イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

ねぶた/ねぷたとアニメ等との異文化コラボレーション続々

担当しているラジオの生放送『わがままWAVE It's Cool!』(エフエムアップルウェーブ 毎週日曜17時)。弘前市のまちなか情報センター内サテライトスタジオよりお送りしているのですが、本番前にセンターに伺ったところこちらのねぷたに出会いました。

https://instagram.com/p/534naIvkPT/

ラジオの相方である女子大生に伺ったところ、”これは2年生ですね”とのこと。正直なところ『ラブライブ!』自体ほとんど知らず、”あの宇多丸さんも絶賛した『マッドマックス』の新作を破って興行収入1位になった映画の…?”くらいの印象でしかなかったのですが、このねぷたを観るためにわざわざ早朝から並んだ人もいたと聞き、『ラブライブ!』ファンの熱気を実感した次第。さらに女子大生曰く、”青森県知事もにっこにっこにーしてたんですよ!”とのこと。その写真を見つけて驚いております。

 

このプロジェクト、調べてみるととんでもないことになっていました。

ねぶた祭 x ラブライブ

このグッズやイベントの徹底っぷり(イギリストーストまで!)、そして青森や五所川原ともコラボしているのですが、その際の”ねぶた””ねぷた”の使い分けもきちんとしていることに感心しました(この”ぶ”と”ぷ”の使い分けが出来ないメディアが未だ少なくないのです)。そして上記ホームページでも触れられていますが、今回のプロジェクト、『ラブライブ!』と青森県との連携事業なんですね。

観光企画課では、今年度より提案者事業実施制度(庁内ベンチャー制度)「コンテンツツーリズム推進事業」を実施し、アニメ・漫画等を活用して新たな観光客層の誘致に取り組んでいます。この事業の一環として、TVアニメ・ゲーム等メディアを横断して展開している人気コンテンツ「ラブライブ!」と連携し、ラブライブ!ねぶたの運行・展示を行うこととなりました。

「ラブライブ!ねぶた」の運行・展示が行われます! - 青森県庁ホームページ(7月10日付)より

 たしかに、古来からの伝統文化とアニメーションとは相容れないところもあるかもしれず、伝統文化にあまり興味を抱いていなかったアニメファンがはじめて青森県を訪れるきっかけとなり、新規顧客の獲得につながるでしょう。その着眼点には”たしかに!”と納得します。

(その一方で”伝統文化にアニメ等異文化を持ち込まないで欲しい”という意見も見られます(これは青森ねぶた祭においてスターウォーズねぶたが運行禁止に至った運営側の判断などにも垣間見られるのですが)。ならばアニメやゲームのキャラクターが以前から多く存在していた(大型ねぷた/ねぶたの)前灯籠は現状通りでいいのか?矛盾していないか?ということになるんですよね。その延長線上にアニメ等とのコラボが生まれたと解釈すればいいのかもしれません。)

 

だとすれば、アニメ等をきっかけで来県してくださったファンの方に、アニメも素晴らしいけど青森自体も楽しいですよと思わせるための、【再訪していただける施策】を自治内にはきちんと採っていただきたいものです。今年は『ラブライブ!』『スターウォーズ』のねぶた/ねぷたの他にも『スターウォーズ』の田んぼアートが田舎館村でも開催され、伝統と異文化のコラボレーションが目立つのですが、来年も同じコラボレーションがあるとは限りません(し、むしろ限りなくゼロに近いと言えます)。となると一過性のムーブメントに過ぎず、アニメ等ファンの再訪は厳しいでしょう。アニメ等をきっかけに来てくださった方が青森県来訪中にファンになってくださり再訪したいと思わせるためのサービスやおもてなしといった施策こそ重要でしょう。今回来てくださった方が1年以内に再訪したら特典が…でもいいでしょうから、そういったところにも力を入れていただきたいと願うところです。