イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

【(プレイリスト) Diggin'】オリジナルアルバムに様々な理由で未収録となった曲達

昔行っていたシリーズ、【Diggin'】を復活することにしました。たとえば1時間のラジオ番組があるとしてその中で特集を組むとしたら、その週にリリースされた作品から一つを選びちょっと広く、ちょっと深く掘ってみたいと日頃考えており、その架空コーナー名を”Diggin’(掘り下げる)”と名付けた次第。

 

 

さて復活第一回目は、今日全世界同時発売となる、著名DJカルヴィン・ハリスによるニューアルバム『Funk Wav Bounce Vol.1』について。プレビューも非常にお洒落、そして今回はR&B/ヒップホップに特化したサウンドとなっているのです。

が、R&B/ヒップホップ特化したゆえ、昨年リリースしたあの大ヒット曲が未収録に終わっているのが個人的には非常に残念だったり。そこで、ニューアルバムを気に入ったならばこっちにも耳を傾けて欲しい(ですし、逆もまた然り)という思いを込めて、埋もれてしまいそうなシングル曲にもっと光を当てたいという意味も含め、【オリジナルアルバムに様々な理由で未収録となった曲達】と題し、以下に取り上げてみます。

 

 

カルヴィン・ハリス feat. リアーナ「This Is What You Came For」(2016)

R&B/ヒップホップという【アルバムのコンセプトに合わない】ためか、未収録に終わった楽曲。個人的に、昨年の洋楽の中でトップクラスに聴いた曲ゆえ残念ですがアルバムカラーを考えればやむなし、ですね。全米最高3位。昨年同じくリリースされた、本人歌唱の「My Way」(全米24位)も未収録となっています。

 

・アッシャー「Good Kisser」(2014)

音数を極度に抑えながらファンキーに仕上がったナンバー。米ビルボード総合ソングスチャートでは65位とヒットに至らなかったためか、直後に予定されていたアルバムは延期。後にリリースされた『Hard II Love』(2016)には未収録に終わりました。つまりは【アルバムの先行シングルとしての成績が芳しくなかった】ため未収録に。ただし国内盤ではボーナストラックとして収録。この曲はまだ救われているほうで、全米11位且つ全英8位とスマッシュヒットとなった、ジューシー・Jをフィーチャーした「I Don't Mind」(2014)は国内盤にすら未収録なのです。アルバム『Hard II Love』については以前ブログに記載しています。

 

・モニカ「All Eyez On Me」(2002)

同年リリース予定だった、同名アルバムからの先行シングル。マイケル・ジャクソン「P.Y.T.(Pretty Young Thing)」を使ったもののヒットせず、更には権利関係のトラブルがあったと聞きます(プロデューサーはマイケルのアルバム『Invincible』(2001)に関わったロドニー・ジャーキンスゆえ、権利等はスムースにクリアしたものとばかり...)。結局アルバムは日本のみの発売にとどまり、翌年の出し直し盤、『After The Storm』リリース時にはこの曲の収録が見送られることに。アッシャーと同様の理由に加え、【権利関係の問題】も見受けられます。

ちなみにその?マイケル・ジャクソンにも似た曲が。ただしこちらはシングルリリースがないためお蔵入りという状況ですが。

没後、アルバム「Michael」にて初めて日の目を見た作品。元来はモンスターヒットとなった『Thriller』に収録予定だった、Yellow Magic Orchestraの同曲を元とした歌詞有りカバーバージョン。未収録となった理由を検索すればいろいろ出てきますが、おそらくはモニカと同様の理由かと。

 

ブルーノ・マーズ「It Will Rain」(2011)

映画『トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーン Part1』のサウンドトラックに収録され全米4位を記録。しかしこの曲、前年リリースのファーストアルバム『Doo-Wops & Hooligans』、そして翌年リリースとなる『Unorthodox Jukebox』共に未収録となっています。カルヴィン・ハリス同様、アルバムのコンセプトに合わないと判断してのことかもしれませんしまた【サウンドトラック用の楽曲はオリジナルアルバムに収録しない】という決まりがあったのかもしれません。映画関連では他にも、たとえばアデル「Skyfall」(映画『007 スカイフォール』主題歌)も、後にリリースされた『25』には未収録となっています。

 

松任谷由実 小田和正 財津和夫「今だから」(1985)

オリジナルはこちらに。今年に入り、野口五郎さんがアルバム『風輪』の中で、信近エリさん、小野賢章さんを招いてカバーしています(ここでの信近エリさん、いい仕事してますね。『風輪』はApple Musicで聴取可能)。以前もこの曲が”オリコンシングルチャート1位曲で唯一の未CD化”であることを伝えましたが、今も状況は変わらず。

この曲が制作された理由は判りかねますが、おそらくは【後のオリジナルアルバム収録が何かしらの理由で叶わなかった】ということかもしれません。今後、たとえば松任谷由実さんにコラボレーションアルバムをリリースしていただき、その際収録して欲しいと切に願います。

 

 

オリジナルアルバムに漏れた曲でも、後からベスト等アルバムに収録されるものも少なくないでしょう。まずは漏れがあるとしてもその歌手のオリジナルアルバムを手に取り、聴いていけば、漏れた曲以外にもいい曲が沢山見つかるかもしれませんね。