イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

サウンズ・オブ・ブラックネス「Optimistic」リミックス名から考えた命の"軽さ"への不安

”死ぬなんていう言葉をそう簡単に使うなよ!”という台詞を残したのは金八先生ですが、最近命を軽んじる言葉が巷に溢れているように思うのです。

 

先週中古CDが安かったので掘ってきたのですが。

https://www.instagram.com/p/BZLnLCNnFvd/

この中の『I Love R&B Premium Groove』に収録されていたのが、チャンス・ザ・ラッパーきっかけで今年再びヒットしたサウンズ・オブ・ブラックネス「Optimistic」のリミックス、「Optimistic (12" Never Say Die Mix)」。オリジナル版はブログでも取り上げました。

オムニバスにクレジット記載がないためサンプリング音源が定かではないのですが、ランDMC「Peter Piper」っぽい音をミックスしてよりヒップホップ/R&Bライクに仕上げています。

 

さて、このリミックスに使われている言葉が"Never Say Die"...死ぬって言うなという強い表現にドキッとさせられるのですが、残念なことには金八先生が必死になるくらいに自死を選ぶ人は増えています。選ぶ勇気はないけれど心の何処かでいつかは...と望む人もいるかもしれません。そういう人向けにこのリミックスが生まれたのではと考えています(尤もそのような強い表現が逆に相手の心を閉じさせかねないという不安もあるのですが)。

でも、死ぬって言う人がいるのと同じくらい、いやそれ以上に、死ねとか殺すという人がいるような気がしてなりません。ゆえに、悩みを打ち明けられず(打ち明けたところで罵倒されかねないなどと考え自らブレーキをかけてしまう)、最悪の手段を選んでしまう人は少なくないのでは?と思うのです。

死ねなどという表現は、直接相手に用いられることもあります。たとえば最近Twitterのアカウントが凍結された著名ジャーナリストは、自身への非難にそのような表現を多用していたと聞きます。そういった表現は論外だと思うのですが、たとえ直接的表現じゃないとしても、実は最近の日本語に命を軽視するもしくは命を落としかねない事項を取り入れた言葉が少なくないように思うのです。【ゲリラ豪雨】【飯テロ】【帰宅難民】【(長期間留めさせるという意味での)拉致】【原作レイプ】…外国語にもそういう言葉はあるかもしれませんが、このような言葉が安易に登場するようになった日本語に驚くと共に、元来の意味を考えようとせず安易に用いる日本に大丈夫なのかと思うことが増えています。せめて自分は、これらの命を軽んじるような言葉を用いないように心に決めています。

 

 

「Optimistic」を聴いて心を軽やかにし、自死を思わせる言葉も相手を壊しかねない言葉もそして命を軽んじるような言葉も使わなくて済むような人が増えることを願うばかりです。