今月リリースの洋楽国内盤において、ボーナストラックながら確かな仕事を示している人たちがいます。それが日本人プロデューサー/リミキサーのInitial Talk。最新の洋楽を80年代風に落とし込むリミックスが人気を集めています。
Initial Talkの人気に火がついたのは、彼らが"勝手に"施したデュア・リパ「New Rules」のリミックスかと思われます。
米ビルボードソングスチャートトップ10入り目前となったタイミングで取り上げたのですが、最終的には6位まで上昇。
自身の名前を冠したアルバムからは現在、「IDGAF」も米ビルボードソングスチャートを上昇中(最新4月14日付では3ランクダウンし57位につけるものの赤丸)。そしてそこでもInitial Talkがリミックスを手掛けるそうで、今月25日にリリースされる国内盤の"ジャパン・スペシャル・エディション"では両方のリミックスが収録されるとのこと。
不思議なことに、昨年リリースされたオリジナルアルバム(輸入盤)は、一年という慣例を破り発売半年でレンタル解禁となっていました。もしかしたら今回のジャパン・スペシャル・エディションを見越して前倒し解禁させたのかもしれません。
これだけではありません。先週リリースされたカイリー・ミノーグのニューアルバム『Golden』にもInitial Talkが登場。先行曲「Dancing」のリミックスを手掛けています。
しかもこちらはカイリー・ミノーグの公式アカウントから発信。おそらくはカイリーの「Slow」を手掛けたことで彼女の信頼を勝ち得たのかもしれません。
なお、「Slow」のリミックスはInitial Talkのアカウントより発せられていますので、「Slow」においては勝手にリミックスを施し、それがカイリーの目に留まったのではないかと。Initial Talkによる「Dancing」のリミックスは下記国内盤のボーナストラックとして収録されています。
偶然にも、共にワーナーミュージック・ジャパンから今月リリースとなる洋楽作品に起用されたInitial Talk。勝手にリミックスした量、引き出しの多さを踏まえるに、今後活躍の幅が広がっていくものと思われます。期待したいところです。
洋楽国内盤、特に後出しデラックス・エディションについては、元のアルバムを購入した方が再度購入すると追加収録曲以外ダブってしまい、後から買ったほうが得をする/真面目なファンが損をするという構図を踏まえるに個人的には望まないやり方なのですが、洋楽国内盤のリリースが減っているだろう現状においては、日本人クリエイターの、それも歌手のお墨付きであるリミキサーの作品を国内盤に追加収録してパッケージの売上増加を図るのは必要なことかもしれません。出来るならば、カイリー・ミノーグのような当初から国内盤リリースが確約されているようなビックネームに限らず、たとえ日本での知名度がいまいちでも海外のソングスチャートや日本のラジオエアプレイが好調な方については輸入盤とほぼ同じタイミングで国内盤をリリースしていただきたい、そしてソングスチャート等が好調のタイミングで早いうちに優秀なリミックスを見つけ(もしくはリミキサーに依頼させ)、収録に至らせて欲しいと切に願います。