イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

『ヒプノシスマイク』発のヒップホップが本格的な件

友人の車で流れていたヒップホップに耳を奪われShazamで調査。その曲が『ヒプノシスマイク』に用いられていることを知りました。

男性声優キャララップバトル『ヒプノシスマイク』オフィシャルサイト

ヒプノシスマイク』は、"キングレコードが手掛ける、男性声優12人によるラップバトルプロジェクト"(Wikipediaより)。先週『アフター6ジャンクション』(TBSラジオ 月-金曜18時)に登場したラッパーのKEN THE 390さんが、同作品にリリックを提供していると言っていて驚くなど。で、ヒップホップを(それほど多くはないものの)普段から聴く身には、影響源もみえてきて面白かったり。

動画の1分34秒からはじまる「シナリオライアー」(夢野幻太郎 CV:斉藤壮馬)はラップというよりポエトリーリーディング。トラックは重々しくもあれど、この声やリズムのとり方、語尾などは小林大吾さんっぽいなあと。

声優の基本的技術である滑舌の良さはラップするに違和感なく(ラップにおける大事な要素であると、RHYMESTERのみなさんが話していたのを以前聞いたことがあります)、また声質的に斉藤壮馬さんをポエトリーリーディングに充てがうのは合っている気がしますね。

「シナリオライアー」が収録されたシブヤ・ディビジョン Fling Posse『Fling Posse-F.P.S.M-』(2017)には、もはやアイドルラッパーとは言わせない、ラッパーとして日本の最前線にのし上がった氏を彷彿とさせる「3$EVEN」や、トラック面でケイティ・ペリー「Last Friday Night (T.G.I.F.)」を思わせる可愛らしい「drops」というカラフルな3曲が収録。その他"イケブクロ"や"ヨコハマ"などのバージョンもあり、しかも後者にはサイプレス上野さんがリリックを提供しているなど、制作陣も本格的なのです。

アニメだから声優だから企画モノだから...とたかをくくるのはご法度。一度聴いてみて自分のアンテナに引っ掛かったなら掘り進めるべきかと。かくいう自分が事前情報なしの"曲先行"で惹かれたのですから。