慮してしまうのかもしれませんが、「One More Praise」の格好良さはもっともっと評価されてほしいと思うのです。