先週リリースされたAKB48のシングル「唇にBe My Baby」の初週売上枚数が発表されました。オリコンではミリオン”未達”となっています。
初動売上は90.5万枚となり、長らく続いた初動ミリオンセラー(初動100万枚)の連続記録がついにストップしてしまった。
・15/12/21付 オリコン週間シングルランキング結果速報 - The Natsu Style(12月15日付)より
オリコンでの初週ミリオン突破記録が21作でストップした事実について、これをもってAKBグループ人気の陰りと捉える人は少なからずいらっしゃるかもしれません。
が、それは必ずしも当たってはいないと考えます。理由の一つが今作の分析から解ります。
一般流通8種リリースで、「キャラアニ.com」で個別握手券付き劇場盤を販売。前作「ハロウィン・ナイト」の初動は1位・127.8万枚(「キャラアニ.com」で個別握手券付き劇場盤を販売)であり、約37.3万枚減。
(中略)
売上枚数はイベントの予定回数が前作から減ったことに起因し、大幅ダウンを記録した。
・15/12/21付 オリコン週間シングルランキング結果速報 - The Natsu Style(12月15日付)より
イベントの内容は定かではありませんが、個別握手券を持った方が参加出来る握手会がその中身だとすれば、ファンが直接触れ合う機会が減った分、売上が減るのは自然なこと。それが如実に反映されミリオン未達になってしまったのでしょう。
そしてもう一つの理由。実は別のセールスチャートでは”売上増”と発表されているのです。それがビルボード・ジャパンのセールスチャート。
来年3月28日に卒業が決まっている高橋みなみのAKB48ラストシングルということもあり、前作『ハロウィン・ナイト』の初週売上枚数を大きく超え、堂々の1位となった。
・たかみなAKB48ラストシングル『唇にBe My Baby』がビルボードセールスチャート制す | Daily News | Billboard JAPAN(12月15日付)より
詳細な枚数はまだ公表されていませんが、前作の「ハロウィン・ナイト」から37万枚以上減ったオリコンに対し、ビルボード・ジャパンのセールスチャートでは大幅増というのは、一見すれば矛盾しているようにみえるのですが、これは後者のチャートが”劇場盤をカウント対象外にしている”ことが理由。カウント方法については以前弊ブログにて記載しています。
「唇にBe My Baby」のセールスは、【劇場盤の大幅な売上減少】と【一般流通の大幅な売上上昇】の双方が起因していることが解ります。
このシングルのカップリングには、高視聴率を誇るNHK朝の連続テレビ小説『あさが来た』の主題歌、「365日の紙飛行機」が収録。実はこの曲についての記事がCDリリース後に複数登場していました。
・AKB48、「365日の紙飛行機」は“第2の恋チュン“となるか? ファン以外からも問い合わせ殺到 (トレンドニュース(GYAO)) - Yahoo!ニュース(12月9日付)
・「あさが来た」主題歌 シニアに浸透…世代超えて飛ぶ「紙飛行機」 (スポニチアネックス) - Yahoo!ニュース(12月12日付)
・どこまで「飛ぶ」、AKB歌う朝ドラ主題歌 反響受けCD仕様変更 (スポニチアネックス) - Yahoo!ニュース(12月14日付)
これらの記事はともすれば、”ミリオン未達の可能性があったことに起因するテコ入れか”と穿った見方で捉えられるかもしれませんが、一般流通において売上が伸びていることが判れば、その見方は大きく変わるはずです。
(ちなみに昔は、カップリング曲(当時はB面と呼ばれていました)のほうが注目を集めれば、そちらをシングルの表題曲として差し替えることが少なくなかったと聞きます。もしかしたら「365日の紙飛行機」もそのパターンになるかもしれませんね。)
オリコンとビルボード・ジャパンのセールスにはそのカウントする/しないの基準もあり大きく異なりますが、双方のチャートを見ることで偏った見方を避けることが出来、客観視が可能になるのではないでしょうか。そして”朝ドラ”効果が出ていることを踏まえれば、2週目以降のセールスが堅調に推移するのではないかと考えます。