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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

米ソングスチャート、「Rockstar」が盤石の体制へ

ビルボードソングスチャートを定点観測。 現地時間の10月23日月曜に発表された、11月4日付最新チャート。先週頂点に立ったポスト・マローン feat. 21サヴェージ「Rockstar」が首位をキープしました。

記事は下記に。

そしてトップ10はこちら。

トップ3は変わらずも、1位と2位で勢いに差が。「Rockstar」はストリーミングで前週比6%アップし同指標で首位をキープ、デジタルダウンロードも同14%上昇しました。ヒップホップが弱いとされるラジオエアプレイでは同37%もの大幅アップで26位につけ、全指標で伸ばしています。他方先週首位の座から陥落したカーディ・B「Bodak Yellow (Money Moves)」(今週2位)は遂にラジオエアプレイでも前週比マイナスとなり、曲のピークは完全に過ぎた模様です。

(ちなみにストリーミングにおいて、「Rockstar」の動画にとある”トリック”があり、それらを見越してかビルボードでは翌年(翌年度?)よりストリーミング指標の改定を予定しています。詳細は米ビルボード、チャートに反映されるストリーミングの中身を精査へ(10月20日付)に記載。2018年(度)からは少しチャートアクションに変化が生まれる模様です。)

 

4位にはポルトガル・ザ・マン「Feel It Stlll」、5位にはイマジン・ドラゴンズ「Thunder」と、トップ5内にロックバンドが2曲ランクイン。ロックチャートにランクインする曲が2曲トップ5入りする例はなんと1年ぶりであり、トゥエンティ・ワン・パイロッツ「Heathens」および「Ride」が昨年9月10日付で4位と5位につけて以来となります。しかも”異なるバンド”でとなるとなんと今から10年前の2月17日付、フォール・アウト・ボーイ「This Ain't a Scene, It's an Arms Race」(3位)およびドートリー「It's Not Over」(4位)以来...デジタルの興隆後、ロックがチャートインしにくい状況かもしれませんが頑張っていただきたいものです。

ちなみに、ロックはストリーミングに弱いと言われているのですが、「Feel It Still」は同指標で26位に、「Thunder」は同じく21位に上昇しています。ヒップホップにおけるラジオエアプレイ同様、ロックがストリーミングでどこまで伸ばせるかがチャート躍進の鍵となるはず。なおオルタナティブソングスチャートでは「Thunder」が、17週1位を続けていた「Feel It Still」から首位の座を奪っています。

 

デミ・ロヴァートが「Sorry Not Sorry」で自身最高位となる7位にランクインするなどのトピックがみられた今週のトップ10。この中で最も派手な動きというか、急降下したのがテイラー・スウィフト「Look What You Made Me Do」(10位)で、6ランクもダウンしてしまいました。ポップソングスチャートでは前週の首位から6ランクダウンの7位となり、同チャートにおいてこの四半世紀で、前週の首位から最も急激なダウンを記録したという不名誉な記録となりました。ラジオエアプレイでも前週5位から20位へと急降下し、トップ5からの下降幅においてはラジオエアプレイのチャート(ラジオソングスチャート)が始まった1990年以降最大となっています。来月リリースされるアルバムから「...Ready For It?」(今週総合52位)との兼ね合い、更に次週上位への登場が予想される「Gorgeous」とのバッティングもあるかもしれませんが、それにしても今回の急降下は今後のキャリアの上で重要なポイントとなるかもしれませんね。

 

今週新たにトップ20入りした曲は下記に。

・グッチ・メイン feat. ミーゴス「I Get The Bag」(24→11位)

・ピンク「What About Us」(23→13位)

エド・シーラン「Perfect」(22→18位)

・カミラ・カベロ feat. ヤング・サグ「Havana」(26→20位)

「Havana」はミュージックビデオが24日に公開。ピンクは11月4日付アルバムチャートで『Beautiful Trauma』が首位を獲得したことにより勢いを増しています。先述したテイラー・スウィフト「Gorgeous」も含め次週のチャートアクションに注目したいところですが、まずは「Rockstar」が首位をキープするだろうとみています。