美しきゴスペル。
先月、4年半振りの(この方にしては)久々のリリースとなった『Losing My Religion』が全米ゴスペルアルバムチャートを制したのみならず、総合チャートでも10位を記録したカーク・フランクリン。シングル「Wanna Be Happy?」もゴスペルシングルチャートを独走していますが、アルバムで特に惹かれた曲が「When」。カークのクワイア(コーラス隊)はバックに徹し、メインボーカルを引き立てます。そしてメインボーカルを務めるのはゴスペル界で高い支持を集めるキム・バレル、そしてライブ盤をリリースしたばかりのレイラ・ハサウェイ。これが実に美しいのです。
冒頭のクワイアはスティーヴィー・ワンダーの「Love's In Need Of Love Today」(さらにいえばゴスペルグループ、カンパニーによるカバー版→YouTube)を想起。そしてキムとレイラの掛け合い…そこにかのラリー・ゴールドによる流麗なストリングスも相俟って、あたたかくやわらかな陽光が降り注ぐような心地よさが味わえます。ラリーは「Declaration (This is It)」(2007)、「I Smile」(2011)といったカークのシングルにも参加しており、いずれこの曲もシングルカットされるかもしれません。ラリー・ゴールドについてはところで、ラリー・ゴールドってダレ? - TOWER RECORDS ONLINEなどをご参照ください。
ちなみにキム・バレルについて、特に彼女がどれだけ慕われてるかについては、今夏開催のブラックミュージックの祭典、エッセンスミュージックフェスティバルを観覧した音楽評論家の林剛氏によるツイートが非常に参考になります(ので、勝手ながら引用させていただきます)。
トリビュートを捧げられる側はステージ下のソファに腰を下ろし、基本マイクを握らないのだが、キム・バレルはジョナサン・マクレイノルズとヨランダ・アダムスのパフォーマンスの合間(休憩時間)に我慢できなくなって歌い出し(笑)、「今日はここに友達も何人か来ているのよ」と呼び込んだのが…
— RIN-GO (@hystys) 2015, 7月 11
R&B好きにとって、これほど贅沢な「休憩時間」もないかも。その後、ステージではヨランダ・アダムス→スモーキー・ノーフル→ジャズミン・サリヴァンが。ジャズミンやジル・スコット、フェイス・エヴァンスらがキムの信奉者であることはよく知られているけど、その事実を目の当たりにした感じ。
— RIN-GO (@hystys) 2015, 7月 12
我慢できずに歌い出すキムもかわいらしいですが、そこに呼応して数多くの歌手が参加…その中にレイラもいたという次第。もしかしたらこの時には既に「When」のレコーディングを終えていたのかもしれず、エッセンスフェスにて再会という形だったのかもしれませんね。来年のフェスでは、カークのライブで二人が美しい歌声を披露することを願っています。