イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

布施明×島津亜矢「MY WAY」の素晴らしさ

昨日放送の『NHK歌謡コンサート』。布施明さんと島津亜矢さんによる「MY WAY」があまりにも素晴らしく、何度も観返して、聴き返しています。

 

島津さんは、同曲を"力強さの中に、とっても優しさがあって…涙が出るほどビンビン心に響く"と評し、一方の布施さんは"島津さんの声の圧力がもの凄いので負けないように"と述べて、いざパフォーマンスへ。表現力の豊かさ(歌詞に合わせた押し引きは勿論、島津さんが担当した2番における"楽しい想い出"の箇所は特に)、サビの真っ直ぐな歌声に感動して震えてしまいました(大袈裟かもしれませんが、本当に)。島津さんの圧倒的な歌ヂカラと表現力に心動かされた布施さんが、歌う島津さんの隣で彼女の素晴らしさを身振りで観客に訴求する…という、歌い手が歌い手を尊重するシーンにも感動。これは永久保存版だと言っても過言ではないでしょう。

(どなたかがあげたこの動画は、合法的アップロードではないにせよ紹介せずにはいられませんでした(ですので問題があれば紹介は控えます)。オンデマンド配信していたならばその紹介をしたのですが…。)

 

このデュエット版「MY WAY」はどうやら5年前にも披露されたのですが、その時は島津さんが、尊敬する布施さんの歌に感動したからか感涙直前の表情をしており初々しくもありました(それを察して、島津さんの手を取る布施さんの頼もしさたるや。おそらく手を取る場面はアドリブだったのか、手のアップだけ少し不自然な挿入をしているように見えます)。

それから5年。より歌手として頼もしさが増した島津さん。そして島津さんに主旋律を任せ、あまりに難解なハーモニーをさらりとこなしてしまう布施明さん…これぞ歌ヂカラなのだと実感です。

 

 

もしかしたら、この5年の間に島津亜矢さんを更なる高みへ押し上げたのは、2010年に第一弾がリリースされた、ポップスカバー集『Singer』シリーズへの挑戦があったのかもしれません(ちなみに「MY WAY」は『Singer 2』(2013)に収録)。

島津亜矢楽曲集:アルバム

第一弾および第二弾に関しては弊ブログでも、特にアルバムの冒頭を飾る洋楽カバーについて取り上げているのですが(島津亜矢版 ♪エンダーイ が素晴らしい件(2013年1月30日付)および島津亜矢は素晴らしい歌の語り手である(「My Heart Will Go On」「かもめはかもめ」)(2015年1月30日付)を参照)、先月発売された第三弾『Singer 3』でも巻頭を飾るのは洋楽のカバー。それも第一弾に続きホイットニー・ヒューストンに挑戦しています。曲は「Saving All My Love For You」。

SINGER3

SINGER3

  • 島津亜矢
  • 謡曲
  • ¥2000

短尺の試聴音源しかないのですが、ここでの表現力も見事。遅ればせながらアルバムの存在を知り、音源を取り寄せ、聴き惚れてしまいました。ポップスへの挑戦により演歌以外の歌唱法を習得し、多様な表現力を身に付けることができたのではないかと思うのですが、如何でしょう。

 

是非一度、生で彼女の歌ヂカラに触れたいと強く思うようになりました。そして、こういう素晴らしい歌い手の方こそ"紅白"の大舞台に立って、より多くの方に知っていただき、魅了していただきたいと切に願います。