イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

昭和歌謡感漂う、平成の”虫の歌”三撰

昨日の『わがままWAVE It's Cool!』(FMアップルウェーブ 日曜17時 サイマル放送で全国どこからでも聴くことが出来ます)、お聴きくださった皆さん、ありがとうございます。6月4日が”ムシ”という語呂合わせから、音楽特集では単純明快、虫もしくは虫の名前が入った曲をお送りしました。

リクエストいただいたチェリッシュ「てんとう虫のサンバ」は昭和の結婚式の定番曲でしたが、昨日おかけした曲の中には”昭和の匂いのするJ-Pop”も少なくなかったので、備忘録の意味を込めて紹介します。

 

 

森山直太朗「よく虫が死んでいる」(2013)

ベストアルバム『大傑作撰』(2016)、初回限定盤ボーナスディスク”土盤”収録。Apple Musicのリンクは下記に。

世間が彼に対して最も強く抱いているであろう正統派な名曲を紡ぐ者としてのイメージ(「さくら(独唱)」「夏の終わり」等)とは一線を画するこういう歌詞世界、加えるならばベストアルバム未収録の「うんこ」のような曲もまた彼の真骨頂なのではと。面白いのは、「よく虫が死んでいる」がアリス「チャンピオン」+渡辺真知子かもめが翔んだ日」という昭和歌謡の大名曲群を彷彿とさせる点。それも、結構はっきりと意識出来るのになんだか許せてしまうのは、歌詞の脱力感の高さゆえ、でしょう。

ちなみに【よく虫が死んでいる Wiki】でYahoo!検索するとカメムシ、擬死、ケラ...の順に登場します(いずれもWikipediaページ)。曲の情報よりも、よく死骸を見かける虫が優先して登場するということなんですね。

 

・ベッド・イン「消えちゃうパープルバタフライ」(2015)

シングル「♂×♀×ポーカーゲーム/消えちゃうパープルバタフライ」収録。Apple Musicのリンクは下記に。

今や飛ぶ鳥と男共を手玉に取るベッド・インによる、インディーズ時代のシングル曲(メジャーデビューアルバム『RICH』には「消えちゃうパープルバタフライ」は未収録)。レーベルのホームページには『アナログシンセ感満載の切ない音にWink風のボーカルアレンジが涙と笑いを誘う』とありますが、エロ面白いことやっていてもオケが(たとえチープでも)しっかりしていれば実に格好いいという好例。Winkと例えるだけあって、昭和後期(というか平成はじめ頃)を思い出させますね。

 

米米CLUB「虫の息」(1995)

アルバム『SORRY MUSIC ENTERTAINMENT』収録。Apple Musicのリンクは下記に。

イントロからして溢れ出る昭和歌謡感、歌詞に出てくるフォークソングの曲名や有名曲の歌詞の(おそらく勝手な?)引用...森山直太朗さんのときにも書きましたが、「君がいるだけで」や「愛はふしぎさ」「浪漫飛行」という世間が最も強く抱いているであろうイメージではない、こういうコミックソング的要素こそ彼らの真骨頂ですよね。それにしても歌詞の終わりに北の国名が出てくるとは(そしてその国との関係が当時も今も変わっていない、もしくは更に悪化しているのには苦笑いしきり、なのですが)...そして今にも呼吸が絶えるかもしれないという意味なのに、あまりにも力強く連呼される”虫の息”というフレーズにはスタッフ一同笑ってしまいました。昨日は番組が終わってもずっと、虫の息の連呼が脳内ループしていたのは言うまでもありません。

 

 

そんな変な?曲達を今回セレクトしたのはメインセレクターであるフレッシュフグササキさん。ササキさん曰く、”世界一変な選曲をする番組です!”とのことなので、それを自負に今後も楽しんでお送りしていきます。よろしくお願いします。