最新5月15日付のビルボードジャパンソングスチャート(Hot 100)において、星野源「恋」が前週の12位から7位に再浮上、トップ10内に返り咲きました。
ロングヒットといえば星野源「恋」。こちらは動画1位、ダウンロード9位、ルックアップ5位と、3指標のポイントが牽引する形で総合7位と、前週12位からトップ10圏内に返り咲きを果たした。
・【ビルボード】V6「COLORS」初登場で総合首位 ダウンロードが急伸しバンプ「リボン」は総合2位 | Daily News | Billboard JAPAN(5月10日付)より
総合ポイント数は4828。前週が3864だったため、1000ポイント近くも急伸した形です。各指標毎の順位を見ると動画再生回数は変わらず1位ですがその他の指標がいずれも上昇。PCによるCD読取数は6→5位、Twitterで歌手と曲名の両方をツイートした回数は19→12位、CDセールスやデジタルダウンロード、ストリーミングの合算では25→16位、そしてラジオエアプレイでも61→51位となっており、それらが総合チャートでの押し上げにつながった形となりました。これは今週月曜に自分が指摘した予想が当たった形に。
エントリーにて上昇の要因として取り上げた『おげんさんといっしょ』(NHK総合 5月4日放送)が主にネットにて爆発的な反響となっているのです。
番組放送中のツイート数およびツイートした人数は星野さんが出演した『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)の最終回より多く、またその高いツイート数の理由を『制作者と星野源自身によるソーシャルメディアの上手な活用』(記事より)にあるとして分析しています。たしかにこの番組、放送日の1時間ほど前からTwitterでトレンド入りを果たしていたはずで非常に珍しい事象だと思っていたのですが、『星野源が自身でクロスメディア的なプロモーションを行なっていること』『彼のツイッターアカウントを軸に、ラジオとテレビの間を行き来』(いずれも記事より)したことが功を奏し、放送前からの爆発につながったのかもしれません。そして放送の高い満足度がYouTubeでの視聴等にもつながったと考えるのは自然であり、ビルボードジャパンソングスチャートの再浮上も納得出来ます。
とはいえ、そこまでTwitterで爆発したのであるならば、チャートのTwitter指標が12位というのはちょっと低すぎるなという印象があります。
Twitter指標にてカウント対象となるのは『楽曲とアーティスト名のツイート回数』(Google Play Musicの再生数がBillboard JAPANチャートに合算スタート | Daily News | Billboard JAPAN(2月8日付)より)であり、もっと細かく見ると。
データ計測で最も信頼出来るのは、日本唯一のTwitterデータ再販パートナーとして、膨大なデータ全ての提供を受ける株式会社NTTデータでした。 そこで問題になったのは抽出のアプローチです。
ツイート全体から楽曲名だと、重複楽曲名を識別出来ず、アーティスト名だけだと楽曲チャートに加えるロジックが有りません(実際やってみました)。そこで、楽曲とアーティスト名共に全文/部分一致しているツイートのみを抽出することにしました。以前の方法よりも抽出総数は減りましたが、類推や作為が入らないためにはこれが一番だったのです。
上記リンクにおけるリニューアルのタイミングは2013年のものですが、Twitter指標のポリシー自体は現在までに変わっていないものと考えます。つまり1回のツイートに"星野源"+"恋"の両方がきちんと入っていないと(部分一致ならば"星野"or"源"+"恋")カウント対象にならないということ。番組放送中またはその前後でTwitterが爆発していたにもかかわらずチャートのTwitter指標で順位をさらに上げることが出来なかったのは、もしかしたら番組実況では"#おげんさん(といっしょ)"+"恋"または"おげんさん"+"恋"の組み合わせによるツイートが多く、それらがカウント対象にならなかったから、なのかもしれません。
とはいえ、たとえば番組の中で「恋」が披露された際、"星野源の「恋」がはじまった"とつぶやくのはちょっと回りくどく、"「恋」がはじまった #おげんさんといっしょ"と書いた方が自然だと言えるでしょう。とはいえ、あまりに多くのツイート数が発生しながらTwitter指標がそこまでの伸びを示さなかったのは個人的には勿体無いなと思うのです。星野さんサイドがクロスメディア的なプロモーションを徹底されていたのだとしたら、ビルボードジャパンにチャート反映されるようなつぶやき方法も伝授して欲しかったなと思っています。