米ビルボードソングスチャートを定点観測。
現地時間の8月14日月曜(日本時間の火曜早朝)に発表された、8月26日付最新チャート。ルイス・フォンシ&ダディー・ヤンキー feat. ジャスティン・ビーバー「Despacito」が14週目の首位を獲得し、首位獲得週で歴代2位タイとなりました。
記事は下記に。
#Despacito ties for second-longest-leading #Hot100 No. 1 of ALL time 🐐 https://t.co/ZUR9e3GhUR pic.twitter.com/Tl3I4yLorf
— billboard (@billboard) 2017年8月14日
そしてトップ10はこちら。
「Despacito」強すぎます。非英語曲(ただし一部使用ですが)に限って言えば、ロス・デル・リオ「Macarena (Bayside Boys Mix)」と並び歴代1位タイに。これまで14週1位を獲得している曲をおさらいすると。
・マーク・ロンソン feat. ブルーノ・マーズ「Uptown Funk!」(2015)
・ブラック・アイド・ピーズ「I Gotta Feeling」(2009)
・マライア・キャリー「We Belong Together」(2005)
・エルトン・ジョン「Candle in the Wind 1997 / Something About the Way You Look Tonight」(1997-1998)
・ロス・デル・リオ「Macarena (Bayside Boys Mix)」(1996)
・ボーイズIIメン「I'll Make Love to You」(1994)
・ホイットニー・ヒューストン「I Will Always Love You」(1992-1993)
これら強烈な面子に「Despacito」は並んだわけです。しかしこの上はとなると唯一、マライア・キャリー&ボーイズIIメン「One Sweet Day」(1995-1996)のみが16週1位を記録。”15週”の壁は厚いのですが、果たして「Despacito」はその壁を打ち破り、更には前人未到の16週超えを達成することが出来るでしょうか。
...私見を前置きした上で書くならば、可能性は十分でしょう。「Despacito」はチャート構成3指標のうち今週は2つで1位を獲得。そしていずれの指標もあまり減らしてはいないのです。デジタルダウンロードは82000で前週比3%ダウン、ストリーミングは4940万で同1%ダウン。実は先週先々週と2週続けて、デジタルダウンロードが10%以上のダウンを続けていたため、このタイミングで持ちこたえていることに驚きました。他方ラジオエアプレイでは首位の座をDJキャレド feat. リアーナ&ブライソン・ティラー「Wild Thoughts」に明け渡したものの前週比4%ダウン(1億3460万)に留まっています。他方、「Wild Thoughts」はラジオエアプレイで首位を獲得したもののその差はわずか50万であり、全指標の合計において両者の差は前週とほぼ変わらず、「Despacito」のポイントは「Wild Thoughts」のおよそ1.46倍となりかなりの差が生じる結果に。また先週から3位をキープしているフレンチ・モンタナ feat. スウェイ・リー「Unforgettable」はラジオエアプレイで数値を落としており勢いがそこまで強くないことから、「Despacito」のライバルは未だ不在ではないか...と考えるのが自然でしょう。
では今最も勢いがあるのは誰か?となると、28→14→8位とジャンプアップしたカーディ・B「Bodak Yellow (Money Moves)」かもしれません。
女性ラッパーによるメジャーデビューシングルのトップ10入りは、イギー・アゼリアがチャーリーXCXを客演に迎えた「Fancy」(2014)以来の快挙。また同じく女性ラッパーによる”客演なし”作品でのトップ10入りはニッキー・ミナージュ「Anaconda」(2014)以来というのですから、彼女の勢いの凄まじさを感じます。ストリーミングは前週比28%もの大幅増で3140万、デジタルダウンロードは同8%アップの23000、そしてラジオエアプレイはこちらも同47%の大幅アップで3200万となっています。
無論、これらの数値は「Despacito」と比べてかなり低いのですが、そろそろチャートに嵐を起こしてほしいという期待が、もしかしたらこの曲の勢いを加速させているのかも...というのはちょっと考え過ぎでしょうか。しかしネットセレブの仲間入りを果たした後にラッパーになった彼女(詳細はbmrのデータベースを参照)に、出自にこそもしかしたら賛否両論あるかもしれませんがチャートをかき回してくれると面白いという期待を込めたくなる人もいるはず。次週どこまでジャンプアップするか、見ものです。