イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

AKB48「翼はいらない」の飛躍的な売上増加についてビルボードジャパンに問い合わせた

今週末開催される”AKB48 45thシングル 選抜総選挙”の投票券付きシングル「翼はいらない」が先々週リリースされ、先週火曜に初週売上が発表されたのですが、オリコンが144.1万枚に対し、ビルボードジャパンのセールスチャートでは初週241.7万枚。その差およそ100万枚近い大差がついていることに驚きました。

オリコンでは『昨年の同投票券付きシングル「僕たちは戦わない」の初動167.3万枚に比べると数字を落としている』(AKB48新曲が初動144万枚で初登場1位!選抜総選挙投票券付きシングル - 16/06/13付 オリコン週間シングルランキング結果速報 - The Natsu Style(6月8日付)より)のに対し、ビルボードジャパンは「僕たちは...」に比べておよそ200万枚も増加(「僕たちは...」については、AKB48「僕たちは戦わない」、2つのセールスチャートで124万枚以上の差が生じる(2015年5月28日付)参照)。この、ビルボードジャパンのセールスチャートにおける急激な増加は不思議というか、正直いって不信感が生じたというのが率直な印象でした。ビルボードジャパンにおいては、シングル前作にあたる「君はメロディー」で急激に売上枚数が増えたことから、そのタイミングで一度、自分が抱いた”不信感”を書き記しています。

 

不信感を不信感のまま抱き続けてはいけないと思い、「翼はいらない」の初週売上が発表された直後、ビルボードジャパンへ問い合わせました。問い合わせ内容は下記の通り。

① 「翼はいらない」においてなぜ(オリコンに比べ)100万枚もの差が発生したのか 

② 昨年のシングル以降、チャートポリシーに変更があったのか 

③ ②において変更があったとするならば、その発表が見当たらないが、いつから変更したのか 

先週火曜夕方に質問したのですが、回答はその日の夜のうちに届きました。その後、数度やり取りさせていただき、回答内容のブログ引用について許可をいただきましたので、紹介させていただきます。

①について

ビルボードでは、より正確なデータによるチャートを作るべく、パッケージ・セールスを含みそれぞれのデータの網羅性を高めるために、データ提供元の各社様と交渉、およびそのデータの客観性と正確性の確認作業を継続して行っております。今回ニュースとして公表したリリース枚数も上記に伴うものです。

②および③について

→ 大きなチャートポリシーの変更の際は発表しておりますが、データの拡充に関しては日常業務の中で行っていることから、今回の件に関してはその業務内のことでございますので発表はしておりません。

その上で、売上枚数を見てもらっている取引先各社からこれまでクレーム等が届いたことがなく、自信を持って発表している…との回答もいただきました。

 

売上の増加については、ビルボードジャパンの日常業務におけるデータ拡充の結果に因るものだと判りました。たしかにそれで納得出来るところもありつつ、とはいえあまりにも急に大きく売上が増加していることを踏まえれば、チャートポリシーの変更が大きくないとしても変更時には公表したらどうかと思いその旨を伝えたところ、ビルボードジャパンからは社内で検討するとの返事をいただきました。

 

ビルボードジャパンの迅速な対応、そして個人ブログにかかわらず丁寧に回答してくださり、且つこちらからの要望を一度でも咀嚼してくださったことに心より感謝申し上げます。

 

 

よくよく考えれば、これまでのAKB総選挙の投票総数の推移(【第7回AKB総選挙】総投票数が過去最多328万票! 驚異の60万票増 | ORICON STYLE(2015年6月6日付)に掲載)を見るに、たとえば昨年の328万票のうち、CD封入の投票券(オリコンによれば、「僕たちは戦わない」は2015年度の売上枚数が178.3万枚。【オリコン年間】AKB48、前人未到シングル6年連続V TOP4独占 | ORICON STYLE(2015年12月23日付)より)以外、モバイル会員等の投票が150万近くあったことは個人的には考えにくく(投票券が有された各サービスはAKB48公式サイト | AKB48 45thシングル 選抜総選挙 :投票権に掲載)、実際は昨年の段階でCDの売上が200万以上である可能性は低くないように思います。投票総数におけるCD封入投票券とそれ以外の比率等内訳やモバイル会員数が公表されない限り推察の域を出ませんが、今回のビルボードジャパンの売上枚数は信憑するに足るものかもしれません。まずは今年の総選挙の投票総数を確認してみたいと思います。

 

 

今回、「僕たちは戦わない」との売上枚数の差異が少ないオリコンに対しては問い合わせなかったのですが、昨年の投票総数からの推察を踏まえるに、また両者をフェアに比較するという意味においても、オリコンにも問い合わせればよかったかもしれません。少なくとも今回、ビルボードジャパンから回答をいただけたことはあらためて有り難く思っております。