イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

【追記あり】先月のBPOへの視聴者意見の飛躍的増加に関する私見

先月、BPOに寄せられた意見等の数が飛躍的に伸びています。

2016年1月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は4,847件で、先月と比較して3,645件増加した。

2016年1月に視聴者から寄せられた意見 | BPO | 放送倫理・番組向上機構より

昨年の1月は1,695件。ちなみに昨年1月以降の件数を調べてみると、先月に次いで多かったのが昨年6月でしたがそれでも2,333件にとどまっています。

先月の飛躍的な伸び率を、”SMAP問題”と決めつけるのは早計かと一瞬思ったのですが、特筆すべきは女性からの投稿数。

男女別は男性39%、女性60%、不明1%で、世代別では30歳代33%、40歳代32%、20歳代15%、50歳代13%、60歳以上5%、10歳代2%。

2016年1月に視聴者から寄せられた意見 | BPO | 放送倫理・番組向上機構より

女性の比率が異常に高いのです。これも昨年1月以降分を調べると、この次に高かったのが昨年6月でしたが、それでも32%。そう考えると、女性の意見投稿を牽引したのは”SMAP問題”に間違いないと思うのですが、いかがでしょうか。

 

(投稿の中にはベッキーさんを『主婦として(テレビに出ていることに)不快感を覚える』というのもありました(し、関連投稿は少なくないでしょう)。ただ、あくまで個人的な意見と前置きして書くならばこの件に関しては、”ならば自身が観なければいいのでは”という話だと思います。子供に影響…という声も聞きますが、教育上良くないという理由付けをして自身がきちんと子供に説明出来ない(ことを端的に示した)責任転嫁とも言えますし、もっと厳しい物言いをするならば子供をダシにしているとも。こういう責任転嫁問題は、たとえばつい最近WHOが打ち出した喫煙シーンの成人指定化問題とも”根源”が一緒であり世界的な問題と言えるのかもしれませんが、正直なところ辟易しています。)

 

SMAP問題”について、ファン等が牽引して劇的な投稿数に至らせたという意味ではひとまず成功といえるかもしれません。しかし個人的に引っかかるのは、この投稿増加に関するリアクションが異様に少ないということです。BPOの1月の意見公表から日が浅いということも要因としてあるかもしれませんが、現段階で、たとえばTwitterにて『BPO SMAP』とライブ検索しても 投稿増加に反応している人がほとんどいません。

これは由々しき事態だと考えます。なにより”SMAP問題”においては木村拓哉さん以外の4名のメンバーが早ければ今夏以降”干される”可能性があると報じられているわけで(その報じているメディア自身が”干す”わけですからその報じ方は矛盾と言えるのですが)、つまりこの問題は長期戦の様相を呈しているわけです。そしてファンは、彼らが干されないように監視する、事務所やメディアを説得もしくは抵抗する必要があると思うのです。しかし現状のリアクションの少なさを勘案すれば、BPOに大量の意見が寄せられて以降のビジョンがないように見受けられ、非常に残念に思います。

少なくとも今回のBPOへの意見提出数の多さ、もっと言えば何通提出したかをファン同士で、その内容も含めて共有し、そこから次の一手を考えるほうが断然好いでしょう。そしてそのやり取りを公開書簡的にSNS上でオープンに行えば、ファン以外にも数多いるであろう事務所や芸能界への不信感を抱く方にも波及するはずで、その数の多さはイコール監視の目の多さになるはずです。それゆえきちんと今回のリアクションならびに今後のアクションを、ファンが一丸となって行うことを勧めます。

ファンの投稿数が判るならば、3,645件中”SMAP問題”が何割を占めているかも分析出来ますし、また仮に割合が高いにもかかわらず放送倫理検証委員回や放送人権委員会等で取り上げられないならば、BPOに取り上げない理由を伺うことも出来るはずゆえ、共有しないのは勿体無いと思うのです。

 

 

SMAP問題”においては、芸能界の内部からの事務所に対する意見提示がほとんど見られなかった(ように見える)ことから、サラリーマンをはじめとする市井同様、芸能界にも”巨大な権力にはおもねるのが吉、歯向かったら何されるか解らないから言わないのが好い”という考えが蔓延っているように思います(逆に先述したベッキーさんの件に関して等、問題を起こした方については容赦なく叩き潰しても構わない、反省ではなく後悔させよとばかりにひどい言葉を浴びせる…そんな芸能界ならびに市井の反応には虫酸が走ります。強い者にはおもねる、弱い者には戯言を吐く…そのやり方はまさに虐めそのものではないかと)。BPOでの意見提示の多さは、それを外部からおかしいと提示し、もしかすれば事務所方針の転換等に至らせることの出来る機会になり得るかもしれないと考えれば、彼らのファンはもっともっと結託していいと思うのですが、いかがでしょうか。

 

 

【追記(2/13)】

BPOの見解が発表されました。記事内容を全文引用させていただきます。

 所属事務所からの独立問題が取りざたされた5人組グループSMAPが活動継続を表明した1月18日のフジテレビ系バラエティー番組「SMAP×SMAP」について、放送倫理・番組向上機構BPO)の放送倫理検証委員会(委員長=川端和治弁護士)は12日、1月31日までに約2800件の視聴者意見が寄せられたことを明らかにした。

 「無理やり謝罪をさせてパワハラだ」といった声が多数あったという。同委員会は「放送倫理上は問題はなかった」として討議しないという。

スマスマ「謝罪はパワハラ」、BPOに意見多数 (読売新聞) - Yahoo!ニュース(2月13日付)より

問題は二点。一つは、2,800件という最近では突出した意見の数でありながらその数の多さを討議対象として考慮に入れなかったこと。事務所の所属タレントに対する対応の問題と”放送倫理”、つまり放送上の問題は別物という考えかもしれませんが、数の多さを全く考慮に入れないというのは考えものです。もう一つは、読売新聞の記事の項目名が大事なところに言及していない点。『スマスマ「謝罪はパワハラ」、BPOに意見多数も討議入りせず』というほうが問題の本質、根深いところを捉えてはいないでしょうか。わずか7文字の追加で済むことなのですが。

 

また、昨日突如、『金スマ』(『中居正広の金曜日のスマたちへ』(TBSテレビ 毎週金曜21時)のスマが”スマイル”のスマに変更となったことも不穏な動きの一環と考えています(「金スマイル」初回放送も…名称変更について番組内で触れず (サンケイスポーツ) - Yahoo!ニュース(2月12日付)より)。記事ではベッキーさんのせいと言わんばかりの”関係者発言”が理由と記されていましたが、ならば(特に今年市井で糾弾されることになった)不倫というイメージを用いた番組名を、そもそも使わなければよかったという話であり、番組名決定時のミスとも言えるはずです(し、そもそも”複数の関係者”という匿名表現自体がいやらしいですね)。それ以前に、SMAPの”スマ”だったはずのものをスマイルという漠然としたイメージを抱かせる名前に替えることで。中居正広さんが干されてSMAPがいなくなっても”看板に偽りなし”と言えるようになってしまったようで気味悪いのです。無論これらは最悪の想像と言われればそれまでですが、突然の変更はそれを想起させるに十分ではないでしょうか。”干されるのを自然に行える仕組みづくり”は放送倫理以前に、中居正広さん自身の人権に関わる問題ではないでしょうか。ならばBPOに意見提示や討議非対象の理由をたずねて言質を取るべく動くのみならず、ファンは”次の一手”を打つ必要があるでしょう。