イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

少数派ではないかと惑う自分への処方箋

それにしても、芸能界の問題に対するマスメディアと市井に蔓延る悪意には失望します。とりわけ、SNSのやり取りが本人に無許可で掲載されたことを何ら問題視せず、それどころか諸手を上げて賛同し執拗に叩くやり口には、失望を通り越し怒りすら覚えます。

インターネットが普及、浸透して20年強になりますが、未だにネットリテラシーについての道徳教育をはじめようという考えがないことはあまりにも問題です(し、今やSNSで一般公開していない人とのやり取りがスクリーンショットされ平気で投稿されてしまうことにも強い疑念を抱きます)。個人的には、『新春テレビ放談2016』(NHK総合 1月2日22時40分)で、特にネット民の感情を冷静且つ的確に分析し提示したヒャダインさんがホストを務めるネットリテラシー教育(道徳)番組の制作を切望しますし(特にEテレでなら出来そうではないかと)、その番組が教材として各学校で用いられたなら…と思うのです。そうでもしないと、どんどんなし崩し的に人権が奪われるのではないか、と危惧します。

決して今回問題になっている芸能人を擁護するわけではありません(イメージ問題はあれども、今回の問題はあくまで当事者同士で解決すべきことであり、そこに入り込んで茶化すことはナンセンスだと考えます)。また、芸能人に限らず今や一般の、市井の人々もSNSに関わる以上、個人情報の悪意ある流出(とそれによって悪意ある中傷を受けること)は決してゼロではないはずで、にもかかわらず自分自身が安全な場所にいると思い込んで中傷合戦に参加することは、もしも自分が受けたならという想像が出来ないことであり(そして中傷行為はそれを発する人の想像力の乏しさを対外にアピールしているものと個人的には考えており)、それは非常に悲しいことです。

 

今年に入って、そのような様々な悪意が透けて(いや、ダイレクトに)見えてしまい、疲れてしまっているというのが正直なところで、SNS流出を問題視する声が限りなくゼロであることを考えると、自分は実は少数派ではないかとすら思っています。また、今回の渦中にある歌手の曲を紹介するラジオ番組(特にFMで)の、悪意にまみれた紹介にはただただ違和感を覚えます。嘲笑しながら紹介しているという姿勢が如実に伝わってくるのです。少なくとも今回の件が発覚する前にはそのDJ陣も曲を純粋な気持ちで評価してはいなかったでしょうか。"制作された芸術作品"と"作った人間の性格や人となり"とを切り離すか否かは各自の判断に委ねられるとして、その両者を悪意をもってくっつけて紹介するDJの多さに、はっきり言って怒りに震えました。純粋に音楽を愛するという気概がないなら出ていってほしいですし、そういう音楽愛がない人が増えたことがラジオ衰退の一因ではないのでしょうか。

 

今回、自分の考えをどうしても書き記さねばと思い、掲載した次第です。長文、失礼しました。

 

 

 

こんな時には、こういうノリのいい、そして遊び心溢れる曲を聴いて何もかも忘れたいものです。

・99 Souls feat. Destiny's Child & Brandy「The Girl Is Mine」(2015)

99ソウルズというハウスミュージシャンのデビュー曲で、最新の全英シングルチャートでは4ランク上昇し、自己最高位となる5位を記録。デスティニーズ・チャイルド「Girl」(2004 →YouTube)とブランディ&モニカ「The Boy Is Mine」(1998 →YouTube)とをマッシュアップしたこの曲。実はその前年には既に発売されていたそうですが、ビヨンセから使用許可が下りたことであらためて昨年11月にリリース。その再リリースに合わせて、なんとブランディ本人を招聘しているのですから驚きです。ブランディのレコーディングの様子は下記のリンク先で確認出来ます。

ブランディ、最近ではミステリー・スカルズによるディスコティークな楽曲にも参加しており、良曲があれは前向きに参加するというその姿勢が大好きです。

・Mystery Skulls feat. Brandy & Nile Rodgers「Magic」(2014)

 

「The Girl Is Mine」のミュージックビデオ、主人公だけが周囲を違う動きをしていることにはじめは迷っていたものの、最愛の人を見つけるとそのことに戸惑うことがなくなるという結末…考え等がマイノリティで困惑する自分にとって、何かしらの気付きになった気がします。昨日この曲を知ったばかりなのですが、この曲に出会うことはもしかしたら必然だったのかもしれません。