イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

ビルボードジャパンソングスチャートを連覇した「Lemon」にひとつだけ足りないもの

安泰、にみえます。

最新4月9日付ビルボードジャパンソングスチャート(Hot 100)はこちら。前週、シングルCDセールス2週目にして初の総合1位を獲得した米津玄師「Lemon」が、2位に3倍近いポイント差をつけての圧勝です。

「Lemon」の総合ポイント数は前週比66.9%となっている一方、前週総合2位、シングルCDセールス1位の祭nine.「HARE晴れカーニバル」が前週比10.9%とほぼ9分の1に激減したこと(今週総合39位)を踏まえれば、「Lemon」が如何に強いかは見て取れます。先週土曜にレンタルが解禁されたことも相俟ってかルックアップが首位に返り咲き、これがチャートの安定に大きく寄与した形です。

 

さて、今日注目するのはストリーミング。この指標については昨年からランキングが公表されています。

4月9日付 ビルボードジャパンストリーミングソングスチャート

面白いのは、桜ソングで今週総合ソングスチャート20位にランクインしたケツメイシ「さくら」がストリーミングでは7位にランクインしていること。時流を如実に示すのがストリーミングといえるかもしれません。そのストリーミングでは上位10曲中、総合ソングスチャートでもトップ10入りしたのが4曲。他指標の上位10曲と総合トップ10との関係をみると、シングルCDセールスが5曲、デジタルダウンロードが5曲、ラジオエアプレイが2曲、ルックアップが5曲、Twitterが2曲、動画再生が3曲、それぞれ総合トップ10と被っています。これらを踏まえるに、バランスがとれた曲が上位に進出し、留まる傾向があることを踏まえればたしかに「Lemon」は最良のチャートアクションを示してはいるのですが、それでも。

前週首位の米津玄師「Lemon」は、今週もシングル6位、ダウンロード1位、ストリーミング26位、ラジオ3位、ルックアップ1位、Twitter5位、動画再生1位の3冠で、前週に引き続き“JAPAN HOT100”総合首位を獲得した。

【ビルボード】米津玄師「Lemon」3冠で2週連続の総合首位 サカナクション「新宝島」は総合10位にジャンプ・アップ | Daily News | Billboard JAPAN(4月4日付)より

ストリーミングが唯一トップ10入りを逃し、しかも20位以内にも入っていない...定額制音楽配信サービスで解禁していないゆえ当然のことではあるのですが、これがもし解禁していたならばもはや完璧、盤石な首位固めが出来たのではないかと思うと、至極勿体無い気がするのです。チャートアクションにおいてもそうですが、曲をより広く浸透させることが出来るという意味においても。

ストリーミングについては、動画配信やデジタルダウンロードはOKとしながら二の足を踏む歌手は少なくありません。しかし弊ブログで毎週米ビルボードソングスチャートを追いかけていると、ストリーミングの影響の大きさ、またそれが日に日に強まっている様子がよく解ります。今後の影響力拡大を踏まえれば、ストリーミング解禁は前向きに考えなければならないでしょう。