イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

洋楽ヒット曲を邦楽に巧く落とし込む歌い手

今週入った店で安藤裕子「ないものねだりのI Want You」を知ったという話はこの前書いたのですが、その同じ店で同じ日にかかっていた別の曲にも強く惹かれながら曲名が判らず、その日のうちに見つけることが出来ませんでした。ようやく判明したので今日はその曲を紹介。

松田聖子「Unseasonable Shore」(2000)

コンサート映像があったのでこっそりと

この曲の歌い出しの”人気(ひとけ)のない”や、”冷たい潮風”における同じメロディのリフレイン、そしてサビ出だしの”走り過ぎた”など、これはもはやナタリー・インブルーリア「Torn」である、と断言していいでしょう。

Natalie Imbruglia「Torn」(1997)

アメリカを除く世界各地で大ヒットし、日本でもたとえば『J-WAVE TOKIO HOT 100』(J-WAVE 毎週日曜13時)において1998年の年間チャートで19位にランクイン。今でもラジオエアプレイされることの多い人気の楽曲です。「Unseasonable Shore」はこの曲の雰囲気を見事なまでに邦楽に持ち込んでいますね。個人的にはちょっと似すぎて怖いという印象もわずかながら抱いてはいるのですが、それでも落とし込み方がいやらしくなくセンスが好い気がします。

この「Unseasonable Shore」は、松田聖子さんと90年代以降音楽面でパートナーを組むことの多い小倉良氏による作曲(編曲は鳥山雄司氏)。松田聖子さんによる、洋楽ヒット曲を邦楽へ持ち込む(落とし込む)ことについては以前も弊ブログで取り上げたのですが(松田聖子の洋楽の"邦楽化"の巧さ(2013年6月12日付)をご参照ください)、もしかしたらその源流はリンク先の曲も手掛けていた小倉良氏との出会いにあったのかもしれませんね。探せば他にも出てきそうな気がします。なお、「Unseasonable Shore」は昨年末にリリースされたベストアルバム、『We Love SEIKO』に収録されており、比較的容易に手に入れることが出来ます。