イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

普段聴きの局と化しているNHKラジオ第1放送の”強み”

毎週金曜はラジオの話。

 

 

このブログでは、青森県のラジオ番組について何度か取り上げてきたのですが、最近、特に平日帯の番組はRABラジオからNHKラジオ第1放送へと、聴取番組がシフトしている自分がいます。特に午後の時間帯は『ごごラジ!』(月-金曜13時05分)を聴く機会が増えました。

その理由は様々あり、マイナスの理由もあるのですが、NHKラジオ第1放送を聴く理由は何かと考えたところ、【帯で同じ方がパーソナリティを務めている】ことでは、と行き着いた次第です。

 

たとえば『ごごラジ!』では曜日ごとのパーソナリティとは別に、進行役として神門光太朗アナウンサーが毎日担当しています。しかし進行役といいながら、パーソナリティがメッセージを読むこともあれば神門アナウンサーがメッセージにまつわる意見や思い出等を話してやり取りが弾むなど、番組を聴くと2人のパーソナリティが同等の立場で存在しているといえます。神門アナウンサーの立ち位置はでしゃばりすぎず適切な場所にいるゆえ心地よいのです。

また、帯で毎日同じ方が出演されるというメリットのひとつが、ある曜日に出た話題を他の曜日と共有出来る点。リスナーからのメッセージを元に膨らむ話題は数多くあるわけで、その話題が他の曜日に派生出来ればリスナーも喜ぶはず。それにより、各曜日に連帯感(一体感)が生じるのではないかと思うのです。

 

他方、曜日ごとにパーソナリティが異なれど同じフォーマットで番組作っているんだから同じでは?という見方は無論正しいと思います。とはいえ、平日帯を同じパーソナリティが務めていないと、曜日によってレベルの差がより大きくなると思うのです。個人的に、聴取頻度を下げた番組における、(どの曜日とは申し上げませんが)やり取りする相手を軽視するかのような態度が散見される模様には辟易したもの(声だけのメディアゆえ、その声の細かな機微でそういうのは伝わっていくものなんですよね)。そうすると、別の曜日は面白いとなっても、先述したような聴いて辛くなる曜日があるから全体的に聴かなくなっていく(フェードアウトしていく)…というリスナーは自分だけではないでしょう。

 

 

この、平日帯番組でパーソナリティ(FMならばDJ。局によって呼び名は異なりますが)が全曜日で共通していないという件は、なにも自分の住む青森に限らず、今では東京の放送局でも、または全国でネットされるJFN系(ジャパンエフエムネットワーク)などでも数多くみられますし、最近特に増えているように思います。たとえば青森の午前の番組においては、『今日も!あさぷり』(月-金曜9時)では3名のアナウンサーが担当していますが(以前は2名でした)、対するNHKラジオ第1放送『すっぴん!』(月-金曜8時05分)ではアンカーとして藤井彩子アナウンサーが全曜日出演しています。

藤井アナウンサーの姉御的キャラの強さが曜日別男性パーソナリティに刺激を与え相乗効果を発揮することも多い『すっぴん!』はある意味、”藤井カラー”が通底しており、平日午前と言えば藤井さんの声…というラジオ好きな方は少なくないでしょう。

 

 

ラジオはメディアの中でも、出演者とリスナーの距離感が特に密なものであり、また”ながら”(勉強や学習、家事等)で聴くことが出来る、そばに寄り添ってくれるものです。特に後者において、出演者の声やコーナーを聴いて”今は何時頃だ”と感じる、いわば生活リズムの基礎にラジオがあるというリスナーの方は多いのではないでしょうか。その際、曜日毎にパーソナリティが完全に異なるとその時間感覚が少しわかりにくくなる…ということもあるかもしれず、リスナーひとりひとりの生活に密着しづらくなるのは勿体無いと思うのです。

 

いや、局側からすれば、曜日に共通したパーソナリティを置けないという事情はあるでしょう。特にアナウンサーが担当する場合、別番組の出演だったりロケや出張などがあることは容易に想像出来ます。とはいえ先述したような生活密着感が薄れること、またはこの局、そしてラジオといえばこの人という”ラジオの鑑”的な人が生まれにくいという点でこれまた勿体無い気がするのです。局側の事情には他にも、万一の不祥事を踏まえたリスク回避策というのもあるかもしれませんが、ラジオに適した強力なキャラクターがいればそのリスクもひっくるめて起用した局がきちんと責任を負うと明言し、誇りを持って接すれば好いと思うのですが如何でしょう。リスクの中はアクの強さによる一部リスナーからの反発もありますが、アクにもいいアクとそうでないものとがあることは、たとえば個人的な主観で例を挙げるならば前者は小島慶子さん、後者は『ごごラジ!』の前番組を務めた山田まりやさんがおり、アクが強くても自分が前へ行き過ぎないか、周りに気を配れるか等をリスナーからの反応を確認しながら(この反応は意識してもしすぎないようにしないといけないとは思いますが)、半期の改編毎に継続する/しないの英断を下していけな好いと考えます。

 

 

『ごごラジ!』も『すっぴん!』もこの春以降の継続が決定しています。現にネット等では民放からNHKラジオ第1放送への移行という声も目に(耳に)しており、民放局は意識してNHKラジオ第1放送の番組群と対峙、無論吸収出来るところはしていかないといけないでしょう。少なくともパーソナリティ配置については、NHKスタイルを採ってほしいと切に願います。