三浦大知さんが今年の春にリリースしたアルバム『HIT』が”めちゃイケ”効果でビルボードジャパンアルバムチャートに再浮上したことは先週お伝えしました。
そして”めちゃイケ”放送後の月曜からの一週間を集計期間とする、最新10月30日付ビルボードジャパンアルバムチャートで、ついに。
三浦大知『HIT』は『CDセールス46位、ダウンロード3位、ルックアップ30位と、ネット上のバズが反映されやすいデジタル・セールスを浮力に総合アルバム9位までアップ』(記事より)。見事な返り咲きを果たしましたね https://t.co/DLOlBJvKik
— Kei / BreastKonaka (@Kei_radio) 2017年10月25日
トップ10への返り咲きは実に30週ぶりというのですから驚きです。が、今回が初登場週に次ぐ2週目のトップ10入りというのは、内容の充実度合いからすれば寂しいところ。もっと評価されていい作品だと思います。
そしてめちゃイケ効果はビルボードジャパンのソングスチャートにも。
そしてソングスチャート上位50位以内に、三浦大知『HIT』から3曲がチャートイン。これもめちゃイケ効果ですね https://t.co/XXP35LAGVR
— Kei / BreastKonaka (@Kei_radio) 2017年10月25日
「(RE)PLAY」が前週90位から17位にジャンプアップしたほか、「EXCITE」が同68位から26位に、そして「Cry & Fight」は31位に再登場を果たしています。面白いのは、ソングスチャートの構成指標のひとつである国内動画再生回数においては、「(RE)PLAY」が7位、「Cry & Fight」が8位、そして「EXCITE」が17位となっており、ダンスが魅力的な動画がこぞって上位進出したことで”めちゃイケ”効果が如実に表れた形と言えるでしょう。ダウンロードやストリーミングのみならず(ストリーミングの一種ではありますが)動画再生回数でも上位に来ていることで、これらデジタル面での強さが見事にチャートに反映されています。
CDセールスと分けてカウントしているオリコンのデジタルアルバムランキングでも『HIT』はトップ3入りを果たしています。
三浦大知、“めちゃイケ”効果で「(RE)PLAY」収録アルバム『HIT』がオリコン週間デジタルランキングでTOP3入りhttps://t.co/KKF8HxV7Wx pic.twitter.com/7QlK9lE82j
— M-ON! Press (@mon_press) 2017年10月24日
ビルボードジャパンとオリコンの差、ならびにどちらを重視すべきかという私見は先週のブログを拝見していただきたいと思います。
さて、今週オリコンCDセールスランキングでもビルボードジャパンアルバムチャートでもトップに立った嵐『「untitled」』について思うところが。上記ビルボードジャパンの記事には『ダウンロード・ポイントのブランクを補って余りある総合ポイントを稼ぎ、“Hot Albums”の首位に立った』と表記されており、また画像使用禁止ゆえか同チャート紹介ツイートにはジャケット写真が掲載されていません。嵐が所属するジャニーズ事務所の方針がネットに懐疑的なのはよく知られたところではありますし、事務所方針を撤回しろとは言いません。しかしながら、たとえば三浦大知さんについてはこのような記事が”海外発信”されているのです。
Watch Japanese guitarist @MIYAVI_OFFICIAL, dancer @DAICHIMIURAinfo in 'Dancing With My Fingers' https://t.co/grNdCTTzrv
— billboard (@billboard) 2017年10月25日
この記事は、ビルボードジャパン掲載記事の米ビルボードへの”輸出”であり、三浦大知さんやMIYAVIさん等の簡潔なバイオグラフィーも添えられています。ネット時代において世界の音楽にアクセスしやすくなり、海外から日本の音楽に興味を抱く方も増え、”音楽の国境”が取り払われつつある現在において、他方で嵐の今作に限らず所属事務所側の配信禁止措置により海外発信出来ない、そして写真禁止で情報の流布が出来ないというのはものすごい機会損失ではないかと思ってしまいます。仮に事務所側がドメスティックな商圏にこだわるのだとしても、音楽の聴かれ方が変わりつつある現状に対処しようとしない姿勢にも捉えられかねません。退社したSMAPの3人が立ち上げた新しい地図がネット発信を開始しフレキシブルな動きをみせることで、事務所の”旧時代的な方針はよりはっきりしてしまったように思います。先週触れたオリコンに対する違和感(そしてそれを重視するメディア)と同様の感情を、今週のアルバムチャートから抱いた次第です。今からでも遅くありません、優秀な人材や才能が豊富に揃っているだけに、一度でもいいからデジタル解禁を検討材料にしていただきたいと強く思います。そうしてデジタルを頑なに拒否している間に、三浦大知さんをはじめブログで以前取り上げたSKY-HIさんやw-inds.などはどんどん躍進しているのです。