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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

ビルボードジャパンソングスチャート、MISIA「アイノカタチ feat. HIDE(GReeeeN)」が累計3万ポイント突破

昨日発表された、最新10月1日付ビルボードジャパンソングスチャート

AKB48と刀剣男士のルックアップの件はいずれ書きたいと思います。そして今年を代表すると言っても過言ではない3曲については安定した動き。それぞれの総合ポイントの前週比はDA PUMP「U.S.A.」(3位)が104.6%、米津玄師「Lemon」が93.1%、星野源「アイデア」(5位)が101.4%。「Lemon」はCMタイアップで再度上昇した反動でマイナスに転じたものとみられますが、「U.S.A.」と「アイデア」は先週月曜の『ミュージックステーション』(テレビ朝日)でのパフォーマンスがプラスに働いた形と言えるでしょう。

 

そしてこの3曲同様、好調なのがMISIA「アイノカタチ feat. HIDE(GReeeeN)」。チャートイン翌週、8月20日付から7週連続でトップ10をキープし、最新週では9月3日付に並ぶ最高位の6位につけています。その動向をチェックしてみましょう。

※各指標について

 ・ポイント:総合ポイント

 ・ポイント前週比:前週および当週共に50位以内にランクインした場合のみ計算(50位未満は総合ポイントが表示されない)

 ・各指標

  (詳細はビルボードジャパンの自問自答 | Special | Billboard JAPANをご参照ください)

   CD:シングルCDセールス

   DL:デジタルダウンロード

   ST:ストリーミング

   RA:ラジオエアプレイ

   LU:ルックアップ

   TW:Twitter

   MV:動画再生。

 ・各指標毎順位における[-]はランク圏外、[ ](ブランク)はランクインせず。これらはCHART insight | Billboard JAPANから曲名をクリックすると確認可能

MISIA「アイノカタチ feat. HIDE(GReeeeN)」

 (8月22日シングルCD発売(7月31日先行配信)、8月20日ミュージックビデオ公開)

日付 ポイ
ント
前週
総合
順位
CD DL ST RA LU TW MV
2018/8/13 1976 23   5      
2018/8/20 3089 156.3% 10   2      
2018/8/27 3210 103.9% 7   2   40    
2018/9/3 6308 196.5% 6 20 3 6 6 12  
2018/9/10 3865 61.3% 10 27 11 3 21 9  
2018/9/17 3816 98.7% 10 26 7 2 24 10  
2018/9/24 4669 122.4% 8 21 1 2 39 8  
2018/10/1 4530 97.0% 6 27 5 2 19 8  

主題歌となったドラマ、『義母と娘のブルース』は全話2桁の視聴率を獲得し、最終回には20%近くに達しています。

ドラマの評判も高く、そのドラマとの相乗効果がチャートに反映されています。惜しむらくはTwitterYouTubeの強くなさ。Twitterについては、その名義の長さが影響しているのかもしれません。そして動画についてはランク圏外ですらないのが気になります。MISIAさんの公式YouTubeチャンネルからの配信ですが、ISRCが採番されていないのでは?と睨んでいます。

 

さて、タイアップといえばMISIAさんの前のシングルも。映画『鋼の錬金術師』主題歌となったこの曲のチャートアクションと比べてみます。

MISIA「君のそばにいるよ」

 (2017年11月29日シングルCD発売、同年11月23日ミュージックビデオ公開)

日付 ポイ
ント
前週
総合
順位
CD DL ST RA LU TW MV
2017/12/11 2045 21 37 16 39 8 26  
2017/12/18 1341 65.6% 37 22 48 21 29  
2017/12/25     89 44    
2018/1/1       50    
2018/1/8           54    
2018/1/15           63    
2018/1/22             87    
2018/1/29             75    

シングルCD発売の3日後に、主題歌として起用した映画が公開。映画と共に波に乗るかと思いきや、失速してしまいます。自分は映画未見のため内容について書く資格はありませんが、映画が当初の予想を下回る興行収入10億強とのこと。これをみるに、曲のクオリティとは別に、タイアップ先の評判や成績が曲のチャートアクションに大きく作用すると言っていいでしょう。

 

面白いのは、直近2曲のシングルに共通するルックアップの高さ。シングルCDセールスより明らかに高いのは、CDを確実に購入するコアなファンとは別に、MISIAさんのライトなファンやタイアップ先の作品を支持する方がCDレンタルを利用する傾向が高いからかと思われます。MISIAさんはデビュー20年というベテランでありデビュー時はCDバブルの真っ只中、その頃に慣れ親しんでいたライトなファンがデジタルよりフィジカルで…としてCDレンタルを利用しているのかもしれません。これも、彼女のヒットを支えている要因といえます。

 

「アイノカタチ」は総合ポイント合計が3万強であり、今週首位を獲得したAKB48「センチメンタルトレイン」1週分の7割程度ではありますが、ドラマのヒットも相俟って「アイノカタチ」の認知度や社会への影響度は十分かもしれません。ならばMISIAさんには是非とも『NHK紅白歌合戦』(NHK総合)で、それもNHKホールからこの曲を披露していただき、歌唱力の高さ、曲の良さを伝えてほしいなと思っています。チャートアクション的にも、紅白は当確といえるかもしれません。

 

 

さて次週はドラマ終了、特番主体で音楽番組減少というタイミングゆえ、今回取り上げた曲が勢いを維持できるかが見どころです。