ゴスペルの醍醐味のひとつは、特にアップナンバーにおいて転調を繰り返すことで、歌い手聴き手共に高揚感を得ることが出来ることにあります。コンサートの際にはテンションの高まりに任せて、あまり練習してこなかった高いキーに勢いのままに挑むということも。それでも実際に声が出るわけで、気持ちは大事なんだなということを歌う側として実感したこともあります。
ゴスペル界で四半世紀以上活躍するジョン・P・キー(John P. Kee)が今月下旬にリリースするニューアルバム、そこから先行配信されたタイトル曲「Level Next」はまさしくその高揚感を得ることが出来る曲なのです。
転調することなんと7回(!)、しかも最初の7回は8小節毎の転調でしたが、一度エンディングを迎えたと思いきや曲が再開し、今度は前回の半分、4小節毎に都合7回の転調を繰り返すという…これは耳も心も引っ張られないはずがありません。サビの ♪Let's go higher~というフレーズがより活きたメロディや構成となっています。日本のゴスペルクワイアでこの曲に挑戦するところも出てくるかもしれませんが、歌う側は首に青筋立ちまくりそうな気も。でも歌いこなせたなら、半端ない爽快感が味わえるかもしれませんね。
ちなみにゴスペルではないものの、転調による高揚感の演出という点において、この曲が特に分かりやすいかと。こちらも大好きな曲です。