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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

テイラー・スウィフト『Reputation』初週売上好調...注目は2週目以降である

定期的に追いかけているテイラー・スウィフトの件。

先週金曜にリリースされたアルバム、『Reputation』は実際のところ売れています。

昨日の記事によると、金曜からの4日間で105万枚を記録。『Speak Now』(2010)以降、4作連続での初週ミリオンを達成しており、次週12月2日付チャートでの初登場首位は勿論のこと、(次週集計期間開始となる)2018年の年間チャートで1位になる可能性が高いとみても過言ではないでしょう。

 

とはいえ、気になるのは『Reputation』からの先行曲が”低調”であること、なのです。

しかし、アルバムの発売直前にもかかわらず、初登場から3週間1位をキープした1stシングル「Look What You Made Me Do」は37位に、先日ミュージック・ビデオが公開された2ndシングル「…Ready For It?」は先週の19位から30位に、それぞれランクダウンしている。先行配信された「Call It What You Want」は今週27位に初登場したが、4位にデビューした「…Ready For It?」、初登場13位だった「Gorgeous」(今週85位)と比較すると、反響が薄くなってきている印象を受ける。おそらく、アルバムの発売日が近かったため、それまで待とうというファンがほとんどかと思われるが、シングル曲の不発がどうアルバムの売上に反映するのか、結果は蓋を開けてみるまで分からない。

【米ビルボード・ソング・チャート】ポスト・マローン&21サヴェージvsカミラ・カベロ、首位争いを制したのは? | Daily News | Billboard JAPAN(11月15日付)より。なおシングル名をカタカナから英語表記へ、勝手ながら変更させていただいています。

「Gorgeous」は初登場13位から68→85位へ、前週ミュージックビデオ公開に伴うストリーミング増で46→19位となった「...Ready For It?」は30位に後退。初登場から3週連続首位を記録した「Look What You Made Me Do」はわずか12週目で既に37位...これらを踏まえるに、いくら「Look...」がチャート1位を獲得したとはいえ、シングル曲群が支持を集めているとはとても言い難い状況です。先日のテイラーに対する私見エントリーがより説得力を帯びたのでは、と思ってしまいます。

 

先日のエントリーで自分は、今回のテイラーのアルバムが『2週目以降に失速するのでは』と書きました。初週は彼女のファンがこぞって購入するでしょうが、シングルヒットがなければファン以外の方がアルバムへの興味を持つとは考えにくく、ゆえに2週目以降勢いを維持することは厳しいというのがその理由。おそらくは、発売直前になって見合わせたアルバムのストリーミングを”解禁”することでユニット数を伸ばすようにもっていくでしょうが(ストリーミングポイントは米ビルボードアルバムチャートに反映されます)、その直前の見合わせ施策もまたテイラーファン以外からの不信感を招いている気がしてなりません。今作はアデルのアルバム『25』(2015)の発売5週目以来となるセールス週間100万超えということですが、『25』は発売1,2週目にミリオン(初週はトリプルミリオン)を達成し、中2週を挟んで5週目にセールスが再浮上していることから、『Reputation』が『25』のような動きをみせるか、それとも日本のアイドルのシングルセールスのような動きになるか...少なくとも年内は追いかけてみないといけませんね。