イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

秦基博の魅力をないがしろにしたエフエム青森の残念さ

昨夜のラジオ本番を終え、次の用事へ向かう車内でラジオをつけると、先月三内丸山遺跡で行われた秦基博さんのライブ音源がOAされるという番組が流れていました。

上記のつぶやきで引用されたツイートはコチラ。当日行けなかったライブの雰囲気が、映像(WOWOWで11月8日23時OA)より一足早く味わえると思いワクワクしていたのですが。

はっきり言って、非常に残念でした。

 

内容はこのような感じです。

・スタジオ進行は女性DJ2名(里村好美アナウンサー、稲葉みどりさん)

・ライブ前日に鈴木耕治アナウンサーがインタビュー

・まず、女性DJ陣オススメの"秦基博この一曲"として「ひまわりの約束」「Girl」のオリジナル(スタジオ)バージョンOA

→インタビュー音源、およびインタビューで触れた「Q&A」OA

→番組中盤(19:25)から当日のライブ音源OA(『色彩」「水彩の月」「鱗(うろこ)」「グッバイ・アイザック」)

→CM後エンディング。当日のライブ音源(「やわらかな午後に遅い朝食を」)をバックにDJ陣がトーク

 

そこまで言ったら自分が担当する番組はどうなんだよとツッコまれかねないのを覚悟で、厳しい物言いをさせていただくならば、引っ掛かった点は下記のとおり。

 

① 構成に"ワクワク感"がない

秦基博さんの最大のヒット曲は「ひまわりの約束」であることに異論はないでしょう。ならばなぜその曲を【ライブ音源ではなく】、そして【番組冒頭で】流したのでしょう。番組冒頭でOAすることでリスナーは、"この曲はライブ音源用意してないのかも"と察するかもしれません。(後のテレビ放送やDVD発売があればそちらで用いるために、)ラジオで使用出来る音源に制限があったのかもしれず、ならば「ひまわりの約束」はどこかで流さないと…と思ったのかもしれませんが、それでもさすがに番組の一曲目はないよなあと。後半(最悪の場合、エンディング)で用いてリスナーの興味を持続させたほうが好かったでしょう。いや、そもそもの話として、ライブ音源とインタビューのみでお送りすることは出来なかったのでしょうか。

また、今回番組にスポンサーが付いていたのですが、CMと本編の間に切り替わったことを示す【ジングル(ジャンクション)がなかった】ため、CM開けにほぼ無音の状態でライブ音源に切り替わったことも残念でした。良く言えば自然な切り替えですが、悪く言えばリスナーの気持ちの準備が整わない状態での発進だったかもしれません。特別番組用にわざわざ…という手間はあるかもしれませんが、たとえばインタビュー時にジングル用の声を録音して用いても好かったでしょう(外国人歌手が日本のラジオに出演する際、局側で"You are listening to (ラジオ局/番組名)"と録音させそれを用いていますが、そのやり方を踏襲してもよかったはず)。その方がよりプレミアム感は高まったはずです。

 

② "ライブ感"が薄い

ライブ音源は曲毎にフェードアウト→フェードインという形で流れていたのですが、会場の【観客の拍手や歓声があまりにも小さかった】のです。これは自分が車内で聴いたゆえにそこまで聴こえなかっただけかもしれませんが、前週NHK-FMで放送された山下達郎さんのライブ音源は"PAアウト"でしたがそれでも観客の拍手や歓声は聴こえており(それも演奏等に邪魔にならない程度の絶妙なバランス)、ライブ感が薄まっている印象を抱きました。しかもライブ音源のほぼ全曲において、演奏終了後の【観客の拍手が即座にフェードアウト】してしまっており、余韻を感じられないのも残念でした。併せて、【曲間のMCも割愛されていた】ため、それがあればもっと親近感沸くだろうに…とも。

 

③ 進行役の"下品さ"が甚だしい

はっきり言って、里村好美アナウンサーの【下品さ】には閉口してしまいました。笑い方、共に進行役を務める稲葉みどりさんへの態度(口調)、自身がインタビューに行けなかったことに対する先輩アナウンサーへの(冗談半分での)愚痴、等。感じ方には個人差があると言われればそれまでですが、笑い方や喋りが汚らしいと自身の魅力のみならず、その人を介して紹介される人やモノの魅力さえ削られてしまうと思うのです。また、里村アナウンサーに呼応する形で、稲葉みどりさんの口調も綺麗じゃなくなってしまったのは実に残念です。

いわば進行役ふたりのやり取りは【悪い意味でのガールズトーク】のようなものでした。上品さがほぼ感じられず、下世話感が強かったために周囲は引いてしまうと思うのです。終始そのテンションで番組が進行されたことでリスナーは置いてけぼりを食らったかもしれませんが、それを気にかけていないかもしれない姿勢(これは以前から感じられたことゆえ、何度か弊ブログにも記載しています)をあらためて痛感してしまい、特に里村アナウンサーは声は好いのですが…と愕然としてしまいました。

 

 

番組タイトルの『秦基博特番~私たち秦基博が好きなんです~』というネーミングを、秦基博さんの所属事務所側は褒めていましたが、下世話なガールズトークを聴くに、【"私たち"って当日のライブに集まった4千人ではなく、番組を進行するDJ陣(の我の強さ)ではないか】と強く思った次第。進行役は稲葉さんひとりで十分で、里村アナウンサーを交えて悪い意味の化学反応を起こす必要はなかったはず。下世話な喋りを聴きたくない、もっと秦基博さんの好さを引き出すなりライブ音源を増やしてくれ…と不満ばかりが募り、とにかく悲しくなりました。

WOWOWで後日OAするライブ映像を観て、口(耳)直ししようと思います。