Perfumeが今週リリースしたシングル「If you wanna」が痛快なのです。
サビにほとんど歌詞を配さない仕様、および尺の短さ(なんと2分44秒!)が【現行EDM】を押さえつつ、彼女たちらしい【可愛らしさを同居】させている楽曲。流石は中田ヤスタカ氏による仕事、と唸った次第。
さて、女性歌手による、曲名に”wanna”が付いた作品は何気に少なくないので、今日はその中からいくつかを紹介しましょう。
・エリーシャ・ラヴァーン「Don't Wanna Fall In Love」(from『Remix EP』(1997))
日本からグローバルなR&Bアクトを生み出そうと、avexから登場した(と記憶する)のがエリーシャ・ラヴァーン。1992年にジェーン・チャイルドが放ったスマッシュヒットをカバーしたこの曲は”NJS Mix”と表記されているように【ニュージャックスウィング】をブレンドした仕様に。
・ブランディ「I Wanna Be Down」(from『Brandy』(1994))
ブランディの記念すべきデビューシングル。当時若干15歳ながら90年代流【ファンク】を堂々と歌いこなす姿には驚かされたものです。プロデューサーのキース・クラウチはブランディの弟、レイ・Jのデビューアルバム(1997)収録曲「Everything You Want」(→YouTube)も手掛け、姉弟をファンカーに仕上げる立役者に。
・マライア・キャリー「I Don't Wanna Cry」(from『Mariah Carey』(1990))
マライア・キャリーのデビューアルバムに収められた【マイナー調】の名曲で全米1位を記録。しかしながら、ベストアルバム『#1s』(1998)の国内盤ではこの曲がなぜか未収録に。地味だからなのかもしれませんが、こういうタイプの楽曲(「My All」(→YouTube)など)こそ彼女の真骨頂だと思うんですよね。
・青山テルマ feat. VERBAL (from m-flo)「WANNA COME AGAIN」(from『Emotions』(2009))
2001年1月にリリースされたm-flo「come again」を、m-floのVERBALを招いて【カバー / 再解釈】。青山テルマさんといえばSoulJaとの「そばにいるね」(2008)のイメージが強いのですが、清水翔太さん提供&客演による「stay」(2015)は同年の私的年間ベストに取り上げたほど好きな曲で、陰と陽、パーティソングからバラードまで実は器用に歌いこなせる方なのだと実感します。
・安室奈美恵「Don't wanna cry」(from『SWEET 19 BLUES』(1996))
ブラックミュージック、それも【ゴスペル】色の強い作品。収録されたアルバムはトリプルミリオン突破という金字塔を打ち立てました。後に彼女は小室哲哉さんの元を離れますが、その後の彼女がR&Bに移行したことを考えれば、この曲およびアルバムでのブラックミュージックとの出会いが大きなきっかけとなったのかもしれません。
・Tomato n' Pine「ワナダンス!」(from『PS4U』(2012))
聴くと心も身体も踊ること間違い無しの【ディスコティーク】オマージュ。この曲への思いはトマパイ”散開”と、「ワナダンス!」という黒き傑作 - face it(2012年11月17日付)で記載しています。解散ならぬ”散開”はもう5年も前の出来事なのですね。ちなみにアルバムに収録されたこの曲の”strike the pose remix"(→YouTube)はマドンナ「Vogue」(→YouTube)を踏襲したこれまた傑作。
・カーリーン・アンダーソン feat. ポール・ウェラー「Wana Be Where You Are」
(from カーリーン・アンダーソン『Soul Providence』(2005))
最後はデュエット作ではありますがあまりに素晴らしいのでご紹介。元ヤング・ディサイプルズのカーリーン・アンダーソンがあのポール・ウェラーを迎えて挑んだのがジャクソン5の名曲(→YouTube)のカバーで、【大人の余裕】を醸し出しています。”僕が君のそばに行きたい!”と溌剌と言うのが若きマイケルならば、”いつでも貴方の傍にいる”と優しく微笑みかけるような、そんな感じがします。
そんなわけで、女性陣による”Wanna”ソングを紹介しました。気になった曲があれば是非チェックしてみてください。