昨日の『J-WAVE TOKIO HOT 100』(J-WAVE 毎週日曜13時)の1コーナー、"SHU-KAN CHRISPAPER"で知ったのですが、レッド・ツェッペリンが訴えられていたのですね。
・まさかのリユニオン?
レッド・ツェッペリンの1971年の名曲「天国への階段」にパクリ疑惑がかけられている裁判で、メンバーのジミー・ペイジさんと、ロバート・プラントさん、ジョン・ポール・ジョーンズさんが出廷することになりそうです。
かの有名なレッド・ツェッペリンの「天国への階段」のイントロが、スピリットというバンドの曲「Taurus」にそっくり!という、ファンのあいだでは大昔から言われ続けてきたことが、40年以上たったいま裁判になっている。音楽業界では、もはや“暗黙の了解”として処理されてきたことを、いまさら蒸し返すのは(!?)
もしこれがパクリとなると、ツェッペリンが莫大なお金を払わされるだけでなく、似たような裁判が、雨後の竹の子のように勃発するわけで、思ったより大変な問題。しかもその判断は、一般市民から選ばれた陪審員に託される!!
当初は代理人が出席すると言われていた裁判に、どうやらジミー・ペイジとロパート・プラント本人が出てきそう。プラントは6月19日にイギリスのフェスに出演する予定だったが、14日から裁判が始まるため、フェスへの出演をキャンセル。
さらにツェッペリンのベーシスト、ジョン・ポール・ジョーンズも、証人として出廷する予定。演奏はしないけど……再結成!
・J-WAVE TOKIO HOT 100 SHU-KAN CHRISPAPER(2016年5月29日付)より
このタイミングでの"再結成"にざわつくファンは少なくないでしょうが、"再結成"先が法廷でありしかも訴えられてるという立場を踏まえれば、ファンにとって複雑ではないでしょうか。
この「天国への階段」訴訟については、下記のブログが非常に分かりやすいので勝手ながら紹介させていただきます(問題があれば削除いたします)。
一瞬不可解に感じたのが、原告側の『1ドルと作曲者クレジット』)という要求。尤も、筆者同様に自分も『その先の印税はしっかり頂く』(『』内は上記ブログより)ことを見越しているのではないかと踏んでるのですが。
今回の裁判において、ブログ筆者は『パクリ取り締まり強化』が訴訟を起こすきっかけになったとして、ロビン・シック「Blurred Lines」におけるロビン等側の敗訴、マーク・ロンソン「Uptown Funk!」におけるクレジット追加問題を取り上げています(「Blurred Lines」については詳細を記したbmr記事も掲載)。自分もそれらについての私見を以前記載し、「Uptown Funk!」の元ネタ?をリリースした元ギャップ・バンドのチャーリー・ウィルソンに対してなされた"入れ知恵"が大きな影響を及ぼしたものと判断しました。
チャーリー側に"音楽研究家”を送り込んだのもともすればMinder Music側の意図(bmrライターの末崎氏のツイートに激しく同意)、と考えると如何に巧妙かが判るというものです。そしてMinder Musicは”パクリか否か論争”において実績を積んでいるようで、それもアリアナ・グランデやドクター・ドレーといった売れている歌手/曲を訴訟対象とすることを踏まえれば、”売れている曲や歌手相手に訴訟や示談交渉を行えばそれが金脈になる”と考えて行動しているように思うんですよね。
・「Uptown Funk」作者名追加問題についての私見(2015年5月9日付)より
今回の「天国への階段」訴訟において原告側弁護士のフランシス・アレクサンダー・マロフォイ氏が何を考えているかは解りませんし(下記記事を見つけましたが英語でしたので現時点ではきちんと目を通していません)、マロフォイ氏が上記Minder Musicのようなスタンスを採るのかは不明ですが、パクリ疑惑曲を訴えて多額の金を勝ち取らんとする集団が今後出てきてもおかしくないですよね。そういう集団は最終的に音楽を金でしか考えていないのではと思い、パクリは音楽を台無しにするというもっともらしい大義名分を掲げて金を取らんとするその姿勢にははっきり言って辟易します。マロフォイ氏に関するブルームバーグの記事はこちら。
ちなみに。昨日のJ-WAVE、レッド・ツェッペリン訴訟問題の直後にチャート紹介に戻り、最初に流れた曲が85位に初登場した桑田佳祐「大河の一滴」なのですが、このAメロがグロリア・ゲイナー「I Will Survive (邦題:恋のサバイバル)」に聴こえてしまったのです。パクリ疑惑ニュースからの流れゆえ、自分の耳が訝しげになっていたのでしょうか。