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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

米ソングスチャート、ジャスティン・ビーバー参加曲が2週連続で首位に到達

ビルボードソングスチャートを定点観測。

現地時間の5月15日月曜(日本時間の火曜早朝)に発表された、5月27日付最新チャート。先週1位発進した、DJキャレド feat. ジャスティン・ビーバー、クエヴォ、チャンス・ザ・ラッパー、リル・ウェイン「I'm The One」は1週で陥落し3位へ。代わって首位の座を射止めたのはルイス・フォンシ&ダディー・ヤンキー feat. ジャスティン・ビーバー「Despacito」でした。

記事は下記に。

そしてトップ10はこちら。

 

まさに"ジャスティン・フィーバー"。ジャスティン・ビーバー参加曲が2週連続で首位に立つのですから、ジャスティン様様ですね。

「Despacito」はストリーミング(5430万回、前週比14%上昇)、デジタルダウンロード(104000、先週比4%上昇)の3指標中2つでトップに。ダウンロードのうち73%がジャスティン参加バージョンというのですからジャスティン人気の凄さが解ります。ラジオエアプレイもここにきて7ランク上昇し11位へ。前週比17%の上昇とのことで、こちらの指標で伸びれば次週以降安泰かもしれません。

ちなみにここに至るまで、ケンドリック・ラマー「Humble.」(5月6日付)→ブルーノ・マーズ「That's What I Like」(5月13日付)→DJキャレド等「I'm The One」(5月20日付)→「Despacito」と、4週連続で首位が交代。1990年秋の7週連続以来となる交代劇ですが、次週「Despacito」を揺るがす存在は見当たらないと思われます。なお、1990年の毎週交代劇に終止符を打ったのはマライア・キャリー「Love Takes Time」。1990年11月10日付で首位に立って以降、3週連続1位をキープし連続交代劇が潰えました。

また、「Despacito」の首位獲得により、実に8曲連続で男性が首位の座を射止めるという現象が。過去7曲については下記に。女性陣に頑張って欲しいと切に願います。

 

ルイス・フォンシとダディー・ヤンキーにとっては初の全米制覇、ジャスティン・ビーバーは5曲目の首位獲得となる「Despacito」。ホットラテンソングスチャートではリミックス登場前から首位の座を射止め、最新週で15週連続の首位を獲得したこの曲ですが、主にスペイン語で歌われた曲が総合チャートでトップに上り詰めたのはロス・デル・リオ「Macarena (Bayside Boys Mix)」以来実に21年ぶりなのです。

しかしながら?双方の曲にはわずかながら英語が登場...ゆえに、全てスペイン語で貫き通された曲での全米制覇となると、ロス・ロボス「La Bamba」(1987)ただ一曲しかないということに。

「Macarena」も「Despacito」も元来オリジナルバージョンが存在し、リミックスによってわずかながら英語が足された形になったのですが、そのリミックスバージョンが大ヒットに至ったという次第。「Despacito」はリミックスバージョンが加算される以前は44位が最高、そして「Macarena」は、実はオリジナルバージョンのリリースがリミックスバージョンによるチャート制覇の前の年であり、その際の最高位は45位。ニューヨークのラジオ局、WKTUがリミックスバージョンの人気に火をつけたと言われています。

 

一方、1週天下に終わったDJキャレド等による「I'm The One」はデジタルダウンロードで前週比53%、ストリーミングでは同15%の大幅ダウン。ラジオエアプレイでは一気に53%上昇し5400万回オンエアされ同部門で14位につけていますが、ラジオエアプレイの伸びがもっとあれば(それこそ「Despacito」の5700万回を上回っていれば)、首位の座をキープ出来ていたのかもしれません。ブルーノ・マーズ「That's What I Like」のラジオエアプレイは175万回、前週比1%上昇しており総合で2位をキープしているのですから、「Despacito」「I'm The One」がラジオエアプレイでどこまで伸び、他指標を補完出来るかがロングヒットの鍵と言えそうです。

 

 

次週はおそらく「Despacito」が数字的にがっちりと首位固めしてくる予感がします。